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2003年11月25日 (火)

映画「ベッカムに恋して」

ベッカムに恋して

bend it lilke Beckham

2002年

イギリス

タイトルで大失敗シリーズにまた1つ作品が加わりましたね。ベッカムブームだからって、このタイトルじゃただのベッカム様の追っかけ映画な雰囲気ですよね。確かに、原題も「Bend it like Beckham」でベッカムという名前がはいってるんですけど、これは「ベッカムがボールをカーブさせるように古い慣習にとらわれている伝統的な生活を曲げて自分の夢をつかめ」みたいな意味なんですよね。

ストーリーは、ベッカムにあこがれてサッカーに興じるインド系移民の娘である主人公が、地元の女子チームに入団。しかし、彼女の両親は「女性は人前で肌を見せて走り回ったりしてはいけない」、「家族の世間体がある」と猛反対。さらにはインド系移民ならではの様々な慣習が彼女を束縛しようとするが、彼女はチームメイトの友人とともに自分の夢に向かってサッカーに励むという内容。

「リトルダンサー」女の子版に「ぼくの国、パパの国」のテイストを、加えたような感じですかね。

イギリス映画お馴染みの性の役割の変化が描かれていまして、その点では「リトルダンサー」、「フルモンティ」の系統の作品で、アジア系移民のコミュニティを描くという点では「マイ・ビューティフルランドレット」、「ぼくの国、パパの国」の系統にある近年のイギリス映画らしいテイスト満載の作品でした。

全体を通してかなり爽やかな作品で、ラスト近くの結婚式でのインド風お祭り騒ぎとサッカーの試合が被る場面なんかはかなりぶっ飛んでて気分爽快でした。サントラ聞きたいです。

インド家族の結婚の風習が色々と面白かったです。結納みたいのもあるんですね。あと、結婚式は新婦の家族が披露宴を開くみたいですね。ショッキングなのは、妹が白人男性と路上でキスしたことによって婚約破棄になるという事実。厳しいですね。

注目のキャラは主人公の友達の母親です。彼女の出演シーンはほぼ全て笑わせていただきました。あと、このお友達の子のキーラ・ナイトレイは「パイレーツ・オブ・カリビアン」で大ブレイクでしたね。スタイルかなり良いです。体脂肪率一桁なのは間違いないでしょう。

結局、民族的な問題もありますけど、根本にある問題は民族などの違いを乗り越えてどこの家庭でも同じなんですね。主人公に降りかかる問題は必ずしもインド系移民であるということが理由ではありません。白人の友人であっても、その母親は女性がサッカーをするという行為に抵抗を見せていました。親の厳しい束縛は裏を返せば、自分のことを思い心配してくれる家族がいるということですが、自分の夢を追うためにはそれに立ち向かわなければいけない瞬間が必要でして、ラストのほうで、それをとても印象的な映像で表現していました。

インド系女性監督が、自らのルーツを撮った作品だったのでしょうね。主人公に自分の夢を託しているのがとても印象的でした。それにしても「上手くいきすぎ」と突っ込みたくなるラスト。ラストの後の出演者、スタッフみんなが歌い踊る映像も好印象。先日の「Sweet Sixteen」や「ニューイヤーズデイ」のような倦怠感あふれるイギリス映画もいいですけど、こういう爽やかな作品も大好きです。「踊るマハラジャ」のようにインドってかなり明るい文化持ってますよね。続編作れそうですね。

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