2010年2月10日 (水)

「アメリカン・スクール」 小島信夫

アメリカン・スクール (新潮文庫)

アメリカン・スクール

小島信夫

新潮文庫 2007.12.
(original 1967)

芥川賞受賞(1954年)の表題作を含む8編を収録した短編集。

これは面白いという評判をチラホラと耳にするので読んでみました。解説が保坂和志氏だというのもちょっとポイント高し。

うーん、この回の芥川賞は庄野潤三の『プールサイド小景』とのW受賞なんですが、自分は『プールサイド小景』のほうが好きかなぁ。てか調べたらこの頃って選考委員に佐藤春夫や川端康成が入ってるんですね。熱い。

全体的に戦争を題材にとっている作品も多くて、そのあたりと関連して敗北感と恥というのが強く描かれた短編集で、読んでいてちょっとどんよりとしたな気分になってしまうんですよねぇ。滑稽なまでの描写も多いんだけど、笑うに笑えない。

収録作品で一番面白かったのは一番最初の「汽車の中」かなぁ。てか、網棚の上に乗るって、今の日本では考えられないですよね。

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2010年2月 6日 (土)

映画「ココ・アヴァン・シャネル」

ココ・アヴァン・シャネル特別版 [DVD]

Coco avant Chanel

フランス

2009

09年9月公開

DVD鑑賞

突如、映画ブームが到来したシャネルの伝記。現在もストラヴィンスキーとの関係を描いたものが公開中ですが、いくつかある中で、自分が一番観たいと思ったのはこの作品。ストラヴィンスキーのもちょっと気になりますが。

孤児院で育ったココ・シャネル(オドレイ・トトゥ)は姉と2人でお針子をしながら、歌手になることを夢見ていた。あるとき、歌を歌っていたキャバレーで貴族のエスティエンヌ・バルザンに見初められ、やがて、彼女は彼の屋敷で暮らすようになる。上流階級の暮らしを垣間見ながら、自らの生き方を模索する彼女であったが・・・

シャネルの人生なんてこれまで全く知らなかったので、彼女がデザイナーとして成功することは知っていても、割と先の読めない展開の連続でなかなか面白く観ることができました。映像も美しくまとまっているし、シャネルという女性の魅力を伝えることに成功していて、なかなか良い作品だったと思います。

ただ、若き日の彼女を支えた男性たちとの物語と、彼女の卓越したセンスを描くことがメインになってしまっていて、「成功の秘訣」みたいな部分がほとんど描かれなかったのはちょっと物足りなかったかなぁ。それがこの映画の目的ではなかったということだと思うんだけど、最後、一気に成功してしまっていたので、もうちょっと成功に至るまでを観たかったかなぁと。

シャネルというブランドのことも全然知らないに等しいんですが、彼女が、20世紀初頭までのドレスで着飾る社交界ファッションから男性と変わらない機能的な現代女性の服装の基盤を作り上げたということにまずビックリ。

そして、フランスの愛人文化(?)も結構衝撃的でした・・・。

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2010年2月 5日 (金)

エンタ☆メモ 1・2月号

2010年からの新企画です。

都心でも積雪があったりして2月に入るやいきなり寒い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

毎月はじめに、簡単な近況報告などを交えつつ、前の月のまとめ&その月の注目情報をメモしようと思いますので、どうぞよろしくお願いします。月ごとにまとめると、年末のまとめがしやすくなるのでは、という魂胆です。

■ 今月の1枚

このコーナーでは前の月に撮影した写真の中から1枚を選んで載せます。

と、思ってたのに、デジカメを見てみたら1月はろくな写真撮ってなかったのでいきなり今月はパス。2月はもうちょっと意識して何か撮ることにします。思いつきで企画を始めるからこういうことになる・・・。

 

以下つづきます。

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2010年2月 1日 (月)

映画「Dr.パルナサスの鏡」

オリジナル・サウンドトラック『Dr.パルナサスの鏡』 

the imaginarium of doctor Parnassaus

イギリス

2009

10年1月公開

劇場鑑賞

大好きなテリー・ギリアム監督の新作。予告の雰囲気が『バロン』っぽかったこともあり、とっても楽しみにしていた作品です。

舞台はロンドン。悪魔(トム・ウェイツ)との賭けに勝ち不死となったパルナサス博士(クリストファー・プラマー)は、娘や助手たちと共に移動式のトレーラーを使った見世物をしていた。博士がトランス状態のときに舞台上に置かれた鏡をくぐると、その奥に、くぐった者の頭の中にある想像と欲望の世界が広がっているのだ。16歳になったら娘を悪魔に差し出す契約をしていた博士は、再び悪魔と賭けをし娘を救おうとする。

