映画「戦場のピアニスト」
the pianist 2002年 ポーランド フランス |
ショパンのノクターンとやたらと褒めまくるCMでお馴染みのカンヌを制覇しアカデミー賞も制覇しそうな勢いの話題作。2時間半以上の大作にも関わらずしっかりと見られるところ、やっぱりよく出来た映画なのだと思う。
ストーリーはナチスによるユダヤ人迫害が過熱する中、第2次大戦を必死に生き抜くワルシャワのユダヤ人ピアニストを描くもの。完全な実話とのこと。
監督のロマンポランスキーと言えば、グロくてしょうがない「マクベス」の映画の印象が強いが、彼の描いたユダヤ人迫害の場面は「マクベス」に匹敵する強烈さだった。この監督ってわざわざ映さなくてもいいものをしっかりと撮るんですよね。「マクベス」では断頭台から転がるものを普通に映していたが、今回も銃声だけにするなどの配慮は一切なしだったり、おいおいそんなシーンしっかり映すなよ。みたいなのが多い。これを見ていると、「シンドラーのリスト」の白黒はかなり観客への配慮がなされていると感じる。カラーだときついっす。
そもそもこの監督、「ローズマリーの赤ちゃん」などホラー系が得意っぽいし。過去に某お宅で見た意味の良く分からない「ナインズゲート」もこの監督ですね。ちなみに、同監督のハーディ原作の文藝大作「テス」はかなり綺麗な映画でしたけど。「マクベス」と「テス」はビデオにとって持っているのだ。
ユダヤ人迫害のワンシーンで主人公が公園に誘われるのを断るシーンがあるのだが(30秒くらいネタバレになってしまったかも)、この場面は「あの頃はフリードリヒがいた」を激しく思い出させました。「ベンチ」というタイトルのついているエピソードです。他にもアンネの日記風エピソード、「ライフイズビューティフル」を思い出させるシーンなどもあり、それらが頭を交錯する為にかなり胸に迫るシーンが多い映画です。
あと、この映画、使われているピアノは全てショパンの曲でポーランド人としての誇りがかなり表されていて、さらにはドイツ人が弾いた曲がベートーベンという超凝った設定(実話なのかもしれないけど)も見られ一人でおぉっと思って見ていました。最終的な感想はピアノが上手いことはいいことだってことですね。
最後に、見ている最中に後ろの席のおっさんが「おぉ、こいつ撃たれるぞ」とかコメントしててかなり気になりましたとさ。
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