映画「es」
es 2002年 ドイツ |
一般公募の人々を監守と囚人の二組に分けて、どのような心理変化が現れるかをみるという心理学実験の映画。
映画の内容は、極めて興味深くて、2時間食い入るようにしてみたのだが、映画終了後の映画館では、余韻に浸るような人もいなく、皆、無言で足早に去っていってた。映画館を出ると、次の回を待つ長蛇の列。映画に期待しているのか笑顔が目立つ。一方、見終わって階下に下るエレベーター内では極めて重い雰囲気が漂う。
う~ん。こういう内容はすごく興味あるけど、なにせあまりにショッキングで・・・。人間って怖い。自分は果たしてああいう状況下で自我を保てるかは分からないし。最後の1時間の急展開に目を覆う場面も多数。もはやホラー映画に近かったとはリーダーの感想。この映画の本当に怖いところは、出てくるのが「一般人」であるということと、実話を基にしていること。
よく似た内容で「青い目・茶色い目」という実験が知られているが、そういうのを考えても、人間のもつキャラクターとは周りの環境にかなり左右されているということが分かる。自分だって、サークルのとき、学科のとき、高校の友達のとき、中学の友達のときなど果たして全く同じキャラかと聞かれれば「はい、そうです」などと自信を持って答えられない。
また、責任を他に押し付けられると分かったときの人間の欲望はとどめを知らないようだ。「これは実験だ。」で全てを片付けられる監守役は怖かった。だが、この映画、もっとも怖いのはそうした映像を見て「おぉ、すごい。こんなに早くこういう状況になるとは!」と笑顔で観察する大学教授だ。実験の対象である人間を見る眼はラットを見る科学者と同じなのだろう。学問に溺れるのは恐ろしい。
この映画は、監督の初監督作品らしいけど、今後どういう作品を作っていくのだろう。音も光も通さない部屋での演出はどんな恐怖映画も勝ることはないと思う。
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