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2003年4月

2003年4月28日 (月)

映画「ルーヴルの怪人」

ルーヴルの怪人

belphegor le fantome du louver

2000年

フランス

「ルーヴルの怪人」 2001年フランス

ソフィー・マルソーと、「タクシー」で主役の警察官の役をやっているフレドリック・ディフェンタールが一応準主役。

ルーヴル美術館のエジプトの間に夜な夜な現れる怪人の正体とは、その目的とは。というストーリーで、ルーヴルが全面協力してロケ地を提供したことが話題になった作品。

もとは20世紀初頭に大人気だった新聞連載で、テレビシリーズなども作られたことのある原作があるらしいです。せっかくルーヴルが使えたのにちょっと残念な気もする内容。ソフィー・マルソーもワイヤーアクションなどを無駄に頑張ってます。CGも微妙。ルーヴルを自由に使えたのに安っぽいCG使うのはもったいないよー。

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2003年4月26日 (土)

「転落・追放と王国」 カミュ 

「転落・追放と王国」 カミュ 新潮文庫

なんと今月、新訳が出ました。なぜ今さら?と思いつつも買ってみる。値段も上がったみたいです。

表紙は前のほうが好きでした。あと、活字が賛否両論ある大きな活字に変わってました。しかも通常の大型活字も大きい平野啓一郎の本なんかと同じサイズ。そのためかページ数も80ページくらい増えてました。

追放と王国」の方は前と同じなので、新訳なのは前半の「転落」のみ。

個人的には前の訳のほうが好きだったかも。

言葉の言い回しとかが古い単語だったのは変わってるんだけど、前のほうがテンポが良かった気がする。ていうか前のほうが訳が上手いと思う。あと2冊を比べると明らかに解釈が違う部分もあって面白い。なんか新訳の発売に伴って旧訳の方は店頭から姿を消したっぽいです。もったいない。

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2003年4月21日 (月)

「夏への扉」 R.A.ハインライン 

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉
the doors into summer

ろばーと・A・ハインライン

ハワカワSF文庫 1979.5  

前から気になっていた一冊。先日の「ある日どこかで」から連鎖して時間旅行もの作品の佳作と呼ばれている作品を読んでみた次第。

ストーリーは1970年に冷凍睡眠で眠って2000年に目を覚ました男性がかつて自分を罠に陥れた人々に復讐しようとするもの。物語は一転、二転して目まぐるしく進むのであっという間に読了。

で、この作品書かれたのが1950年代で約半世紀前の作品なのだ。そして、1970年自体が書かれた時点からの未来なのだが、主人公がエンジニア(発明家?)ということもあり色々な機械が登場するのですよ。そしてその中には息を呑むようなものが多数あるのだ。これらを見るためだけでも読む価値ありかも。かなり面白い。以下はそれらの代表例。

①文化女中器 
電動掃除機で、自らゴミを探知して部屋を動き回り、エネルギーが切れれば自ら充電しにいくというもの。物語中では1970年には実用化。これってつい最近出ましたよね。まさに同じ内容のものが。読み始めて数ページで現れたこの記述だけで度肝を抜かれましたよ。

②万能フランク
記憶チューブを差し込むことでそこに記憶されている仕事をこなす家庭用ロボット。これって完全にソフトとハードっていう考えをもった商品。しかもロボットとはいえ自由な意思をもているわけでもなく最近実用化されつつあるものに極めて近いのだ。

③製図器ダン
タイプライターのキーボードを利用して製図をする機械。キーの押し方で様々な線が引ける。これってパソコンそのものですよね。ていうか、1950年代にこのタイプの機械を考えているのって結構珍しいと思う。

さてさて、このほかにも電子図書と思しき新聞や、「裾の部分が鐘形になったズボン」(極めて奇妙なものらしい)などここに出てくる未来の記述にはドキッとさせられるものがかなり多かったのですが、唯一大外れのものがあったんですね。音声を認識して文字をタイプするタイプライターは実用化に大変な困難を要するとなっているんですよ。物語中の未来2000年においても未だ登場していないんですね。面白いのはその理由として英語はエスペラントのような人工語とは違って極めて複雑な構造をしているからだそうだ。なかなか面白い見解です。

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2003年4月15日 (火)

「ある日どこかで」 リチャード・マシスン 

ある日どこかで (創元推理文庫)

