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2005年7月16日 (土)

「踏みはずし」 ミシェル・リオ

「踏みはずし」 ミシェル・リオ著 堀江敏幸訳 白水Uブックス

フランスの現代の作家さんの作品を芥川賞作家の仏文学者、堀江氏が翻訳したもの。主人公は殺し屋の男。彼は歴史書を愛読し、非常に理屈屋で、自ら課したルールに徹底して従う完璧主義者。前半は、彼がとある書類をめぐる事件にかかわり、彼の正確を描写する意味もあって、その完璧なまでの仕事っぷりを描き、後半は、彼がとある田舎町で出会う母娘との関係を描く作品。タイトルの「踏みはずし」とは、彼が読む歴史書に登場する言葉で、その意味は作品の最後で明らかにされる。

堀江さんの小説が好きなので、その翻訳した小説とはどんな感じなのかなぁと思って読んでみました。うん、自分で作品書くのと翻訳するのとは、違う能力なんですかね。自身の作品の方が読みやすい気がしました。この作品、前半部分がちょっと退屈な印象だったんですけど、後半に入ってからは割りと面白くて、最後まで一気に読んでしまいました。読後感は、可もなく不可もなくといったところ。一見、ハードボイルド系の作品と見せかけて、哲学的な内容だったりするのがなかなか面白いです。フランス人の描く殺し屋って、独特のキャラクター設定がなされることが多いんですかね。単にハードボイルドなキャラでは終わらないものを持っていることが多い気がします。って、他には「レオン」しか知らないんだけど。ラブシーンの濃厚さに仏っぽさを感じたものの、全体的には、あっさりした作品かもしれません。サスペンス風に全体のストーリーだけを取り出して映像化することはできそうだけど、この哲学っぽい空気は映像では表現しきれないだろうなぁという作品で、小説ならではの面白さのある本でした。

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