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2004年2月 6日 (金)

「チボー家の人々Ⅱ 少年園」 マルタン・デュ・ガール

「チボー家の人々Ⅱ 少年園」 マルタン・デュ・ガール 白水Uブックス

1月の終わりごろに第1巻を読み終えたチボー家の第2巻。全13巻なのでまだまだ先は長い。今回は作品の第2部にあたる部分。前巻から1年ほど経過した春先が舞台。前回家出をしたジャックとダニエル。ダニエルは暖かく家族に迎えられたものの、ジャックは父親によって少年園(少年院みたいものか)に入れられてしまう。2巻では、ジャックの兄のアントワーヌが少年園を訪ね、そこでの孤独で過酷な生活で変貌した弟を目の当たりにし、彼をひきとることを決意。そして、後半では、思春期のジャックの初恋、肉体的な恋を求めるダニエルへの不満、牧師の語る恋物語、ダニエルの母とアントワーヌの大人のかけひきなど、「男女の関係」が1つの大きなテーマとなって描かれる。

解説にも書いてあるのだが、この巻のクライマックスはジャックとアントワーヌがダニエルの家を訪ねる場面。様々な人生模様が一気に錯綜していました。あとは、この巻においてジャックは肉体的な恋を知ることになるのですが、その描き方がかなり曖昧でした。ジャックは精神的なつながりを重視していて、肉体的な快楽に走ろうとする親友ダニエルに良い感情を抱かないので、そんな部分も含めて曖昧な描写だったのかもしれませんけど、フランスの小説だしもっとリアルな描きかたをするものかと思ってました。

ジャックとダニエルは決別してしまう気がします。どうなるんだろう・・・。2人が決別しそうな予感は1巻の家出の場面で2人がはぐれてしまう辺りからもかなり感じています。先の展開が楽しみです。周囲の思想にとらわれずにいた子供時代の親友と決別するってのは手塚治虫の「アドルフ」を思い出させます。ていうかこの作品はなぜか知らないけど読みながら「アドルフ」を連想してしまうんだよなぁ。

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