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2003年4月21日 (月)

「夏への扉」 R.A.ハインライン 

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉
the doors into summer

ろばーと・A・ハインライン

ハワカワSF文庫 1979.5  

前から気になっていた一冊。先日の「ある日どこかで」から連鎖して時間旅行もの作品の佳作と呼ばれている作品を読んでみた次第。

ストーリーは1970年に冷凍睡眠で眠って2000年に目を覚ました男性がかつて自分を罠に陥れた人々に復讐しようとするもの。物語は一転、二転して目まぐるしく進むのであっという間に読了。

で、この作品書かれたのが1950年代で約半世紀前の作品なのだ。そして、1970年自体が書かれた時点からの未来なのだが、主人公がエンジニア(発明家?)ということもあり色々な機械が登場するのですよ。そしてその中には息を呑むようなものが多数あるのだ。これらを見るためだけでも読む価値ありかも。かなり面白い。以下はそれらの代表例。

①文化女中器 
電動掃除機で、自らゴミを探知して部屋を動き回り、エネルギーが切れれば自ら充電しにいくというもの。物語中では1970年には実用化。これってつい最近出ましたよね。まさに同じ内容のものが。読み始めて数ページで現れたこの記述だけで度肝を抜かれましたよ。

②万能フランク
記憶チューブを差し込むことでそこに記憶されている仕事をこなす家庭用ロボット。これって完全にソフトとハードっていう考えをもった商品。しかもロボットとはいえ自由な意思をもているわけでもなく最近実用化されつつあるものに極めて近いのだ。

③製図器ダン
タイプライターのキーボードを利用して製図をする機械。キーの押し方で様々な線が引ける。これってパソコンそのものですよね。ていうか、1950年代にこのタイプの機械を考えているのって結構珍しいと思う。

さてさて、このほかにも電子図書と思しき新聞や、「裾の部分が鐘形になったズボン」(極めて奇妙なものらしい)などここに出てくる未来の記述にはドキッとさせられるものがかなり多かったのですが、唯一大外れのものがあったんですね。音声を認識して文字をタイプするタイプライターは実用化に大変な困難を要するとなっているんですよ。物語中の未来2000年においても未だ登場していないんですね。面白いのはその理由として英語はエスペラントのような人工語とは違って極めて複雑な構造をしているからだそうだ。なかなか面白い見解です。

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