同じ頃、橋で首を吊っていたところを助けた記憶喪失の青年トニー(ヒース・レジャー)が博士の一座に加わり見世物を手伝い始める。果たして、博士は悪魔との賭けに勝つことができるのか、そして、トニーの正体とは・・・。というお話。

ヒース・レジャーの急逝で代役3人が出演するということで、一体どんな感じになるのかとちょっと不安もあったのですが、鏡の世界という設定を見事に使って、違和感なく(ちょっと説明的なところもあったけど)つなげていましたね~。

ギリアム作品ってかなり癖が強いので、決して一般ウケするものではないと思っていたんですが、この作品も、一見分かりやすそうなストーリーでありながら、善悪が曖昧で、そこに「選択」という非常に難しいテーマをからめてきたりして決して簡単な作品ではなかったです。ラストもかなりブラックなところに落としてきたし。結構、きつい感じで悪意を描きますよね。ギリアムはそもそものモンティ・パイソンも人を選ぶところがあるからなぁ・・・。シニカルでシュールな英国コメディ、僕は大好きなんですが。

そんなわけでミニシアターになってもおかしくないような内容だと思うんですが(前作『ローズ・イン・タイドランド』なんか完全にマイナー映画になってますし)、豪華キャストのおかげで、ものすごい大きく公開されちゃって、しかも、結構ヒットしてることにビックリです。

鏡の世界はギリアム氏のイマジネーションが大爆発で『バロン』好きとしては大満足!そして、CG満載のファンタジー世界の素晴らしさだけじゃなくて、一座のトレーラーや博士の回想など現実世界の作り方もかなり好き。

余談ですが、このあたり、ティム・バートンだったらもっと異形満載で見た目をブラックに作りこんでくるところだよなぁ、なんて思ってみたり。どちらの監督も大好きなんですが、そのあたり4月の「アリス」と比べてみるのも楽しいかもしれませんね。

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2010年1月31日 (日)

「八月の路上に捨てる」 伊藤たかみ

八月の路上に捨てる (文春文庫)

八月の路上に捨てる

伊藤たかみ

文春文庫 2009.8.
(original 2006)

芥川賞受賞の表題作を含む短編3本を収録。

特にインパクトの強い短編集というわけでもなく、つまらなくもないけれど、面白くも無かったという感じでした。

収録3作品に短めにコメントを。

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2010年1月25日 (月)

映画「サロゲート」

 

surrogates

アメリカ

2009

10年1月公開

劇場鑑賞

ブルース・ウィリスが主演のSFモノは『12モンキーズ』やら『フィフス・エレメント』やら結構好きな作品が多いので、ちょっと楽しみにしていた1本です。

近未来、脳にアクセスすることで自分の身代わりとして動かすことのできるロボット、サロゲートが普及していた。人々は外出時にはサロゲートを使用し、自宅の外に出ることなく過ごせる安全な暮らしを手に入れていた。

そんなあるとき、何者かによって破壊されたサロゲートの使用者が自宅で死んでいるのが発見される。サロゲートを通して使用者に危害が及ぶことはないとされており、事件を担当することになったFBIの捜査官トム(ブルース・ウィリス)は、サロゲートを開発したメーカーへ調査に赴くのだが・・・。

なんか、正直ちょいと微妙でした。ただ、サロゲートを通じて、現代のネット社会の問題をついてくるような社会性のある作品でもあって、見た目よりかは骨太な作品だったかなぁと。

89分という時間も今時珍しくすっきりしていて、サクッと楽しむにはちょうど良い。

次々とサロゲートが破壊され人類が死んでいく中、生身の体で一人闘い続ける主人公みたいな話かと思ったんですけど、もっとこじんまりとした話で、事件の真相から、最後のオチまで全てが個人レベルの感情で片づいてしまう展開だったので、ちょいと思っていたものと違う感じだったのですよねぇ。時間も短いけど、話の規模も小さかったよ・・・。

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「グアテマラ伝説集」 アストゥリアス

グアテマラ伝説集 (岩波文庫)

グアテマラ伝説集
(Leyendas de Guatemala)

M.A.アストゥリアス
(Miguel Angel Asturias)

岩波文庫 2009.12.
(original 1930, 1948)