ある日どこかで
somwhere in time

リチャード・マシスン

創元SF文庫 2002.3  

ロビン・ウィリアムス主演で映画化された「奇跡の輝き」と同じ作者で、世界幻想文学大賞を25年以上前に受賞した作品。こちらも20年ほど前に映画化されているようで(未見)、中ヒット作だった割にコアで熱狂的なファンが多く、世界レベルで映画のファンクラブが結成されているらしい。

ストーリーはホテルに飾られた写真を見て今は亡き1人の女優に人目惚れした余命わずかな男が、彼女について調査していくうちに、彼女がホテルに宿泊したという75年前の宿泊客リストに自分の名前を見つけてタイムトラベルを試みるというもの。

タイムトラベルの方法が結構独特なので新鮮。ラストの落ちもいい感じだし。ストーリーはラスト近くは読む気がうせるほどのラブロマンスでして、なんか中年女性をターゲットにしたようなアメリカの恋愛小説のような感じも。全体にはよくまとまってて面白い作品でした。タイムトラベルものの傑作のひとつなんですかね。

メグ・ライアンの「ニューヨークの恋人」と全く同じセオリーでタイムトラベルすることを正当化していて、ストーリー的にもちょっと似ているなぁと感じてしまった。

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「宮殿泥棒」 イーサン・ケイニン

「宮殿泥棒」 イーサン・ケイニン作 柴田元幸訳 文春文庫

柴田元幸が翻訳というだけで内容など気にせずに読んでみた本。とりあえず彼の翻訳する作品であれば「文学」というジャンルに該当する作品であることは保証されていると思うし。

内容は、それまで「優等生」というカテゴリーの中で生きてきた主人公たちが味わう挫折を描いた短編が4つ。表題作は近々映画が公開されるらしい。

この作者は微妙な心の動きみたいなのを捉えて文章化するのが上手い。ちょっと表情の変化などを感じさせる文章で読んでいてビジュアルが浮かぶような作品。

自分は第1話と4話が好きでした。4話は映画化作品だけれど、映画化には地味な気もするかも。どちらかというと小説ならではの作品の気もする。

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2003年4月 6日 (日)

映画「嵐が丘」

「嵐が丘」 1991年イギリス 

レイフ・ファインズがきたなーい。「シンドラーのリスト」と同一人物とは思えない。文藝大作の映画化だけど、ストーリーをコンパクトにまとめすぎてて展開が早すぎでついていくのが大変。でも景色がきれい。行ってみたいなぁ。結局、ヒースクリフってのが自分勝手な我侭さんでやりたい放題のお話なのですね。ジュリエット・ビノシュは「ショコラ」といい、ジプシーと恋に落ちやすいんですかね。若くて綺麗でした。

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2003年4月 2日 (水)

「罪と罰」  ドストエフスキー

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

罪と罰 (全3巻)

ドストエフスキー

岩波文庫 1999.11  

なによりも翻訳者の名前が気になるのだが、ロシア文学の翻訳ではかなり定評があるらしい。野球してるわけではないようだ。

この作品は新潮文庫版が広く普及してるけれど、数年前に出たばかりの新訳の方を選んで読んでみました。複数の翻訳があるときは新しいものを選ぶようにしているので。でも、新潮版では全2冊なのに、こちらは全3冊、しかも全1200ページほどの分量であり、この差はどこから来るのだろうとちょっと疑問。岩波ってどの作品も新潮に比べて冊数が多いと思う。

で、内容ですね。多くの人が救われるのならば殺人は許されるというような持論を持つ主人公がそれを実行に移し、犯行後に彼の心理がどのように変化していくかが描かれている作品。

彼の持つこの理論って、結局は死刑を認めるのと変わらないですよね。もっと言えば、キリストの贖罪なんかにもつながりそうな感じもします。しかし、作者はこれに対して否定的な答えを提示しているように思われます。これはまた主人公が無神論者であるという設定とも関わっているのかもしれません。

結局、殺人という行為がなんらかの理論で認められたとしても、それを犯した人間の精神的な苦痛は一生拭われることがないということでしょうか。

様々な人間の思惑が交錯するストーリーでこれぞ小説!っていうのが強く感じられる作品。映像化できないまさに活字のための作品という印象でした。再読してみたいとも思ったしあなどれませんね。「カラマーゾフ」も面白いのかなぁ。

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