「ゆっくりとさよならをとなえる」 川上弘美
「ゆっくりとさよならをとなえる」 川上弘美 新潮文庫
川上さんのエッセイ集です。「センセイの鞄」とか「蛇を踏む」とか、「神様」とか独特の川上ワールドを持っている作家さんで、一体どういう人なんだろうかと常々から疑問に思っていたのですが、エッセイを読む限り、御本人も作品の持つ独特の空気そのままの方のようです。とにかく飲むこと、読むことがお好きな方みたいですね。スパナポ(作者によるスパゲティナポリタンの略称)を追い求める話とか大好きです。理科の先生をしていたらしいとか意外な過去も発覚。バリバリ理系の人だったんですね。あと、エッセイの中で紹介されている本の数も相当のもので、自分も読んでみたいなぁと思うような作品も多数。また、小川洋子とか自分も気になっている作家を彼女も気になっていることが分かったりするのも嬉しい。読んでると、御本人と一度お会いしてサシ飲みしてみたら楽しいだろうなぁと感じるようなエッセイ集です。各エピソードが3,4ページとコンパクトなのも読みやすくて良いです。とても良い読書体験でした。川上弘美、やっぱり好きな作家です。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「足音がやってくる」マーガレット・マーヒー(2013.05.30)
- 「SOSの猿」伊坂幸太郎(2013.05.05)
- 「死美人辻馬車」北原尚彦(2013.05.16)
- 「俺の職歴」ミハイル・ゾーシチェンコ(2013.04.01)
- 「エムズワース卿の受難録」ウッドハウス(2013.03.24)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント