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2005年7月

2005年7月29日 (金)

「エレンディラ」 ガルシア・マルケス

「エレンディラ」 ガルシア・マルケス ちくま文庫

スペイン語文学の最高峰と言われるノベール賞作家さんの短編集。この人の作品は「予告された殺人の記録」に続いて2冊目。前作はかなり面白かったので、結構期待してました。「族長の秋」とか「百年の孤独」とかも読んでみたいですねー。

この作品集は6つの短編と1つの中篇からなっていて、6つの短編は「大人のための残酷な童話」と名づけられいて、ちょっとブラックなネタのお話になっています。ルポ色の強かった「予告された~」とは打って変わって、民話をベースにしたような語り口調で、この作家さんの持つ底力を感じました。中篇の作品も含めて、特に印象に残ったのは、空から降りてきた翼を持った男をめぐって大騒ぎになるお話と、ステキな水死体をめぐって妄想を膨らませる女性のお話。民話チックな雰囲気と、牧歌的な人物の様子とかが相乗効果をなして、とても面白いお話でした。中篇のお話は、エレンディラという少女と、彼女を売春婦として働かせる祖母との物語で、冒険もロマンスもつまった一大スペクタルでした。作品集全体の空気は「幻想的」っていうのが一番合う形容詞かな。

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2005年7月26日 (火)

「ハミザベス」 栗田有起 

「ハミザベス」 栗田有起 集英社文庫

作者の方はこれまで2回芥川賞候補になってる作家さん。表題作はすばる文学賞を受賞した作品で、同時収録で「豆姉妹」という作品が収められています。

「ハミザベス」は、母と2人で暮らしていた20歳の女性のもとに、ある日、顔も見たことのない父が死んだという連絡が入り、マンションの一室を相続することになるというもの。主人公は亡き父の愛人から詳細を聞き、そして、彼女から譲り受けたハムスターとともに、相続したマンションでの生活を始める。

ずーっと母親で2人で、1つの蚕の繭の中に2人で入ってしまったような生活を送ってきた主人公が、自立をする姿を描く作品ですが、ちょっとリズムが悪いのか、ぐっと物語に没頭することができませんでした。

一方で、同時収録の「豆姉妹」こちらはかなり面白かったです。再婚した母親から離れて、7つ離れた姉と暮らす女子高生の物語。2人は双子かと見紛うほどに似ている姉妹だったのですが、ある日、姉が看護婦の仕事をやめてSM嬢に転職。それまでは2人で着まわしていた洋服の趣味もすっかり変わってしまい、香水をつけるようになった姉を横目に、主人公は、突然髪をアフロに。そんなところに、母の再婚相手の息子(義兄弟)がやってきて、3人での共同生活が始まる。

1話目の「ハミザベス」と同様に、こちらも、それまでずーっと一緒だった姉から主人公が自立する姿を描いた作品。こちらのほうが、リアルな描写が多く、全体的にとてもバランスが良くて、とても印象に残る作品でした。登場人物たちの個性がハッキリと描かれているのがよかったのかも。心に残るイベントもあったし(作文を読み上げる場面)。この話を読むためだけでも価値のある1冊かもしれません。

最近の女性作家さんに多い、ちょっと世間からずれた感覚を持つ主人公が個性的な登場人物たちと触れ合うことで、現実社会に向き合うきっかけをつかんでいくという作風。芥川賞も手に届く範囲内の作家さんなのでしょうね。

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2005年7月24日 (日)

CD「MR.A-Z」 Jason Mraz

「MR.A-Z」 Jason Mraz

アメリカのシンガーソングライター、Jason Mrazの2ndアルバムです。正確には昨年発売のライブ盤があるので3枚目。このライブ盤、1stに収録されてない曲が結構あって、それは2ndに収録されるものだとばかり思ってたんですけど、そうではなかったみたいで、今回は全て新曲でした。

