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2004年3月

2004年3月30日 (火)

映画「トレジャー・プラネット」

「トレジャー・プラネット」 2002年 アメリカ

ディズニーの長編アニメ。これはかなり良くできた作品でした。原作はかの有名な冒険小説「宝島」で、舞台を宇宙に移してSF仕立てになってるんですけど、完全に原作に沿ったストーリー展開なので、普通に物語が楽しめる作品。そこに、ありえないくらい素晴らしいCG+手描きの映像が加わっていて、この映像は映画館で見れば感動は何倍も増したんだろうなぁという感じでした。とにかく映像が良いです。「千と千尋」の不自然なCG使いが恥ずかしくなります。

この作品は「宝島」の映画化ということで、かなり男の子向けな作品なのですが、ディズニーとしては珍しく色恋ことを完全にカットして、原作に忠実な少年の成長物語にしたのが成功につながっているのだと思います。「ムーラン」とか中途半端に色恋を挟んで微妙でしたよね。キャラとしては、原作でもカッコイイ役どころのシルバーさんが実に味のある悪役(?)なのがいいですねー。全体的に登場人物の心理的な描写や成長をしっかりと描いていて味わい深い内容でした。劇中で流れる歌もなかなか名曲。ついでに言えば、キャプテンの声のエマ・トンプソンの英語がとても美しかったです。聞いてすぐに「もしや、エマ・トンプソン?」と分かってしまいました。

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映画「トレジャー・プラネット」

「トレジャー・プラネット」 2002年 アメリカ

ディズニーの長編アニメ。これはかなり良くできた作品でした。原作はかの有名な冒険小説「宝島」で、舞台を宇宙に移してSF仕立てになってるんですけど、完全に原作に沿ったストーリー展開なので、普通に物語が楽しめる作品。そこに、ありえないくらい素晴らしいCG+手描きの映像が加わっていて、この映像は映画館で見れば感動は何倍も増したんだろうなぁという感じでした。とにかく映像が良いです。「千と千尋」の不自然なCG使いが恥ずかしくなります。

この作品は「宝島」の映画化ということで、かなり男の子向けな作品なのですが、ディズニーとしては珍しく色恋ことを完全にカットして、原作に忠実な少年の成長物語にしたのが成功につながっているのだと思います。「ムーラン」とか中途半端に色恋を挟んで微妙でしたよね。キャラとしては、原作でもカッコイイ役どころのシルバーさんが実に味のある悪役(?)なのがいいですねー。全体的に登場人物の心理的な描写や成長をしっかりと描いていて味わい深い内容でした。劇中で流れる歌もなかなか名曲。ついでに言えば、キャプテンの声のエマ・トンプソンの英語がとても美しかったです。聞いてすぐに「もしや、エマ・トンプソン?」と分かってしまいました。

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2004年3月29日 (月)

映画「穴」 

「穴」 2003年 アメリカ

この映画、いつになったら日本で公開するんだろうと思ってたら、先週ビデオレンタルがスタートしてしまいました。原作が日本でもそこそこ売れてたから絶対公開すると思ってたのになぁ。原作はアメリカで数々の児童文学の賞を受賞して、児童文学の枠を超えて大人でも十分に楽しむことができるストーリーで話題になっていたもの。映画は、ディズニーが製作して、監督は「逃亡者」の人で、製作は「サイダーハウスルール」の人、シガニー・ウィバーも出演というなかなかの豪華さでアメリカでは結構ヒットした作品です。

ストーリーは、代々呪われ続けていて運の無い家系に生まれた主人公が無実の罪で有罪になり、少年院に行く代わりに、砂漠でひたすら穴を掘り続けるという作業をするキャンプに送られるというもの。そこに、彼の呪われた家系のストーリーや、それとは全く関係のないストーリーが幾重にも挿入されて、そうした断片が折り重なることによって最後に1つにつながっていくというストーリーの展開がとにかく素晴らしい作品でした。恐らく原作で読んでたら、この見事さにもっと感動したに違いないです。「めぐりあう時間たち」も似たような手法をとってましたけど、スッキリと単純明快にまとめあげて、「なるほどねー、ここであれがつながるのねー」みたいな意外さではこっちのほうが上だと思います。本当に抜かりない構成でした。この映画、何で公開されなかったんだろう・・・。