グアテマラのノーベル賞作家アストゥリアスの作品。昨年コルタサルの短編が面白かったので、南米つながりで気になり読んでみました。

古代マヤの伝説をモチーフにした作品を収録した短編集なんですが、全体の構成がちょっと面白く、導入的な作品の後に伝説集が続き、最後は戯曲で終わるという内容でした。

もうちょっと古代マヤの世界観で書かれた伝説集を期待してたんですが(「ギリシア神話」真マヤ版みたいな)、そんな簡単な書物ではなくて、マヤの神話をモチーフにして、西洋人たちが南米を支配した後のグアテマラを舞台に語られる内容で、THEマジック・リアリズム的な感じの趣の強い作品でした。

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2010年1月21日 (木)

映画「幸せになるための27のドレス」

幸せになるための27のドレス<特別編> [DVD]

27 dresses

アメリカ

2008

08年5月公開

DVD鑑賞

ちょっと前の話題(?)作。ラブコメは嫌いではないので、いつか見ようと思いつつ、延ばし延ばしになっていた1本。

主人公ジェーンは結婚式が好きで、友人の結婚式で27回も付添い人であるブライズメイドを務めてきた。結婚のコラムを書いているケビンはひょんなことからジェーンのことを知り、彼女のことを記事にしようと近づこうとする。

そんな折、彼女の暮らすNYのアパートにモデルをしている妹のテスがやってくる。テスはジェーンが密かに思いを寄せている会社の上司ジョージと親しくなってしまうのだが・・・。

まぁ、ごくごく一般的なロマコメですが、自分にとって魅力的なキャスティングではなかったので、そこまでハマることはできなかったかな、という感じ。男性陣、女性陣ともに、なんかちょい地味ですよね・・・。

もうちょっと結婚できない主人公の奮闘記的なコメディを期待していたんですが、「コメディ」の度合いもそこまで高くなくて、笑える場面も少なめだったかなぁ。

でも27のドレスに次々と着替えていくシーンなんかは見た目にも華やかで観ていて楽しかったですね~。帽子持って踊っちゃうところとか好きです。

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2010年1月19日 (火)

「小学五年生」 重松清

小学五年生 (文春文庫)

小学五年生

重松清

中公文庫 2009.12.
(original 2007)

小学五年生の少年たちを主人公にした物語を集めた短編集。

小学生たちばかりが主人公の短編集というのは重松作品の中でもなかなか珍しいですが、重松氏が五年生という10代の入り口に立ったばかりの子供達をどのように描くのかというのはなかなか興味深いところ。

各話のページ数がかなり少な目でこじんまりとまとまっている作品が多かったので、もうちょっと読みたいな、と思うものもチラホラ。

あと、転校ネタのときとか、重松氏自身の思い出の思いいれが強すぎるかな、というのが感じられる話がチラホラあって、読んでいて、それが気になってしまうときがありました。

そんなこんなですが、全体的には軽く重松節を味わえる短編集になっていて、なかなか面白い1冊でした。

小学生を主人公にしてはいるけれど、どちらかという大人向けという印象が強くて、表紙の後ろ向きの少年のようにちょっと哀愁を感じつつ読むという雰囲気の作品ですね。

以下、気にいった作品いくつかの簡単にコメントを。

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2010年1月16日 (土)

映画「(500)日のサマー」

(500) Days of Summer

(500) days of Summer

アメリカ

2009

10年1月公開

劇場鑑賞

2010年劇場鑑賞第1弾。映像が面白そうなので、とても気になってた1本です。

主人公はグリーティングカード作成会社に勤めるトム(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)。入社してきたサマー(ゾーイ・デシャネル)に一目ぼれし、やがて好きな音楽の話題で意気投合するのだが・・・。時間を前後させながら、トムとサマーの500日間の間に起こったできごとを描いていく。

タイトルに括弧がついてますが、作中で、「(数字)日目」という風に、括弧内の数字がカシャカシャと動いて、2人の恋の様々な時期を並行して描いていくというちょっと面白いスタイルの作品でした。たまにアニメが入ったり、画面が分割したり、目新しくはないけれど、色々と凝っている映像も面白かったです。

で、今年は1月から観たい作品が目白押しすぎて、全ては観られないので、どうしたものかと作品選びに困っているんですが、その中でも当初の優先順位がやや低めだったこの作品が、かなりツボにはまってしまい、この何年かで観た映画の中でもかなり上位に入るくらいに気に入ってしまいました!

