映画「エデンより彼方へ」
「エデンより彼方へ」 2003年アメリカ
ジュリアン・ムーア主演の1950年代のアメリカを舞台にしたメロメロのメロドラマ。雑誌に記事が掲載されるほど世間の人々が憧れている、某会社重役の妻が主人公。ある日、彼女はひょんな偶然から夫の浮気を目撃(しかも相手は男)、失意に落ちるが、そんな彼女も黒人庭師の存在が気になり・・・。みたいな内容。舞台が1950年代ということで、同性愛、黒人ともに、かなりのタブーだった時代。誰もが憧れる天国のような生活にいた彼女が、そこから彼方の方向へと離れていく様子を描いていました。まぁ「アメリカン・ビューティ」1950年代版みたいな感じでしょうか。この映画は舞台となった50年代に合わせて、古い50年代の映画の手法をたっぷりと取り入れています。タイトルやエンドロールの出し方も昔の映画っぽいし、照明の使いかたや音楽がまさに古い映画そのもの。一点からだけ照明をあてることで影を作る「フィルムノワール」の手法とか、やたらとオーバーに盛り上がるBGMとかが物語を盛り上げていました。
ストーリーも往年のメロドラマを感じさせるものなのですが、同性愛や人種差別、コミュニティの中の人間関係、イジメなど当時のメロドラマでは決して扱わなかった題材がテーマであるというのが、この映画の面白いところ。決してただのメロドラマでは終わっていません。ところで、当時は同性愛は病気として扱われていたんですね。知りませんでした。あと、主人公の子供たちの扱いがあまりにも冷たいと思いました。はっきり言って、あの家の子供たちは親から全く愛されていないと言っていいでしょう。あの親たちは自分のことしか見えてないんですよね。かわいそうに。慈善事業してる場合じゃないっつーの。それにしても、ジュリアン・ムーアの役どころは「めぐりあう時間たち」と被りまくりでしたね。この2つは同じ時期に公開されたはず。物語が途中で入れ替わっても全然つながるんじゃないかと思ってしまいました。彼女の演技はかなり光ってましたよ☆
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