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2004年6月 3日 (木)

映画「永遠のマリアカラス」 

「永遠のマリアカラス」 2002年 伊・英・仏・西

かの有名なソプラノ歌手マリア・カラスの晩年を「ロミオとジュリエット」の巨匠ゼッフィレリ監督が描いた映画。かつては名プリマドンナとして世の名声をほしいままにしていたマリア・カラスだが、加齢によって以前のような美声を失ってしまい、ひっそりと(しかしゴージャスに)過ごしているところに、プロデューサーが、今の彼女が演技する映像に絶頂期の古い音源を吹き替えて「カルメン」の映画を製作しないかという話を持ってくる。

自分が歌っている人なので、絶頂期の二度とは戻らない歌声から離れられないカラスの心境は本当によく分かります。映画の中で、彼女がかつての自分の歌のレコードを聴きながら必死で歌う場面があるのですが、本当に胸に迫ってくるものがありました。一度、絶頂を迎えてしまった人がその後の人生をどう生きていくかというのは、どういう心境なんでしょうかね。高校時代にとある友人が「今が絶頂期なんてことにならないといいけどね。」みたいなことを言ってたのですが、明らかに今の自分がかつてよりも衰えていると実感するのは相当苦しいと思います。自分も声変わりをしてから、かつてのような美しい高音が出なくなってしまって相当ショックだったし。今でもテナーですけど、当時は、ピアノに合わせて音程を上げていくと、ピアノの最高音を越えるところまで声が出たんですよー。絶叫すると本当に「キーン」とした音だったし。

ところで、この映画、劇中劇として出てくる「カルメン」の映画がとてつもなく素晴らしい!ゼッフィレリ監督にこの「カルメン」の完全版を是非作っていただきたいです。DVD即買い間違いなしです。このわずかな劇中映画を見るだけでも価値のある作品だと思いますし。80歳を越えて尚このクオリティで作品を撮りつづける監督さんはどういう思いで、カラスの生涯を見つめたのでしょう・・・。

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