アラサー世代のUK系の洋楽&サブカル好きで、いわゆる草食系な人間には愛しくてたまらない作品に仕上がってました。

以下、微妙にネタバレ要素が入り混じりつつですが、反転させるほどでもないかなという感じなので、気になる方は気をつけてください。

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2010年1月13日 (水)

映画「愛を読むひと」

愛を読むひと (完全無修正版) 〔初回限定:美麗スリーブケース付〕 [DVD]

the reader

アメリカ ドイツ

2008

09年6月公開

DVD鑑賞

ベルンハルト・シュリンクのベストセラー『朗読者』を、『めぐりあう時間たち』や『リトルダンサー』のスティーヴン・ダルドリーが映画化。映画化されるって知ったときは、どうせがっかりするんだろうなぁ、という気持ちのほうが強かったのですが、監督がスティーヴン・ダルドリーとあっては一気に期待が高まるものです。

といいつつ、DVD鑑賞なんですが・・・。

戦後間もないベルリン。15歳の少年マイケル(ダフィット・クロス)は体調を崩し倒れているところを年上の女性ハンナ(ケイト・ウィンスレット)によって助けられる。やがて、体調が回復したマイケルはハンナのアパートを訪ね、2人は関係を持つようになる。ハンナのもとに通い始めたマイケルは、やがて、彼女の願いで様々な小説を朗読して聞かせるようになる。そんなある日、ハンナは突然アパートを去ってしまう・・・。

数年後、大学生になったマイケルは思いがけない場所でハンナと再会するのだが・・・

とても丁寧に、そつなく映画化しているな、というのが一番の印象。ただ、ところどころ気になる解釈や演出が加わっていたのも事実。原作モノはこのあたりをどこまで許容できるかで評価が大きく変わりますが、おおむね満足できる作品でした。(なんだ、この上から目線なコメントは!?)

時間が動く物語の描き方は『めぐりあう時間たち』で神業的な上手さを見せてくれた監督なだけあってとても安心感がありましたね~。でも、前2作よりかは、おとなしくまとまちゃったかなぁという気がしないでもないです。

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2010年1月11日 (月)

アリス・イン・ワンダーランドの世界展@日テレ

今年の4月に公開される映画『アリス・イン・ワンダーランド』で使われた小物やら、セットやら、衣装やらを無料で公開してしまうというなんとも気前の良いイベントが開催されているということで汐溜の日テレまで。

ティム・バートンが大好きだということは過去のブログ記事からも分かるかと思いますが、実は不思議の国のアリスも相当好きだったりしまして、関連書籍も多数持っていたりします。原書も邦訳もそれぞれいろいろなバージョンのものを持ってたり、その他、マニアックな資料本などいろいろ。

なので、今回の映画は、どうしても見逃せない1本なのです。公開されたら祭りだ!わっしょい!な勢いになることは間違いなしなのです。

というわけで、お誘いを受けたときには、2つ返事で参加を決めてたわけですよ。

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「泰平ヨンの航星日記」 スタニスワフ・レム

泰平ヨンの航星日記〔改訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF レ 1-11) (ハヤカワ文庫SF)

泰平ヨンの航星日記 [改訳版]
(dzienniki gwiazdowe)

スタニスワフ・レム
(Stanislaw Lem)

ハヤカワ文庫SF 2009.9.
(original 1957 etc.)

以前『宇宙飛行士ピルクス物語』が結構面白く、いつもお世話になっている『P&M_Blog』のpiaaさんのオススメということもあり、昨年改訳版が出たこちらの作品も結構期待して読んでみました。

泰平ヨンなる男が宇宙を旅して出会った様々なできごとを記した航星日記という形式の連作短編集。

冒頭にある序文やらが、いきなり小説のための序文ではなくて、小説内の「航星日記」のための序文になっていたりと、メタ文学的な構成になっていて、作品全体もかなりユーモアに溢れていて、ここまで笑えるとは思っていなかったので、期待以上に楽しめる1冊でした。

さて、「泰平」って何!?と思い、オリジナルではどのようになっているのかを調べてみたところ、ポーランド語で、Ijon Tichyとなっていて、Tichyってところが「泰平」になると思うんですが、ネットでポーランド⇒英語辞書で調べても、訳語無しになるんですよね。英語版はそのままこの名前を使ってるみたいだし、「泰平」は一体どこからきたんですかねぇ。

なんてことを考えつつ、印象に残ったエピソードをいくつか。

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2010年1月 8日 (金)

映画「それでも恋するバルセロナ」

それでも恋するバルセロナ [DVD]

