« 「密やかな結晶」 小川洋子 | トップページ | 「ささら さや」 加納朋子 »

2004年4月 9日 (金)

映画「アバウトシュミット」

「アバウトシュミット」 2002年 アメリカ

昨年のアカデミー賞で色々と候補に挙がっていた作品です。2年前にアメリカで公開されたときからずーっと見たかった作品で、ついにビデオで見ました。

定年退職したシュミット氏は、典型的な中流の生活をしていて、定年後、家では年老いた妻の姿をわずらわしく思い、なんとなく会社に立ち寄ってみたら、自分は既に過去の人の扱い、そんななか娘はわけの分からない男と結婚しようとしてるという、とんでもない状況が待っていたというお話。さらに妻が急死してしまい、彼が1人で旅に出て、自らの人生を問う様子を、彼が義父となったアフリカの貧しい子供に手紙を差し出すという形式で描いていました。基本的に静かなコメディなのですが、定年を迎えて人生の路頭に迷う中年男性をジャック・ンコルソンがこれでもかというほどに見事に演じてて、この映画はほとんど彼の独擅場です。ハリソン・フォードとかの渋くてかっこいいおじさんじゃなくて、彼のような、味のある中年だからこその映画ですね。そして、終盤の20分くらいしか登場しないのにアカデミー賞にノミネートされたキャシー・ベイツもあいかわらず良い味出してます。ミザリーのときの怖いおばさんとは打って変わって、教養の無い欲求不満の中年女性を面白く演じていました。

定年なんて、スタート地点にも立てていない僕にはまだまだ先の話。40年後くらいにもう一度見返したらきっともっと深く味わうことができるんだろうなぁ。ひたすら「おい、マジで?」みたいな微妙な顔をするニコルソンがラストで感情を思い切り出す顔をするのですが、そのシーンのためにその前の2時間があるといっても過言ではないですね。クスリとさせるシーンもあって予想通りになかなか楽しめる作品でした。それにしても娘は絶対に結婚相手を間違えていますよね・・・あと、こんな深刻手紙ばかり送ってこられるなんて、いくらお金くれるからってこの養父はちょっと嫌だぞ。

|

« 「密やかな結晶」 小川洋子 | トップページ | 「ささら さや」 加納朋子 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 映画「アバウトシュミット」:

« 「密やかな結晶」 小川洋子 | トップページ | 「ささら さや」 加納朋子 »