「まだらの紐 ドイル作品集1」 コナン・ドイル
「まだらの紐 ドイル作品集1」 コナン・ドイル 創元推理文庫
「ホームズ」シリーズ以外のコナン・ドイルの短編著作を集めたシリーズが配本開始しました。似たようなのが新潮文庫からも出てて読みたかったんですけど、古い装丁でちょっと読みにくかったので、今回の新訳&作品数の多いシリーズはなかなか嬉しいもの。
この「作品集1」は所謂「聖典」などと呼ばれてるホームズもの60作品以外にドイルが書いたホームズ関連の作品が収録されています。メインは150ページくらいある「まだらの紐」戯曲版。ドイルが戯曲を書いてたということすら知りませんでしたよ。この戯曲版、原作のスタートする場面よりも前の昔に起きた事件なんかがかなり詳細に描かれていたり、戯曲ということで会話メインなので登場人物の感情なんかがよりダイレクトに感じられる内容。100年位前の舞台初演時の写真もふんだんに掲載されてたのには驚きました。よく考えたらドイルは20世紀初頭にも活躍してたので写真があっても不思議ではないんですけどね。「まだらの紐」は結構好きな話なだけに、なかなか楽しめました。さらに、この本にはワトソン君がホームズに対抗しようとして挫折する4ページくらいの短編とかも入ってて飽きさせません。そして、本邦初訳という、ドイルの残した未発表ホームズ作品のプロットと、ドイルへのインタビューまで載ってて、かつてシャーロキアンだったものとしてはかなり嬉しい内容でした。
ドイルは「ホームズ」と「ロスト・ワールド」しか読んだことないんですけど、他の作品も読みたいなぁとずっと思ってたのでこのシリーズには今後も期待大です。
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