映画「理想の結婚」
「理想の結婚」 1999年 イギリス
そんなイギリス好きな僕ですが、今日は、とりわけ好きな19世紀ロンドンが舞台の映画を見ました。原作はオスカー・ワイルドの戯曲ということで、映画なんですけど、会話がメインだし、全体のストーリー展開も「あ~、舞台作品っぽいなぁ」という感じでした。ストーリーは、19世紀末ロンドン社交界を舞台に、プレイボーイ公爵が主人公となって、彼の親友の政治家夫婦と、主人公が思いをよせる親友の妹、そして、彼らの過去を知るウィーンからやってくる魔性の夫人の5人を中心に展開。 魔性の夫人が過去のできごとをネタに政治家を脅し、イギリス議会で運河の建設に賛同するようなスピーチをするように仕向けて、それを知った主人公が彼を助けるというプロットと重なって、主人公自身の恋物語も描かれます。とにかく人の世話ばかりを焼く主人公がいい味を出してました。やはりイギリスはシェイクスピアの国だけあって、こういう人間関係ぐちゃぐちゃ喜劇を作るのが上手ですよね。非常に面白かったです。ただ、時代的な背景上仕方ないかもしれませんけど、最終的に行き着くところはかなり男性中心な結論でしたね。
最終的には喜劇であるこの映画。元が舞台作品ならではのネタも豊富でかなり「粋」な作品です。根底には「階級問題」とかしっかりとしたテーマも見え隠れしてるし。結局上流階級の人々とは言え、色々な出身の人が居るわけで、成功者とは言えそれに負い目を感じてる人もいっぱいいるというのが問題なんですよね。あと、この映画、俳優さんたちがまた素敵でした。とりわけ、魔性の女を演じるジュリアン・ムーア(「エデンより彼方に」「めぐりあう時間たち」とか)、真面目でお嬢様タイプの政治家の妻を演じるケイト・ブランシェット(「エリザベス」とか)、頭の回転の速い主人公の思い人を演じるミニー・ドライヴァー(「グッド・ウィルハンティング」とか)の女優さん3人の演技が際立ってます。特にジュリアン・ムーアとか見てるだけでムカムカするような役柄を貫禄たっぷりに演じてました。また好きなイギリス映画が増えてしまったではないですか・・・。
あ、イギリス好きとかじゃなくても普通に面白い映画なので、是非見てみてください。爽やかなラストだし、とにかくストーリーの運びや脚本が上手いし、出てる人の演技も素晴らしいし、セットや衣装も豪華だし。
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