「郊外へ」 堀江敏幸
郊外へ 堀江敏幸 白水Uブックス 2000.7 |
2年前に重松が直木賞だったときの芥川賞を受賞した明大の助教授である作者のデビュー作。
「エッセイの小径」というシリーズの1つで、パリ郊外に焦点を当てて、フランスの文学作品や映画などと郊外での体験を絡めた13篇を収録。
蚤の市で見つけたタイプライターや、偶然通りかかった本屋で見つけた本、都市の中に現れた取り残されたような洋館など印象深いエッセイが詰まっていました。マニアックに作品紹介にならないのも好印象。
あとがきを見てビックリ、作者は雑誌にエッセイの連載を頼まれてこの作品を書いたそうだが、実は全てフィクションなのだそうだ。ここで初めて芥川賞とつながりました。
作中で紹介される文学作品はかなりマニアックで僕の知ってるのはカフカ(これはドイツ文学ですけど)とモディアノくらいでした。以前受講していた大学の一般教養の「フランス文学入門」を髣髴とさせるような内容でした。
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