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2005年2月25日 (金)

映画「オペラ座の怪人」

「オペラ座の怪人」 2004年 アメリカ・イギリス

ついに見ました!映画化の情報を得てから1年以上どれだけ待ったことか。「王様と~」、「サウンド・オブ~」、「マイ・フェア~」から近年の「ダンサー・イン・ザ~」、「ムーラン~」、「シカゴ」などなど大作ミュージカル映画をこよなく愛するものとして、どれだけ待ち臨んだことでしょうか。こういうのもっと作ってよ!!ハリウッドさん!と言う感じです。トニー賞を全部門制覇した怪物ミュージカル「プロデューサーズ」は映画化が決まってるそうですけど、この調子で「ミス・サイゴン」とか「レミゼ」とかもバシバシやっちゃって下さいという感じです。

この映画に関しては、できるだけ大画面で音響の良い所で見たいと思っていたので、わざわざ有楽町まで行ってきました。平日の昼の回なのに、700席くらいあるのが半分以上埋ってましたよ。チケット買うのに15分くらい並んだし。そして、期待通りに大きなスクリーンだったので、見る前から心はドキドキでした。

映画が開始するやいなや、白黒写真っぽい風景がぎこちなく動き始めた瞬間に強烈にノックアウトされ、そのまま、「じゃーん!」というパイプオルガンの音ともに、時間が遡って、廃墟となったオペラ座が巻き戻しのようにして過去の姿に戻るまでの15分ほど、完全に画面に釘付けでした。この部分、「タイタニック」で僕が一番好きな場面である、「沈没船のドアをくぐるとそこはかつてのタイタニック」以上に感動しました。そして「タイタニック」同様に、このシーンも、家で見たらそこまでの感動は無いんだろうなと思いました。映画館で見てこそのシーンですよね。

本編も大満足でして、クリスティーヌを演じるエミー・ロッサムの到底17歳とは思えない歌声と大人っぽさ、よく見るとちょっとおっさん体型なファントムはロックテイストの歌声だったけれど(彼が教えて良い発声が身につくのかっていう疑問も)なかなか素敵、もっともっとやらしくても僕は好きよん♪あ、でも手つきは十分やらしかったね。ラウルっちはちょいと印象薄かったかもね。あと、ミニー・ドライバーですよ。「グッド・ウィル・ハンティング」ではこんな人でもハリウッド映画のヒロインになれるんだぁと思ったものです。その彼女、今回の役は自分の中では超ミスキャストでした。妙に頑張ってたし(そういう役ってのもあるけど)。どうせ1人だけ歌を吹替えるなら違う人使えばよかったのになぁと思ったり。歌える人なら、ほら、キャサリン・ゼタ・ジョーンズとか、ニコール・キッドマンとか。まぁ、有名な役者さんはあまり使いたくなかったのかもしれないけど。でも、ミニーさんは何気にエンディングの曲を歌っていたので、スタッフもかなり気を使ったのではないかと思いました。

ミュージカルシーンは文句なしだったんですけど、隣に座ってたおばさん(隣がぎゅうぎゅうなくらいの混雑!)が恐らくこの映画がミュージカルだと知らずにきてて、ちょっと面食らった様子な上に、途中で寝てました。台詞の8割は歌ですからねー。ミュージカルが苦手な人にはきついかもね。

好きなシーンをいくつか。手紙の歌、三枚目コンビと周囲の掛け合いが心地よいですね。そのまま続く「プリマドンナ」も良いです。あと、かなり最後のほうでファントムがサルのオルゴールを手にする場面は涙腺が緩みました。曲としては「Point of no return」(なんてたってpassion playが「情熱のプレイ」ですからね。サントラの対訳では「受難劇」になってるのに・・・。)と「Phantom of the opera」が良いね。

それにしても、2時間半はちょっと長いね。面白いけどつかれました。「All I ask of you」が終わって思いっきり引きの絵になったとき、そのままインタミに入るのかと思ってしまったさ。

このお話、醜い顔の男が世間の目から逃れるようにして地下でひっそり暮らしてるんですけど、その点「ノートルダム」とよく似てますよね。当時のフランスってそういうのが多かったんでしょうかね。ファントムさん、仮面とっても割りと普通の顔だったのに、「ギャー」と叫ぶ人々はどうしたものかと思いますよ。彼のあまりのストーカーっぷりに驚いて声を上げるならまだ理解できますけどね。まぁ、でもここでかなりグロい特殊メイクを披露されたら一気に映画は別物になりますが。ストーカーといえば、一番最後の映像は、映画的でよかったのではないでしょうか。結局ラウルって何!?みたいな感じもするけど。

ところで、このミュージカルだけで「オペラ座の怪人」がこういうストーリーだと思ったら大間違いです!原作はこんなラブロマンスではないよー!!普通にゴシック・ホラータッチのミステリー小説ですからね。金田一少年でもモチーフにされたくらいですからね。かつて読んだ角川文庫版は結構読みやすかったのでオススメです。

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