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2004年10月27日 (水)

「神様のくれた指」 佐藤多佳子

「神様のくれた指」 佐藤多佳子 新潮文庫

「しゃべれどもしゃべれども」が割りと面白かったので結構期待してたんですけど、最後まで読めませんでした。途中からはまれるかもと思い結構我慢して読み進めたんですけど、完全に挫折。物語は出所した早々にスリ事件に遭遇し、その若さに見あわないチームワークに驚き、犯人のスリグループを追うスリ師の男と、ひょんなことから彼と同居生活を始める女装タロット占い師の青年の2人を主人公にしたもの。この作品の何が自分に馴染めなかったかを考えたんですけど、この作者の書くキャラクターは基本的に皆があまりにも「いいひと」なんですね。「しゃべれども~」は、そういう性質がプラスに働いて面白く読めたんですけど、この作品は基本的にアウトローな人々を主人公にしているため、彼女のキャラクターたちの「いいひと」っぷりが浮いてしまうのが原因ではないかと思いました。もともと児童文学を書いている人なので主題やストーリー展開をはっきりとさせて物語を進めるだけに、この妙なちぐはぐ感が際立ってしまったように思いました。あとテンポが遅いのも苦手だったのかも。珍しく読了できなかった本レビューでした。

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