映画「ナイトメア・ビフォア・クリスマス ~デジタル・リマスター版~」
「ナイトメア・ビフォア・クリスマス ~デジタル・リマスター版~」
日本での公開10周年を記念してかの名作がデジタル・リマスターされて先週から再び劇場公開されています。しかもミニシアターではなくて拡大公開。かねてからのナイトメアファンの僕はどうせならできる限り大きな画面でみたいと思い調べたところ、近場で一番大きい劇場での公開は明日までとなっています(明後日からはその横の規模の小さな劇場に移動するらしい)。これは今週中に見に行かなくてはいけないと思い(ハロウィンは今週だしね)、頑張って授業の前に見に行ってきました。
この映画、軽く説明すると、「シザー・ハンズ」や「ビッグ・フィッシュ」などのティム・バートン氏が作った作品で、全編を粘土を使ったストップモーションアニメで撮影してる映画。この手法で90分近い作品を作るのも驚きだが、クオリティが極めて高くて、やっぱりCGよりも本物だということを再認識。あとはティム・バートンの趣味が全開の世界観のとにかく素晴らしい!!!
ストーリーは、ハロウィンを祝うことだけに特化した人々が暮らす「ハロウィンタウン」が舞台。彼らは化け物の姿かたちをして、年に一回ハロウィンの王者を決めるためだけに1年間いかに恐怖を演出するかを考えて暮らしている。そこに住む青年ジャック(ハロウィンの王者)がある日、ひょんなことからクリスマスの街に迷い込んで、人々が歌い、笑い、幸せに満ち溢れた光景にショックを受け、ハロウィンタウンでもクリスマスを行おうと提案。しかし、ハロウィンの住民がプロデュースするクリスマスは一筋縄ではいかなかった・・・・。というもの。
一応ディズニー提供なんですけど、全体にグロい空気をディズニーが嫌がったために、長い間ディズニー系列であることは声を大にして語られることもなく、D社は上手くそれをごまかしていました。しかし、ここ数年、ナイトメア人気の高まりに気をよくしたのか、ディズニーはいきなり堂々とキャラグッズの販売やテーマパーク進出をし始めました。売れるものは逃がさない見事な商魂です。でも、ティム・バートンはもともとディズニーのアニメーターですからね。ディズニーにいるときに作った実写短編は年齢指定をつけられてしまって公開させてもらえなかったらしいですね(今回はなんとその短編まで同時上映!確かにグロいシーンはあったけど・・・)。その後、ディズニーを辞めて映画監督として華々しくデビューした彼がこの映画の企画を立てたとき、その内容に賛同が得られず、制作してくれる会社が見つからず、そこに助け舟を出したのがかつての古巣だったという裏があるみたいです。その割りに扱い悪いですけど。
まぁ、裏話はともかく、この映画、やっぱり大画面で見ると違いますね。映画の世界にどっぷりつかることができました。CD聞きまくったから歌も一緒に口ずさめるし。ミュージカルシーンがほとんどなのに、それがまた、人形アニメとか一見怖いキャラとかとのバランスをとるのに一役かってますよね。ていうか作曲者の人、何気に声優もやってるし、歌も主役の歌吹替えをして2役分歌ってます。多芸ですねー。サンタさんを誘拐する3人組、キャラも歌も大好きなんですけど、この映画で一番すきなのはやはり、恐怖のプレゼントをもらって逃げ惑う子供達。絶叫して両手を上げて走り回る様子がとにかく可愛い!!とにかくグロくて可愛いという絶妙なバランスのとれたキャラが素晴らしいですね。ナイトメアグッズに手をだそうとしたことも何回もありますけど、これはきりがなくなると考えて思いとどまってるし。
この映画、結構考えさせるテーマも盛り込まれていますよね。隣の芝は青く見えるけど、自分らしさを失わずに、自分のよさに気づこうよ!っていうのが感じられます。そのほかにも色々と深い洞察ができる要素も多くて、ティム・バートン万歳!です。
映画見ながら思ったこと。この作品、舞台化してもいいかもしれませんねー。ティム・バートンが完全にプロデュースしたら、素晴らしい舞台になると思うんですけどね。
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