前作では1曲目の冒頭から、かなりのインパクトがあって、ガッチリ心をつかまれてしまい、1stアルバムは、この2年くらいの間に最も聞いたCDの1つになっているくらいに、はまってしまいました。彼の魅力は、なんと言っても、そのポップさと、マシンガントークと言いたくなるくらいに早口な歌詞の乗せ方。今回の新作は、前作とは打って変わって、かなりシンプルな1曲目の出だし、しかし、全体の構成がとてもよくできていて、緩急のつけ方がとても上手いアルバムでした。ポップさは健在。曲のジャンルの幅も広がっているように感じました。レイチェル・ヤマガタとのデュエット曲がなかなかお気に入りです。これからじっくり聞き込んでいきたい、そんなアルバム。

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2005年7月20日 (水)

「月山・鳥海山」 森敦

「月山・鳥海山」 森敦 文春文庫

「月山」はいまから30年くらいに前に芥川賞を受賞した作品です。作者は、昭和20年代に作品を発表してから文壇から離れ、40年以上して復帰したこの作品で芥川賞を受賞したそうです。今ではすっかり芥川賞は若い人向けのイメージが定着しているけれど、60代の作者が受賞することもあるんですね。当たり前だけど。

全て同じ庄内平野の地域をモチーフにした短編が収められている短編集。受賞作品の「月山」は訪れた山奥の寺で一冬を過ごす旅人のお話。120ページほどの中に色々なエピソードがあるのだけれど、どれも淡々としていてあまり印象に残りませんでした。「何も起こらない小説」のシリーズは割りと好きなんですけどね・・・。恐らく、人里離れた寺という空間での、見方によっては異様ともとれる些細なエピソードの数々が、「現実」とはかけ離れてた場所で生死の狭間にいるような空間を示しているとかそういうところなんだろうなぁ。個人的には平野氏の「一月物語」のようなものを期待していたせいもあるかもしれないのだけれど、自分にはこの作品のよさは今一歩分からずじまい。どなたか読んでみて、面白かったら解説していただきたいところです。

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映画「Mr.インクレディブル」

「Mr.インクレディブル」

うーん、ピクサー作品の中ではあまり好きではない方ですね。いつもの、溢れんばかりへの子供達への愛情や、大人向けのブッラクユーモアやパロディがあまり感じられませんでした。と思っていたら、やっぱり、脚本も監督もいつもと違う人でした。自分で作った企画をどうしてもピクサーのCGで映画化して欲しくて持込みしたみたいです。メイキングによると、監督さんはピクサーサイドとストーリーの内容なんかで相当議論したみたいですし。

ヒーローものを見てて、正義のためとはいえ、ビルなんかをぶっ壊したり、ピンチにあっていて落ちそうになったりしている乗り物とかを割と雑に救助してたりして、ケガ人が出たり、損害賠償請求されたりとかしないのかなぁなんていう邪な考えを映画化にした作品。訴訟大国アメリカならではですな。自分勝手なヒーロー活動によって被害を被った人々が訴訟を起こして、結果として、ヒーローたちがその活動を禁じられるようになった世界を舞台に、元ヒーローの主人公とその家族達の冒険を描いた作品。こういう逆転の発想はとても上手。さらにピクサーの伏線の張り方は相変わらず天才的に上手い。CGも作品を重ねるにつれて目を見張るような進歩を遂げている。そうなんだけど、なんか自分にとっては今一歩でした。なんでだろ。主人公が5人ってのが多すぎて、どこに感情移入していいのかが難しかったのかも。

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2005年7月16日 (土)

「踏みはずし」 ミシェル・リオ

「踏みはずし」 ミシェル・リオ著 堀江敏幸訳 白水Uブックス

フランスの現代の作家さんの作品を芥川賞作家の仏文学者、堀江氏が翻訳したもの。主人公は殺し屋の男。彼は歴史書を愛読し、非常に理屈屋で、自ら課したルールに徹底して従う完璧主義者。前半は、彼がとある書類をめぐる事件にかかわり、彼の正確を描写する意味もあって、その完璧なまでの仕事っぷりを描き、後半は、彼がとある田舎町で出会う母娘との関係を描く作品。タイトルの「踏みはずし」とは、彼が読む歴史書に登場する言葉で、その意味は作品の最後で明らかにされる。

