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2004年2月19日 (木)

映画「リロ・アンド・スティッチ」 

「リロ・アンド・スティッチ」 2002年 アメリカ

ディズニーの長編アニメ作品。マッドサイエンティスト風のエイリアンによって生み出された「大都市を破壊すること」本能のみを持った生物が地球へ。それを追って銀河連邦の役人も地球へ。そして、凶悪生物は舞い降りたハワイの地でリロという少女と出会い、「愛」を知ることになる。みたいなお話。こう書くとかなり蓋をしたくなるようなストーリーです。しかしこの作品はディズニー史上もっとも重いテーマを扱っているといっても過言ではありません。凶悪生物を飼うことになる少女は、両親を失い、姉と2人暮らし。福祉管理局が彼女を施設に入れるための調査に訪れており、彼女自身もその孤独さから周囲に八つ当たりをしてしまい、より深い孤独に陥っているという設定。普通に重いです。しかしこの映画はそれをユーモアとプレスリーの音楽に乗せてパーっと明るく描いていました。見る前の期待度は20%くらいでしたが実際はかなり良かったですよ。とりわけ、見る前は全然良いと思わなかったスティッチが、見た後にはすっかり可愛く見えているのが不思議でなりません。

この作品はどちらかというとピクサー作品の毛色を強く感じるのですが、やっぱりピクサーのほうが作り方はうまいと感じます。とりわけ、宇宙シーンはディズニー的に完全にやってしまった感が強いです。宇宙のバトルの延長で地球の建物を破壊するような構図は過去のディズニー作品では完全にありえなかったと思います。日本のアニメに媚を売ったのでしょうか。ハワイでの場面がかなり秀逸に描かれているだけに残念でした。ご都合主義などと言われかねないようなストーリーはまぁ子供向けだしということで・・・。

しかしながら、かなり良い点も多かったです。とにかくテンポが良くて2時間以上あるのにもっと長くても良いと感じさせるような作品。あっという間です。見る前はつまらなかったら早送りしようなどと思っていたのにそんな思いは杞憂に終わりました。さらに、水彩画タッチの背景が素晴らしく美しいです。ハワイの自然の美しさを強調するのに一役買っていました。あとはプレスリーの楽曲の起用ですね。作品全体のテンポの良さはBGMとして流れるプレスリーの影響が強いのかもしれません。お気に入りのシーンはタイトルが出る冒頭のハワイシーン(ディズニーは相変わらずタイトルシーンが上手い)と凶悪生物が砂浜で自分に砂をかけるシーンです。後者は泣けます。

最近のディズニーは童話ミュージカル路線→大人向けラブロマンスミュージカル路線→オリジナルを含む今風ポップ路線と変遷しているように思います。オリジナルはピクサーに押されて外してばかりいるような感じがしますが、今回は久々にヒットでしょう。「家族愛」にテーマを絞ったのはピクサーの影響強しですかね。

ちなみにこの作品。スティッチのアニメーターさんが生でキャラクターを書くのをディズニーワールドで見学しました。しかし、公開前で作品の認知度が低く彼女が解説を交えながら生でスティッチを書いたにも関わらず客は皆シーンとしてたんですよね。その後彼女がミッキーを生で書いたときは大盛り上がりでした。実際に映画を見た今となっては、すっかりスティッチの魅力の虜になってしまっているわけで、あの日、生スティッチを見られたのに、割とがっかりしていた自分が悔やまれます。

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