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2004年11月23日 (火)

映画「幸せになるためのイタリア語講座」 

「幸せになるためのイタリア語講座」 2002年 デンマーク

予告とかがかなり良さそうだったので映画館で公開しているときから見たいなぁと思っていた作品。妻を亡くしたばかりの新米牧師、アル中の母を介護する美容師の女性、気弱なホテルマン、短気な性格でレストランをクビになった男、変わり者の父親と2人で暮らす転職ばかりしているパン屋の女性、信仰心のあついイタリア人ウェイトレスといった登場人物たちの人生模様を描いた作品。各登場人物たちの2,3分ほどのエピソードの連続の中に、彼らが集う週に1度のイタリア語講座の様子が挿入されるという構成。

この作品、終始手持ちカメラで撮影されたような映像な上に、BGMが全くないというものです。「ドグマ」というデンマークの監督さんたちの始めた、人工的なセット、照明、音楽を全て排除して、空間、時間を飛ばすことも禁じるという作品作りをするシリーズの1つらしいです。つまり、かなりリアリティが感じられる作品なんですけど、まず手持ちカメラの微妙な揺れに慣れるまでが大変だというのと、BGMもない淡白な画面と全く起伏のないストーリーがちょっと眠いという作品で100分ほどの作品なのにかなり長く感じられました。あ、でも同じコンセプトのデンマーク映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」はこういう難点はあまり感じられなかったですけど。

物語、決してつまらなくはないんです。各キャラの心の動きとか、ここまで限られた表現手法の中でとてもよく表現しているし、どうなるんだろうと引き込まれる展開ではあるし。でも各エピソードが細切れすぎるんですよね。2,3分くらいでコロコロと主要登場人物が変化。群像劇の映画は多いですけど、ここまで視点がコロコロと変わるのは珍しいかも。冒頭、各キャラの登場があまりにも唐突で、人間関係とか把握するのにすごく時間がかかったし。あと、登場人物死にすぎです。主人公たちの身の回りの人たちがとにかく消えていくのにはビックリしました。まぁ、それで物語が面白くなってきたのも事実ですけど・・・。そして、登場人物たちがとにかく暗い。「幸せになるための~」というタイトルですけど、本当に不幸せを体中で表現しているような人々でした。予告では「コペンハーゲンからベニスへ」と後半はベニスに舞台が移るように言っていたので、かなり期待してたのに、ベニスの場面は10分くらいでした。ベニスにて「ラブ・アクチュアリー」っぽい可愛い場面もあったけど、ちょっと騙された気分。つまらなくはないけど、それなりの覚悟を持って見るべき映画だと思う。

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