堀江さんの小説が好きなので、その翻訳した小説とはどんな感じなのかなぁと思って読んでみました。うん、自分で作品書くのと翻訳するのとは、違う能力なんですかね。自身の作品の方が読みやすい気がしました。この作品、前半部分がちょっと退屈な印象だったんですけど、後半に入ってからは割りと面白くて、最後まで一気に読んでしまいました。読後感は、可もなく不可もなくといったところ。一見、ハードボイルド系の作品と見せかけて、哲学的な内容だったりするのがなかなか面白いです。フランス人の描く殺し屋って、独特のキャラクター設定がなされることが多いんですかね。単にハードボイルドなキャラでは終わらないものを持っていることが多い気がします。って、他には「レオン」しか知らないんだけど。ラブシーンの濃厚さに仏っぽさを感じたものの、全体的には、あっさりした作品かもしれません。サスペンス風に全体のストーリーだけを取り出して映像化することはできそうだけど、この哲学っぽい空気は映像では表現しきれないだろうなぁという作品で、小説ならではの面白さのある本でした。

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2005年7月14日 (木)

「アーモンド入りチョコレートのワルツ」 森絵都 

「アーモンド入りチョコレートのワルツ」森絵都 角川文庫

惜しくも今回の直木賞を逃した作家さんですね。この方は児童文学で相当話題になっているので、読んでみたいなぁとずっと思っていて、先月ついに文庫本の第1弾が出たので早速読んでみたわけです。3つの話がはいった短編集で、それぞれに共通してるのは主人公が中学生であることと、「ピアノ」がキーワードになってるということ。それぞれのタイトルも作中でキーになるピアノ曲からつけられています。

3話のうち、1話目と3話目はちょっとなぁというのが正直な感想。1話目は毎年、従兄弟同士で集まって別荘で過ごしている5人が主人公で、最年長の仲間に対しての不満が募っていくというお話。少年の成長を描いているんですけど、なんか出てくる少年達があまりにも理想的な感じで個人的にはイマイチ。3話目は怪しげなフランス人と同居を始めたピアノ教師とその教室に通う2人の中学生の少女たちの物語。こちらはちょっと間延びした勢いを感じました。

一番良かった2話目は、結構好きな作品。数日間夜なかなか寝付けなかった少年が、音楽室から聞こえてきたバッハに誘われて、そこにいくと、同じように不眠症に悩む少女がピアノを弾いていたというお話。少年はすぐに眠れるようになるのだけど、少女と共通の話題が欲しくて、不眠症が続いているというウソをつきながら、音楽室に通うというストーリー。とても雰囲気の良い作品でした。この作者さん、他の2話もふくめて、ちょっと背伸びしたいけど、しきれないでモヤモヤとしているような中学生の様子を描くのが上手ですね。他の作品も気になるところです。

余談ですが、先日の笹生さんの本と同じく、こちらもハードカバー版は講談社から出てるんですね。角川さんは、講談社から児童文学作品をまとめ買いしたんですかねぇ。

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2005年7月 9日 (土)

来日公演「プロデューサーズ」

ミュージカル来日公演「プロデューサーズ」@厚生年金会館

土曜日に体調が悪いのをおしてミュージカルを見てきました。チケット買ったのは昨年12月(チケットの売り出し開始日に購入!)でして、この半年以上何よりもこのイベントを心待ちにしていました。勝手に2枚チケットを買って、勝手に自分に都合の良い日にちを選んだにも関わらず、予習までして一緒に参加してくれたTくん、自分から誘いながら体調崩してて。ごめんなさいでした。でも、客席前部のオケピに指揮者さんが登場して前奏を始めた瞬間に体調の悪いのはどこへやらでした。余談ですけど、オケピをちゃんと使うミュージカルってなかなかないですよね。指揮者さんが挨拶してスタートするのはさながら映画「ムーランルージュ」の冒頭のようなワクワク感がありました。でも会場の音響がイマイチでせっかくの生オケ、生歌なのにちょいともったいない感じがしました。

この作品、ミュージカル版アカデミー賞とも言えるトニー賞で、新作ミュージカルが受賞できる12部門全てを史上初めて独占したという大作。ミュージカルのプロデューサーが主人公で、興行的に大失敗に終わってしまった作品を作ると、スポンサーにバックしなくてもよくなって、結果的に黒字になることもあるらしいことを発見した会計士と2人で、「絶対にヒットしないミュージカル」を作ることで大儲けしようと企てるというお話。

2人は最低の脚本、演出家、役者を集めて作品を作るのだけど、それが「最低」なだけあって、どれも強烈キャラ。脚本は、ドイツを心から愛するネオナチ脚本家による、「ヒトラーの春」というヒトラーを礼賛しまくる作品。演出は、強烈キャラのゲイの演出家とそのチーム(各種ゲイが揃ってる)による、SMテイストのゲイ風味。役者は、スウェーデン出身の英語が下手な爆裂ブロンド娘。そして、スポンサーは下ネタ全開の欲求不満の老婆達(老婆の園みたいなところで、空中ブランコしたりしてる)。主役の2人がお世辞を駆使して、彼らの協力を得てミュージカルを製作、そしていざ開幕してみると・・・。

徹底したコメディで、終始笑いが絶えない舞台でした。英語の言葉遊びが基になってたり、欧米の社会・文化的な常識が基になってる笑いも多くて、そういう部分はやはりそこまで笑いは起こらないのですけど、そうではない笑いのクオリティがとても高くて、国境を越えて笑える場面が多いのさすがは12部門です。ひたすら強烈キャラが登場したり、妙な妄想を繰り広げたりで、まるでバラエティ番組のコントを見ているような感じさえするミュージカル。舞台上の細かなところまでしっかりと小ネタがしこまれてて、とても楽しい作品でした。まぁ、下ネタ率も結構高いし(←こんなミュージカル初めて)、ネオナチとかゲイとか老人とか、スウェーデンやアイルランドなどの諸外国とかをコメディにするという点では様々な団体からクレームがきそうな内容ではあるんですけど、風刺がきいてるとも言うことができるわけで、なかなか奥の深い作品でした。

でも、コメディ演劇として見た時には確かに無茶苦茶面白いんですけど、ミュージカルとしてはどうかと聞かれると難しいですね。まず突出したミュージカルナンバーがないんですね。どの曲も確かに良いんですけど、テーマソング的なインパクトを持つ曲がないんです。オープニングナンバーに至っては、「このミュージカルって面白いの?」と疑問に感じるような微妙ささえ感じました。あと、派手なダンスシーンは確かにいくつかあって、老婆たちが老人用歩行器でアクロバティックに踊りまわるとことか、劇中劇の「ヒトラーの春」とかは確かに印象的なんですけど、「キャッツ」なんかと比べるとやっぱり印象に薄いのです。ストーリーも「レミゼ」や「サイゴン」のように感動的な大作ではないし。悪く言えば、ここ!っていう見せ場がイマイチ分からない作品。よく言えば、非常に全体のバランスが取れている作品でした。トニー賞全部門受賞はこのバランスのよさなら納得。でも、他に良い作品があったら、全部門逃していても納得なのかもしれません。

お気に入りのシーンは、会計士が妄想を膨らませてブロンドギャルが事務所のロッカーから登場するとこと、ハトさんたちがかわいいとこと、終盤で主人公が1人芝居でそれまでのストーリーを歌と踊りつきでプレビューする場面。あと、鏡が降りてきてダンスするとこはコーラスラインみたいで綺麗でした。なんだかんだと書いてますけど、本当に本当に楽しくて、会場もスタンディングオベーションで大満足の2時間半でした。

年末に映画化するらしいですけど、舞台ならではっていう笑いや演出が多かったので、それらをどのように調理するのかがとても楽しみ♪

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2005年7月 7日 (木)

