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2003年7月 4日 (金)

「リセット」 北村薫 

リセット (新潮文庫)

リセット

北村薫

新潮文庫 2003.6  

「時とひと」の3部作の完結編。1作目「スキップ」はある日突然タイムスリップして、30年後の世界へ。心は高校生だけど、子供もいて仕事もある未来の自分の体になっていたという設定。2作目「ターン」は映画化もされたので認知度は高いかもしれない。

こちらは、永遠に同じ日が繰り返される物語。そして第3作。「リセット」というタイトル。ここで時間がどのように関わってくるかを書くとストーリーの核心のネタバレになってしまうので書けないのだが、個人的にはちょっとなぁという感じ。ていうかこの「リセット」って世の中の****を促進してしまうようなあまり良くない設定なのでは。

「ターン」の2人称小説は新しく、しかもかなり上手く作っていて感心したのだけれど、今作は2人の人物の告白の形式をとっていて、しかもその女性の方のが読みにくい。終始誰かに語りかけるような丁寧語でちょっと疲れる。

そして、中盤の男性の告白は「朗読者」を思わせる展開。チラリチラリと謎を明かして全体のストーリーを把握させるのは良いのだが、やっぱりどこかノレないんですよね。

この作品、作者が3作目ってことでちょっと気合入れすぎてしまった感じ。もう少し楽に書いて欲しかったかな。

このシリーズだと総合的に一番いいのは「スキップ」。設定と書き方のスタイルが面白かった「リターン」。ってとこで、「リセット」はちょっと・・・。あくまで個人的な感想ですけど。

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