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2004年10月 4日 (月)

「ラジオデイズ」 鈴木清剛

「ラジオデイズ」 河出文庫 鈴木清剛

「ロックンロールミシン」などで知られる某ギャルソンの元社員という作家さんのデビュー作。20代になったばかりの工場勤務の主人公前に、小学校時代のクラスメートが現われ、1週間だけアパートに居候させてくれと頼んでくる。子供時代、金持ち&ジャイアン的キャラだった彼に対して好意を寄せていない主人公だったが、半ば強引に同居生活がスタート。2人の暮らす1週間を主人公の恋人との関係を絡めて描いた作品。大人になりきれない若者が、突如現われた古い友人によって、自らの人生を見つめ直すんですけど、近頃小説やら漫画やらでよく見かける「何も起こらない」作品のシリーズの1つ。でも、この作品では「日常もドラマになる」ということを実感させるような内容でもないし、本当に淡々と切り取ることで、主人公の乾いた人生観を描いているようなイメージ。洗濯物の干し方とか妙に生活感を感じさせる内容でした。

さてさて、あとがきにて著者自身が述べているように、この小説、本当に人称の使い方が不自然なのです。第3者視点で描いているのに、いきなり主観的な文が現われたりして、一度気になるとそれはそれは気になって仕方ありません。こういう文でも賞とれるんだねぁとか思ってしまうんですけど、この不思議な文、何故か本文の空気と妙にマッチするのですよ。ストーリーも大して印象に残らないし、文も不思議なんだけど、「パンの匂い」の強烈なイメージと、主人公の殺風景であろう部屋のイメージばかりが頭に残るなかなか不思議な読書体験でした。

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