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2005年7月29日 (金)

「エレンディラ」 ガルシア・マルケス

「エレンディラ」 ガルシア・マルケス ちくま文庫

スペイン語文学の最高峰と言われるノベール賞作家さんの短編集。この人の作品は「予告された殺人の記録」に続いて2冊目。前作はかなり面白かったので、結構期待してました。「族長の秋」とか「百年の孤独」とかも読んでみたいですねー。

この作品集は6つの短編と1つの中篇からなっていて、6つの短編は「大人のための残酷な童話」と名づけられいて、ちょっとブラックなネタのお話になっています。ルポ色の強かった「予告された~」とは打って変わって、民話をベースにしたような語り口調で、この作家さんの持つ底力を感じました。中篇の作品も含めて、特に印象に残ったのは、空から降りてきた翼を持った男をめぐって大騒ぎになるお話と、ステキな水死体をめぐって妄想を膨らませる女性のお話。民話チックな雰囲気と、牧歌的な人物の様子とかが相乗効果をなして、とても面白いお話でした。中篇のお話は、エレンディラという少女と、彼女を売春婦として働かせる祖母との物語で、冒険もロマンスもつまった一大スペクタルでした。作品集全体の空気は「幻想的」っていうのが一番合う形容詞かな。

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