「虹の天象儀」 瀬名秀明
「虹の天象儀」 瀬名秀明 祥伝社文庫
この本は恐らく初版以降ほとんど重版されてなくて、書店で探すのにかなり苦労した1冊。「パラサイト・イブ」や「八月の博物館」などのハードに理系なSFを書く瀬名氏の中篇。渋谷のプラネタリウムに勤務する主人公が、プラネタリウムが閉館する日に現われた不思議な少年によって、時を越えるという内容。瀬名氏はかなりの藤子Fファンで知られてますが、「八月の博物館」と似たような雰囲気で、藤子のSF短編っぽい色合いが感じられる作品でした。この作品では、何よりも、プラネタリウムの投影機が主役であると言えて、その開発の歴史や、投影の原理なんかがかなり詳しく説明されていました。プラネタリウムの原理なんて全く知らなかったので、結構興味深く読んでしまいました。読み終わると、無性に星空を仰ぎたくなるような1冊でした。
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