ストーリーの面白さもさることながら、ひたすら穴を掘り続けるといったかなり不条理なテーマ(オースターの「偶然の音楽」のひたすら石を積み続けるっていうのを思い出した)や、犯罪を犯した少年の集まるキャンプを舞台に描かれる現代社会の縮図とも言えそうな不条理な人間、社会関係など風刺のきいているところも、「ハリー・ポッター」みたいな純粋な娯楽ファンタジー映画よりも深みがあったと思います。

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「バッテリー」 あさのあつこ

「バッテリー」 あさのあつこ 角川文庫

もともと児童書として出たものの内容が大人向け以上に素晴らしいという話をしばしば聞いていた作品が文庫化しました。ストーリーは、天才的なピッチャーの才能を持った野球少年が、転校して、新天地で強力なキャッチャー少年と出会うという物語。彼らの出会いである中学に入る前の春休みの数日間を、体が弱いが兄に憧れ野球に目覚める主人公の弟との物語を絡めながら描く。作者があとがきで書いているようにこの作品は確かに稚拙な感じがする部分がいくらかあるのだが(語り手の視線の動かしかたが不自然とか)、登場する子供たちのキャラクター作りとかがかなりしっかりしてて、あまり気にすることなく楽しめました。

主人公が自分は天才だと信じきっていて(実際に天才なのだけど)、自分1人しか見えてないような感じなのですが、それを周囲の仲間たちがどう受け入れていくのかというのがポイントになってくるのだと思います。「努力すれば実る」というようなスポ根ものが多い中で、世の中には確かに天才は存在して、それを周囲の仲間、家族がどう受け入れ、育ていくのかというような問題もあるわけです。自分は1人でもやっていけると豪語する彼もやはり1人では生きてはいけないわけで、物語でもそれが象徴的に描かれていました。この作品はどうやらこれからシリーズ化していくようで現在はハードカバーが5巻まで出ているようです。ドラマ化とかしたら面白いかもしれませんね。ちなみに作中で主人公が、誰かに憧れたりしているようでは本当に強い選手になれないようなことを言っているのだが、これはまさに僕が「尊敬する人は?」っていう質問に対して、「いない。強いて言えば自分。」と答えるのと全く同じ心理で、妙に共感してましまった。

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2004年3月23日 (火)

「口笛吹いて」 重松清

「口笛吹いて」 文春文庫 重松清

文春文庫の今月の新刊から。重松は量産体制が続いてますねー。もう少しじっくりと練って書いたほうがいいのではと思うこともしばしばですが、ある一定の質を保って短編を書き続けることができる力量はルポライターだったという経験が効いているのかもしれませんね。今回も重松さんお得意の「家族」を主に扱った70ページほどの小編5つからなる短編集。今回の主なテーマは人生の「勝ち組」と「負け組」といったところでしょうか。どの物語も主人公たちは自分を「負け組」だと認識して、「勝ち組」にあこがれるような内容になっています。5つの作品の中では、少年時代の憧れだった近所のお兄さんが取引先の課長として現われるという第1話目が一番印象に残った。どの話も普通だったらきっと面白い部類なんだろうけど、重松氏にはもっと手ごたえのある作品を期待しているので、物足りなさが残る1冊でした。あと、子供たちの台詞に「マジ、ウザい」とかそういう最近の話し言葉が使われるんですけど、こういうのって文字化してしまうとかなり違和感感じますよね。作者の年齢から見た用法なので、若干の不自然さもありますし。まぁ、そんなことも気になりましたが、早く「流星ワゴン」が文庫化しないかなー。恐らく来年だろうなぁ。

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2004年3月21日 (日)

