« 映画「シャンプー台のむこうに」 | トップページ | 「ダブリン市民」 ジェームス・ジョイス »

2004年3月 8日 (月)

映画「ピノッキオ」

「ピノッキオ」 2002年 イタリア

「ライフ・イズ・ビューティフル」のロベルト・ベニーニが本国イタリアの代表的な児童文学作品「ピノッキオ」を映画化したもの。50過ぎのおっさんがピノッキオの役をするという、驚きの作品です。この設定に合わせて、ピノッキオが通う小学校の生徒なんかも全部大人が演じてましたね。子供が出てこない子供映画という不思議な作品でした。でも、そのほうがベニーニ・ピノッキオが浮かないので上手いつくりだと思います。

ピノッキオというと、日本ではほとんどディズニーによってのみ知られている作品で、そのイメージでこの映画を見ると大分雰囲気が違うはずです。ピノッキオの実写版というと、数年前にCGを駆使したアメリカ映画もありましたが、このバージョンはディズニー版と原作版の中間のようなストーリーでした。一方今回は、本国イタリアで作っただけあって、かなり原作に忠実なストーリー展開です。一部内容が異なったり、キーとなるオリジナルキャラが原作にないものだったりしますけど、本当に忠実に原作を追っていました。で、これが何を意味するかといいますと、あまり面白くないということです。「ピノッキオ」の原作って岩波少年文庫版を持っているのですが、子供新聞みたいなのに連載された、教育目的の作品なので、1エピソードに必ずなんらかの教訓がついていて、しかもそれが押し付けがましい作品なのですよ。この作品を美しいファンタジーにしたディズニーの力は目を見張るものがあるという印象があるくらいです。この映画も教訓っぽい色合いを一生懸命に落としてましたが、原作に忠実にすればするほど、そのカラーが出てしまうのは仕方ないんですよね。

ベニーニはかなりのハイテンションで演じていて、はじまってしばらくはそのテンションの高さに言葉を失って、30分も見てると、そろそろいい加減に・・・などと思ってしまうほどなのですけど、ピノッキオのストーリーを考えると、あのくりあのテンションが適当なのかもしれません。でも、やっぱりちょっとウザイのも確かっす。彼はイタリアで有名なコメディアンでしたよね。そうすると、これは北野武主演の桃太郎とかそういうノリなのでしょうか。

|

« 映画「シャンプー台のむこうに」 | トップページ | 「ダブリン市民」 ジェームス・ジョイス »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 映画「ピノッキオ」:

« 映画「シャンプー台のむこうに」 | トップページ | 「ダブリン市民」 ジェームス・ジョイス »