映画「ラッキーブレイク」
lucky break 2002年 イギリス |
刑務所で行われるミュージカル公演を利用して脱獄を謀る囚人たちの物語。監督は「フル・モンティ」のピーター・カッタネオ。何気に監督作品第2作目。
この映画はチャンネル4の製作したもの。チャンネル4は、イギリスの民放なのだが、マイノリティに焦点を当てることが多く、社会の底辺にいる人々や、移民、ゲイなどを題材にとることの多いちょっと癖のある会社。代表作は「僕の国はパパの国」や「マイ・ビューティフル・ランドレッド」、「ウェルカムトゥサラエボ」など。以上かつて学部でとったイギリス映画の授業からの受け売りでした。
で、そんなフィルム4のテレビ部門出身の監督の大ヒット作「フルモンティ」に続く映画第2作目ということで昨年公開されたときにかなり見たかった映画。一応コメディというジャンルになっているのだが、ハリウッド系のどたばたコメディではなくあくまでシリアスに、そしてその妙なシリアスさの中にあるチグハグした感じがコメディになるという典型的なイギリス映画でした。
でもって、アメリカ映画と比べると囚人たちの生活がやけに自由なのが目に付く。私服だし、部屋の中にいろいろと個人の物品あるし、自由に廊下とか歩き回ってるし。なんかただの寮みたいな雰囲気。これがイギリスの牢獄の実際なのだろうか。
ミュージカルシーンなんかはもっと面白くつくれたんじゃないかと思うが、メインの脱獄シーンはそこそこの定石を踏んだ展開で楽しめました。エンドクレジットが終わったあとのおまけ映像がいい感じ。
監督はこの作品の方が思い入れがあるらしいですけど、「フルモンティ」のほうが好きかな。いろいろと真面目な人間心理を描こうと試みたシーンなんかもあったのだが、全体に消化不良感があったので。「フルモンティ」はコメディの中にヒューマンドラマ、社会問題などを上手く取り入れてるからね。
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