「きょうのできごと」 柴崎友香

「きょうのできごと」 河出文庫 柴崎友香

ハードカバーのときからちょっと気になっていた作品が文庫化しました。「大学院に合格して、京都に引っ越すことになった青年の引っ越し祝いをするために数人の仲間が集う。」という出来事があったとある一日を舞台に、その引っ越し祝いに参加した5人を主人公にした独立した5つの短編を集めた連作短編集。引っ越し祝いという場に集まった人々が、何をその日の「きょうのできごと」としてとらえていたのかというようなことを描いているともとることができて、それぞれのお話は同じ日のことでも、時間に結構ばらつきがあったり、ところどころが重なったりしていて、それぞれの人生の交点ともいえる同じ出来事も、人によって捉え方が異なっていたりで、作品の持つスタイル自体がなかなか面白い1冊。

この作品の面白さは、徹底した「自然さ」にあるのだと思う。ここで描かれる出来事は大きな事件もないし、本当に日常の一部を切り取っただけのように感じるし、関西弁で書かれた会話も「自然さ」を強調しているように思う。なんでもない出来事を描いているはずなのに、妙に心に残る不思議な作品でした。僕の大好きな「神戸在住」というコミックとかなり似た雰囲気をもっているように感じました。

この小説って昨日から映画が公開してるんですよね。妻夫木&麗奈が主役で。ちょっとイメージ違うけど、映画も見てみたいです。まぁビデオになってからでしょうけど。

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2004年3月19日 (金)

「ダブリン市民」 ジェームス・ジョイス

「ダブリン市民」 ジェームス・ジョイス 新潮文庫 岩波文庫

この本は、もともと新潮文庫版を持っていたのですが、翻訳が気になってしまって、途中で読むのを放棄して積読状態でした。で、先月、岩波から新訳が出たということで早速買って再びチャレンジしました。同じようなパターンで「ねじの回転」のときは新訳が読みやすくて作品を楽しめましたし。ところが、今回の岩波版も翻訳が気になってしまいまして、再び挫折の予感。そこでとった手段がこれです。2冊の訳本を数行ずつ交互に照会しながら読んでいく。この作業は結果的に1冊読むのに2倍の時間がかかるのですが、それぞれの訳の一長一短を互いに補い合ってくれまして、無事最後まで読むことができました。最終的には新潮版のほうが良い訳だったような気がします。

このような変則的な読み方をしていて、結構同じ本でも訳によって印象が違うのだということを実感。普通に固有名詞も「干し葡萄入りのパン」と「スグリの菓子パン」とか、「オートミール」と「お粥」とか結構違う印象だったりします。訳の新旧と言葉の感じの新旧は関係ないようで、新訳のほうが今っぽい言葉のときもあれば、古風なときもありました。さらには、2つの訳でまるで正反対の内容を述べているときがあり、もはや原書で読まないと最終的なところが分からないような箇所まで発見。色々と発見の多い読み方でした。

さて肝心のストーリーですが、これはダブリンを舞台にして、そこに住む人々の姿を捉えた15の短編(ダブリンにクラス15人の生活スケッチ)からなる連作短編集です。それぞれの短編がダブリンという都市そのものの持つ様々な側面を照らし出しているということになるようです。で、15の短編は先に進むにつれて主人公の年齢が上がるようになっていまして(恐らく)、全体を通して、ダブリンに暮らす人々の一生を描くような感じにもなっているのかもしれません。それぞれが結構ストーリー把握が難しいのですが、今回は、じっくりと時間をかけて読んだおかげで割とストーリーもつかむことができました。前回の挫折はそういったところにも原因があったのかもしれません。短編の中では、少年が学校をサボる「邂逅」、少年の初恋を描く「アラビー」、人間関係の縮図を描く「対応」、娘を必死に売り込む母親を描く「母親」そしてラストを飾る「死せる人々」が印象的でした。特に最後の作品は他の3倍くらいの100ページ近いボリューム上がって、内容も濃くかなり完成度の高い1作。アイルランドってイギリスという存在や宗教的な観点などを含んでスコットランド以上に圧迫した空気を持っているのかもしれませんね。イギリス映画などによくみられる灰色の空気をさらに暗くしたような雰囲気の漂う短編集でした。基本的に曇り空が一番似合いますね。

