「アシェンデン 英国秘密情報部員の手記」 サマセット・モーム
「アシェンデン 英国秘密情報部員の手記」 サマセット・モーム ちくま文庫
イギリスの国民的人気作家だったモームの描くスパイ小説。第1次大戦のときに本当にスパイとして活躍したというモームの実体験が生かされた内容で、ヨーロッパをまたにかけるスパイ、アシェンデンの活躍を短編の形式で描いた作品。実体験に基づくということでストーリーが面白いのはもちろんのこと、読書家で知られたモームならではの厳しい文学批判や、文豪としての実力を発揮した巧みなキャラクター作りによって、400ページほどの量にもかかわらずあっという間に読了。とりわけ面白かったのは11日間かけてロシアを渡る電車の中で居合わせてしまった超おしゃべりな紳士の絵ピーソード。ラストの作り方が秀逸でおもわず微笑んでしまった。
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