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2003年9月21日 (日)

映画「ほんとうのジャクリーヌ・デュプレ」 

ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ デラックス版

hilary and jackie

1998年

イギリス

イギリスの天才的チェロ奏者ジャクリーヌ・デュプレの人生を描いた映画。

少女時代の姉とのライバル関係、天才として各地の演奏会を転々とする中での孤独、そして不治の病を患って死に至るまでを、姉との関係を軸に描いているんですけど、姉の書いた暴露本が原作となっているので、まぁこんなことまでと思うような衝撃のプライベートまで描かれていて、公開されたときに話題になっていたのも記憶に新しいところです。

姉が妹の孤独を癒すために夫を貸すという姉妹間の恥部をさらけ出したわけですが、それは置いておいて、とても面白い映画でした。

少女時代、天才少女と絶賛されながらも「自分はいつも姉とペアなんだ」と思い、常に姉と行動を共にしようとするも、それは音楽の才能が妹よりも欠けている姉にとってみれば、非常に強いストレスでしかない。やがて、名声を得ていく妹は、普通の生活ができる姉をうらやましく思うという、「才能」がひとつの家庭に与える影響をとても上手く表現していたように思う。

そして、構成が本当に素晴らしい。冒頭とラストに同じシーンを置いて、全く違う印象を与えさせたり、全く同じできごとを姉と妹の両方の視点から描き、二人の記憶(できごとの捉えかた)のズレを示したりと最初から最後まで見事に伏線が張り込まれていてよくできた脚本だと感心。また、心理描写を表す独特のカメラワークも多少しつこいけれどかなり上手いと思う。

音楽は本人の演奏を使用しているので、文句のつけようがないのは当然ですけど、それにしても良いです。

とりあえず、神は時として残酷なまでに才能を与え、奪っていくのだということと、暴露好きな兄弟がいると映画になって全世界に私生活を暴かれてしまうのだということを学べました。

ジャクリーヌの夫がバレンボイムであることは結構驚きでした。バレンボイムさんもかなり有名ですよね。さらに、彼女の使っていたチェロは現在ヨーヨー・マが使用しているそうだ。

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