「麦わらドリル」 原一雄 

「麦わらドリル」 原一雄 小学館

「のらみみ」という作品を書いている漫画家さんの短編集。「のらみみ」という作品は、ドラ○もん、やら、オバケの○太朗やら、忍者○ットリくんやらに代表されるような、キャラクタ居候もの作品をパロディにしたもので、全国の小学生の家にキャラが居候する世界で、各家庭へのキャラの斡旋・配属事業を行っている会社を描いた作品。こちらも結構面白いのですが、今回の短編を読み、「のらみみ」を読んだ時以上にこの作者に感動しました。

この作者さん、ひとことで言えば、藤子作品の後継者。浦沢氏や山下さんが手塚氏を髣髴とさせる作品を書く一方で、原氏は、藤子F氏の意思を引き継いだ作品を作っているのだと思います。この短編集、どこかかわいい感じの子供っぽいイラストとは裏腹に、ちょっとシュールな設定や、不思議なもの、ブラックな笑いであふれているんですね。タイムマシンを作って、過去に飛ばされてしまった恋人を探し続けているという男の話のオチはかなりツボでした。他にも、なにやら意味不明のスポーツに興じる人々とか、突如現われた巨大アライグマとか、謎の物体を拾う話とか、明るい話だけではなく、どこかシリアスな余韻を残す作品もあって、もっともっとこの作者さんの書いたものを読んでみたい!と思わせる、まさに珠玉の短編集でした。藤子F短編(←大人向けの藤子作品は、ドラとかのイメージしか持ってない人が見ればかなりのショックがあるんじゃないでしょうかね。)が好きな人は絶対にこの作品も好きなはずです。

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2005年7月 6日 (水)

「きよしこ」 重松清

「きよしこ」 重松清 新潮文庫

もはや何冊目かも分からない重松作品。先月角川文庫から出た「疾走」という大作もあるのだけれど、とりあえず、軽く読めそうな連作短編集のこちらを読みました。

吃音のために喋ることが苦手で、人間関係に悩む1人の少年の小学校低学年~大学入試までを描いた連作短編集。主人公の少年の名前は「きよし」で、モデルは作者の重松氏本人。半自伝的な要素を持った作品といえそうです。いつもの重松作品に見られる妙な重さはあまり感じられず、その代わりに、とてもあっさりとした印象のある作品でした。彼の作品を読んでいて感じることがある、どうしようもない切なさややるせない思いみたいのを感じることはありませんでしたからね。冷静に、優しく見つめるような文体は相変わらずですが。重松作品としては異色なのではないでしょうか。引越しが多かったとか、言葉を上手く喋ることができない少年が文章で伝えるという自己表現の場を見つけたり、野球というスポーツを通して人間関係を学んだりっていうのは、恐らく作者の実体験が絡んでいるのでしょうね。他の重松作品にもちらほらと顔出すモチーフだし。

重松氏の少年の成長を描いた連作短編といえば名作「半パンデイズ」がありますが、自分は、「半パン~」のほうが面白かったかなぁと思います。脇を固める登場人物に愛着が持てたので。引越しの多かった重松氏がもしも同じ場所で少年時代をすごしていたらという思いを書いたという「半パン」とこの「きよしこ」はある意味対になっているのかもしれませんね。

印象に残ったエピソードは、「北風ぴゅう太」と「乗り換え案内」の2編。場面として印象的なのはクリスマスプレゼントの場面。割りと衝撃でした。

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2005年7月 5日 (火)

James Blunt

現在UKチャートをにぎわせているJames Blunt。かなり良いです。シンガーソングライターなんですけど、ファルセットを織り交ぜたちょっと特徴のある歌声と、メロディの美しさ、時に親しみやすく(地下鉄で一目ぼれの曲とか)時にシリアスな(紛争に参加したときに作った曲とか)は、新人としては今年最大のヒットを飛ばしているのも納得。なにやら軍人さんの家系で、父親は大佐で、本人も将校だったという異色の経歴も印象的。ジェイソン・ムラーズとか、ダニエル・べディングフィールドとか、ジョン・メイヤーとかのSSWファンとしてはこういう新人さんの登場は嬉しいものです。日本盤の発売予定は当分なさそうなので、輸入盤でしか手に入らないですけれど、割とオススメできるアーティストさんです。

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