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2004年7月 9日 (金)

「Big Fish」 Daniel Wallece  

「Big Fish」 Daniel Wallece    Penguin U.S.A

先日見た映画の原作。邦訳は河出書房から出てるんですけど、邦訳ハードカバーよりも原書ペーパーバックの方が安かったので原書で読みました。英語も読みやすかったし。

映画をかなり気に入ったので本を読んだわけですけど、率直な感想は、「あの映画見て原作者は何も言わなかったわけ?」っていうところでしょうか。原作というよりかは題材をとっただけみたいな感じです。映画は完全にティム・バートンのオリジナルワールドが繰り広げられていたみたいですね。全然違うわけでもないんですけど、原作では映画で大半を占めていたファンタジー色がかなり薄くて、1つ1つの逸話がそこまで突拍子のない物語ではありません。さらに、映画では親子の物語が主軸になっていたんですけど、原作では、淡々と子供が父親の物語を綴っているだけで、子供がメインでどうこうという部分がほとんどありませんでした。

この淡々とした原作の空気は映画とはまた異なった感動をあたえる作品になっていました。原作は原作でかなり面白かったんですけど、映画とは別物としてとらえたほうがよさそうですね。ティム・バートンってすごいなぁというのを実感しました。

超ネタバレ企画!原作と映画はこんなに違うんだぞ!!(一応、原作の内容には触れないで、映画のこのシーンが原作には登場しないぞ!ということを書いています。読みたい人はドラッグして反転させてね。)

そもそも原作では父親は主人公が生まれた日に釣りをしていません。さらに主人公は結婚してるかどうかも定かではないです。父親が仕事でいつも家にいなかったから疎遠だったとかいうのは一緒ですけど、父親は「ほら」というよりかは「ジョークの好きなおじさん」という雰囲気。

ここからはさらに驚くべき違いを。原作では大男は出てきますが、一緒に町を出ないし、桃源郷みたいな町は出てこないし、サーカスは出てこないし、プロポーズで花畑作らないし、喧嘩の相手は幼馴染じゃないし、戦争は海兵隊でアジアにはいかないし、シャム双生児は名古屋の芸者だし、銀行強盗もしないし、手のセールスマンじゃないし、買収する町は別にかつて訪ねた町じゃないのです。

これを読むと原作の大半が原作オリジナルのエピソードだということが分かると思います。映画と共通するエピソードもかなり大胆な並べ替えがなされていますし。ということなので、原作もオススメですよー♪

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