映画「チキチキバンバン」
chitty chitty bang bang 1968年 アメリカ |
2時間半の大作ミュージカル映画。同時期に「サウンド・オブ・ミュージック」や「マイ・フェア・レディ」などがありミュージカルの全盛期に作られた作品の1つ。
ストーリーは子供向けのファンタジーで、発明家の主人公が2人の子供にせがまれて廃車寸前の車を買い取り、子供達にその車をモチーフにした大冒険物語を語って聞かせるというもの。車を買い取る資金を調達するために自分の開発したキャンディーを売り込みにいった製菓会社の社長令嬢も加わって、妻を亡くした主人公とのロマンスあり、作中作では改造した車「チキチキバンバン号」が海を渡り、空を飛び、とある国でおきている事件を解決するために縦横無尽のドタバタ大冒険ありで色々な要素のあるお話。
また、子供向け作品なのだが、子供の前では天才発明家のようにふるまっている主人公が子供を寝かしつけた後に、1人孤独に自分の才能の無さを嘆くシーンがあり、何気にこの場面は「トイ・ストーリー2」の成長した子供に捨てられるおもちゃの気持ちくらいに子供よりも大人向けのテイストのあるシーンであった。
さて、この話、改造車が海を渡り、空を飛ぶということで007シリーズを彷彿とさせたのですが、エンドクレジットでびっくり、原作者が007シリーズと同じイアン・フレミング。そして、どうやら、製作者も007シリーズと同じらしい。ショーン・コネリーの初代ボンドが終了した直後に作られた映画で、子供向け番外編007的要素の感じられる作品なのだ。そう言われれば、スパイも出てきたし、敵キャラの雰囲気とかもちょっとそういう感じがしたかもね。
そして、やはりミュージカル。「メリー・ポピンズ」のバート役でお馴染みのディック・ヴァン・ダイクが主人公を熱演。歌も踊りも上手い!バンブーダンスのシーンは、いつもなら早送りしたくなる古いミュージカル映画特有の長いダンスシーンにも関わらず、最後まで見れてしまう迫力。さらに、お城で開かれる某国の悪い王様の誕生日パーティーの場面で見せる人形を演じながらの社長令嬢と主人公の芸は素晴らしすぎ。「王様と私」の各国大使をもてなすための劇や「サウンド・オブ・ミュージック」の羊飼いの劇なみにかなりの名場面。
あと、主題歌である「チキチキバンバン」の歌(絶対誰でも聞いたことがある曲)は原語どおりだと「チティチティバンバン」だということを書いて感想を終わりにしましょう。原タイトルも"chitty chitty bang bang"(これは車の走る時のエンジン音。ポンコツ車なのだ)だし。
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