今回、翻訳についてちょっと考えましたが、内容がかなり面白ければ気になりませんけど、僕は割りと翻訳を気にしてしまうほうです。もとの英文が容易に想像できるような訳とかは結構苦手だったりします。ストーリーを追うだけならば、「あらすじで読む世界の名作」やら「お厚いのがお好き」(昨日ラストでしたね。番組そのものを根本から否定するような作品を選らんでましたねー。)でもいいので、原書の持つ行間の空気をいかに伝えられるかが問題だと思います。まぁ究極的には原書を読めばいいんですけどね。翻訳にはやっぱり限界がありますよねぇ。そういいながら、読むものの大半が翻訳文学だったりする自己矛盾。

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2004年3月 8日 (月)

映画「ピノッキオ」

「ピノッキオ」 2002年 イタリア

「ライフ・イズ・ビューティフル」のロベルト・ベニーニが本国イタリアの代表的な児童文学作品「ピノッキオ」を映画化したもの。50過ぎのおっさんがピノッキオの役をするという、驚きの作品です。この設定に合わせて、ピノッキオが通う小学校の生徒なんかも全部大人が演じてましたね。子供が出てこない子供映画という不思議な作品でした。でも、そのほうがベニーニ・ピノッキオが浮かないので上手いつくりだと思います。

ピノッキオというと、日本ではほとんどディズニーによってのみ知られている作品で、そのイメージでこの映画を見ると大分雰囲気が違うはずです。ピノッキオの実写版というと、数年前にCGを駆使したアメリカ映画もありましたが、このバージョンはディズニー版と原作版の中間のようなストーリーでした。一方今回は、本国イタリアで作っただけあって、かなり原作に忠実なストーリー展開です。一部内容が異なったり、キーとなるオリジナルキャラが原作にないものだったりしますけど、本当に忠実に原作を追っていました。で、これが何を意味するかといいますと、あまり面白くないということです。「ピノッキオ」の原作って岩波少年文庫版を持っているのですが、子供新聞みたいなのに連載された、教育目的の作品なので、1エピソードに必ずなんらかの教訓がついていて、しかもそれが押し付けがましい作品なのですよ。この作品を美しいファンタジーにしたディズニーの力は目を見張るものがあるという印象があるくらいです。この映画も教訓っぽい色合いを一生懸命に落としてましたが、原作に忠実にすればするほど、そのカラーが出てしまうのは仕方ないんですよね。

ベニーニはかなりのハイテンションで演じていて、はじまってしばらくはそのテンションの高さに言葉を失って、30分も見てると、そろそろいい加減に・・・などと思ってしまうほどなのですけど、ピノッキオのストーリーを考えると、あのくりあのテンションが適当なのかもしれません。でも、やっぱりちょっとウザイのも確かっす。彼はイタリアで有名なコメディアンでしたよね。そうすると、これは北野武主演の桃太郎とかそういうノリなのでしょうか。

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映画「シャンプー台のむこうに」

「シャンプー台のむこうに」 2001年イギリス

「フル・モンティ」の脚本家によるコメディ映画。ヨークシャーの田舎町で開催されることになった全英美容師選手権を舞台に、町の代表で参加する家族(10年前に離散)が絆を取り戻していく過程を、他の出場者たちの人生模様を絡めながら描く。主人公(ジョシュ・ハートレット)の父親で元カリスマ美容師を演じるアラン・リックマン(「ダイ・ハード」の悪役の人)が渋い大人の演技でかなり良い感じでした。

この映画はテーマを盛り込みすぎという印象があって、扱ってる題材もコメディシーンも確かに面白いのだけれど、シリアスなテーマの扱い方がさっらとしすぎてて中途半端な印象。自分は「フル・モンティ」のほうが好きだなぁ。そもそも主人公の母親が余命幾ばくもないという設定を利用して好き放題しているというような印象を受けて、全く好感が持てません。さらにはラストで絶賛されるヘアスタイルはすごいのは髪型ではなく衣装なのではと思ってしまえるのも、微妙なところ(僕のセンスがないだけなのかもしれないけど)。脇役までしっかりとキャラが作りこまれてて、面白い作品になりうる要素はいっぱい持っていただけにそういうところが気になりました。でも、家で爽やかにコメディを楽しみたいときには、何も考えずに楽しめる映画なのでオススメっす。

おまけ。「石垣のある丘」っていういかにもイギリスな風景にぼーっと見入ってしまいました。やっぱイギリスは良いね!

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