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2003年10月20日 (月)

映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

catch me if you can

2002年

アメリカ

今年の春にヒットした映画。実話に基づいた実在した詐欺師のお話。

小切手を偽造して、パイロットや医者になりすまして詐欺を続けた高校生とそれを追うFBIというどこにでもありそうなストーリーをスピルバーグが久々に普通の現代娯楽劇として作っていました。テーマはスピルバーグ作品ではすっかりお馴染みとなった家族愛というところでしょうか。モデルとなっている原作者が存命中なので、悪く描けるはずもなく、主人公は犯罪者なのにも関わらず、同情を誘うような内容になっていました。

さて、この映画で何よりも一番良かったのはオープニングのアニメーション。本編も面白かったんですけど、このアニメーションの音楽とユーモアあふれるスタイリッシュなイラストがこれから始まる映画への期待感を大いに盛り上げてくれました。最近の映画でこういうオープニングがあるのって珍しいですよね。こういうところも60年代を舞台にしてるだけあって憎い演出でした。

ディカプリオが若作りとはいえ16歳はちょっと無理がある感じだっけれど、久々に演技派ディカプリオが帰ってきましたね。嬉しい。背伸びして周りの大人を騙し続ける中にチラリと見せる子供の顔がとてもよかったです。ラスト近くでクリスマスをやっている家の中を窓越しに見るシーンがとても印象的でした。トム・ハンクスはちょっと太りましたね。もっとルパンばりのコミカル追いかけっこかと思っていましたが、クールな捜査官でした。

スピルバーグは「A.I.」みたいに変に凝ったことしなくても同様のテーマでもっと面白い作品が作れることを証明しましたね。どうせなら最後に見てる人があっというような仕掛けがあったらサービス精神旺盛だったかも。サービスといえば、ジェームズ・ボンドにあこがれた主人公の使った偽名が「フレミング」(007の原作者)だったのに笑いました。

これって結局今みたいにコンピューターが全てを管理したりしていなかったから可能だった物語ですよね。「え~、こんなのできすぎだよ~」と思っても「実話です。」と言われてしまったら何も言い返せないようなできごとの連続。周囲の皆さんはもうちょっと調べましょうよ・・・。頭が良い人は色々できるんですね~。

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