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2004年6月23日 (水)

「シーラという子」 トリイ・ヘイデン

「シーラという子」 トリイ・ヘイデン ハヤカワ文庫

僕が高校のときに出た本で、ずーっと読みたいなぁと思ってた本です。数年前に同じ出版社のダニエル・キイスがまとめて文庫になったので、ヘイデンも同じようにして文庫化されるに違いないと思いクビを長くして待った甲斐があります。著者は学校の教員で通常の養護学級に入れないような子供達のクラスを受け持っている人で、この本は彼女の経験を綴ったノンフィクションです。彼女のクラスに、3歳の子を焼殺させようとしたという事件を起こした6歳の少女が精神病院の空きができるまでの期限付き入ってきます。少女は決してしゃべらず、何があっても泣かないという状態だったのですが、著者は必死になって彼女の心を開こうとして、やがて、彼女が虐待を受けた超貧困家庭の子でありながらIQ180以上の天才であることを発見します。

話は少女と著者との交流を描いているんですけど、この少女がとにかくとんでもない子でして、ちょっとしたホラー小説なんか目じゃないような事件まで起こしてしまいます。もともと事件を起こした子供ということなんですけど、この本を読んでいる間、最近起きている思春期の子供達による事件が頭をよぎりました。この本では、著者が少女にある種の色眼鏡を持ってみてしまっているのは否めません。どんなに彼女が本当は良い子でただ愛を知らなかっただけだという感動的な話があっても彼女が事件を起こしてしまったのは事実ですし。しかし、事件が起こると常に被害者の立場から事件が語られるのも事実です。加害者の側が何故その行為に至ったのかということを冷静な視点で見ることも大切だと思います。それが子供ならなおさらですし。この本でも少女自身がある種の被害者であったことが事実ですし、社会制度のあり方にまで問題は発展するかもしれません。よく分からないですけど、色々なことを考えさせられる1冊でした。純粋に感動できる本でもありますし、読んで損することはないと思います。

特に印象的だったのは、少女が「星の王子さま」に執着するという点ですかね。あまりにも出来すぎっていう気もしましたけど・・・。この本、続編あるんですよね。ちょっと時間を空けて読んでみようかと思います。

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