Vicky Cristina Barcelona

アメリカ スペイン

2008

2009年6月公開

DVD鑑賞

昨年の話題作。ウディ・アレンは基本苦手なんだけど、本人が出てない&NYを飛び出したときは割と面白いと思うことが多く(要は『マッチポイント』ですが)、さらにキャストが魅力的なので気になっていた1本です。

カタルーニャに関する研究をしているヴィッキー(レベッカ・ホール)は、親友のクリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)を誘いバルセロナの親戚の家に滞在する。婚約者のいる堅実で理性的なヴィキーとは異なり、情熱的で危険な恋に憧れるクリスティーナは、パーティで画家のフアン(ハビエル・バルデム)からの突然の旅行の誘いを受け入れ、ヴィッキーとクリスティーナはフアンと共にオビエドを訪れることになる。旅先でクリスティーナは体調を崩してしまい、ヴィッキーは渋々フアンと過ごすことになるのだが・・・。やがて、フアンの別れた妻(ペネロペ・クルス)も現れて・・・。

いやはや、ウディ・アレンさん、珍しく本編はそこまで皆さんが饒舌じゃないのに、ナレーターが饒舌すぎだよ・・・。終始、やや早口のナレーターが状況を解説しながらストーリーが展開するんですが、まず、早口すぎてあまり心地良くない&別に解説しなくても良いようなことをグダグダと解説するため、ちょっと煩わしい印象です。

このナレーターの語る内容をもうちょっと映像と台詞でつないでくれたら、自分の中ではかなりの名作だったんだけどなぁ。ウディ・アレンさん、やっぱり相性悪いですね・・・。

しかし、本編のストーリーはなかなか面白い。バルセロナの人々はみーんな情熱的でちょっとおかしい。そして、そこに長く滞在してしまうと、滞在者も段々とそのペースに巻き込まれてしまう、というお話。一番の驚きはヴィッキーの伯母さんですね~。やりすぎですから!

アメリカっ娘は割と良識を持ってるのよ~、って感じの描き方になっていて、情熱のスペインとアメリカの対比もされてるんだと思いますが、ヘンリー・ジェイムズが『デイジー・ミラー』の中で伝統のヨーロッパ社交界をかき乱す自由の国のアメリカ娘を描いたのとは対照的ですね。

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2010年1月 5日 (火)

映画「シリアの花嫁」

シリアの花嫁 [DVD]

The Syrian Bride

イスラエル フランス

2004

2009年2月公開

DVD鑑賞

2010年、鑑賞した1本目はDVDでこちらの作品です。いきなりのミニシアター系で、相変わらずマイペースに鑑賞して行きたいと思います。

イスラエルとシリアの境界にあるゴラン高原はもともとシリア領であった場所をイスラエル軍が占拠し、現在でも尚、両国が領有権を争い、そこに暮らす人々は無国籍となっている。

ゴラン高原のマジュダルシャムス村に暮らすモナはシリアのTVスターである親戚のタレルとの結婚式の日をむかえ、朝から姉のアマルとともにその準備をしていた。結婚をしてシリアへ行ってしまうと、イスラエルの占領下にある故郷の村へ帰ってくることはできないため、今日が家族と過ごす最後の1日であった。

しかし、前科のある活動家である父親は警察から目をつけられ、結婚式のために国境へ行くことを禁止され、さらに、そこにロシア人と結婚し勘当された兄が8年ぶりに帰宅するなど、波乱の連続。果たしてモナは無事シリアへ嫁ぐことができるのか・・・

新年早々シリアスな作品でしたが、困難を乗り越えて未来に向かってまっすぐに歩みだす姿が新年向きといえば新年向き。

イスラエルやシリアが実際にどのような場所でそこで人々がどのように暮らしているのかなんてことは全く知らないので、風景や、家の中の様子を見ているだけでも面白いですねぇ。ソファは床に座るタイプなのかぁ、とか。女性がズボンはいてるだけで近所の噂になるのかぁ、とか。やっぱり緑は少ないなぁ、とか。

そもそもゴラン高原のことをこの映画で知った自分には、情勢のことをああだこうだと語る資格なんてまるでないんですが、それでもこのような地域があるということ、領土問題の本質など、色々なことを学ばせてもらったように思います。

結婚式当日とは思えないほどのハプニングの連続で、兄姉たちもいろいろな問題を抱えているわけですが、基本的に、自分の信念を強く持っている人間というのは非常に強いのだなぁというのを感じましたねぇ。

ただね、登場人物の登場の仕方が、過不足ないと言えば聞こえが良いんだけど、説明的過ぎるというか、なんかもうちょっと味わい深くして欲しかったかなぁと。

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