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2005年7月 9日 (土)

来日公演「プロデューサーズ」

ミュージカル来日公演「プロデューサーズ」@厚生年金会館

土曜日に体調が悪いのをおしてミュージカルを見てきました。チケット買ったのは昨年12月(チケットの売り出し開始日に購入!)でして、この半年以上何よりもこのイベントを心待ちにしていました。勝手に2枚チケットを買って、勝手に自分に都合の良い日にちを選んだにも関わらず、予習までして一緒に参加してくれたTくん、自分から誘いながら体調崩してて。ごめんなさいでした。でも、客席前部のオケピに指揮者さんが登場して前奏を始めた瞬間に体調の悪いのはどこへやらでした。余談ですけど、オケピをちゃんと使うミュージカルってなかなかないですよね。指揮者さんが挨拶してスタートするのはさながら映画「ムーランルージュ」の冒頭のようなワクワク感がありました。でも会場の音響がイマイチでせっかくの生オケ、生歌なのにちょいともったいない感じがしました。

この作品、ミュージカル版アカデミー賞とも言えるトニー賞で、新作ミュージカルが受賞できる12部門全てを史上初めて独占したという大作。ミュージカルのプロデューサーが主人公で、興行的に大失敗に終わってしまった作品を作ると、スポンサーにバックしなくてもよくなって、結果的に黒字になることもあるらしいことを発見した会計士と2人で、「絶対にヒットしないミュージカル」を作ることで大儲けしようと企てるというお話。

2人は最低の脚本、演出家、役者を集めて作品を作るのだけど、それが「最低」なだけあって、どれも強烈キャラ。脚本は、ドイツを心から愛するネオナチ脚本家による、「ヒトラーの春」というヒトラーを礼賛しまくる作品。演出は、強烈キャラのゲイの演出家とそのチーム(各種ゲイが揃ってる)による、SMテイストのゲイ風味。役者は、スウェーデン出身の英語が下手な爆裂ブロンド娘。そして、スポンサーは下ネタ全開の欲求不満の老婆達(老婆の園みたいなところで、空中ブランコしたりしてる)。主役の2人がお世辞を駆使して、彼らの協力を得てミュージカルを製作、そしていざ開幕してみると・・・。

徹底したコメディで、終始笑いが絶えない舞台でした。英語の言葉遊びが基になってたり、欧米の社会・文化的な常識が基になってる笑いも多くて、そういう部分はやはりそこまで笑いは起こらないのですけど、そうではない笑いのクオリティがとても高くて、国境を越えて笑える場面が多いのさすがは12部門です。ひたすら強烈キャラが登場したり、妙な妄想を繰り広げたりで、まるでバラエティ番組のコントを見ているような感じさえするミュージカル。舞台上の細かなところまでしっかりと小ネタがしこまれてて、とても楽しい作品でした。まぁ、下ネタ率も結構高いし(←こんなミュージカル初めて)、ネオナチとかゲイとか老人とか、スウェーデンやアイルランドなどの諸外国とかをコメディにするという点では様々な団体からクレームがきそうな内容ではあるんですけど、風刺がきいてるとも言うことができるわけで、なかなか奥の深い作品でした。

でも、コメディ演劇として見た時には確かに無茶苦茶面白いんですけど、ミュージカルとしてはどうかと聞かれると難しいですね。まず突出したミュージカルナンバーがないんですね。どの曲も確かに良いんですけど、テーマソング的なインパクトを持つ曲がないんです。オープニングナンバーに至っては、「このミュージカルって面白いの?」と疑問に感じるような微妙ささえ感じました。あと、派手なダンスシーンは確かにいくつかあって、老婆たちが老人用歩行器でアクロバティックに踊りまわるとことか、劇中劇の「ヒトラーの春」とかは確かに印象的なんですけど、「キャッツ」なんかと比べるとやっぱり印象に薄いのです。ストーリーも「レミゼ」や「サイゴン」のように感動的な大作ではないし。悪く言えば、ここ!っていう見せ場がイマイチ分からない作品。よく言えば、非常に全体のバランスが取れている作品でした。トニー賞全部門受賞はこのバランスのよさなら納得。でも、他に良い作品があったら、全部門逃していても納得なのかもしれません。

お気に入りのシーンは、会計士が妄想を膨らませてブロンドギャルが事務所のロッカーから登場するとこと、ハトさんたちがかわいいとこと、終盤で主人公が1人芝居でそれまでのストーリーを歌と踊りつきでプレビューする場面。あと、鏡が降りてきてダンスするとこはコーラスラインみたいで綺麗でした。なんだかんだと書いてますけど、本当に本当に楽しくて、会場もスタンディングオベーションで大満足の2時間半でした。

年末に映画化するらしいですけど、舞台ならではっていう笑いや演出が多かったので、それらをどのように調理するのかがとても楽しみ♪

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