映画「イルマーレ」
「イルマーレ」 2001年 韓国
以前から気になっていた作品です。主演は「猟奇的な彼女」の「彼女」役のチョン・ジヒョン。「猟奇的~」とは打って変わって、非常に物静かな女性を演じています。
1999年、声優をしている主人公の女性は、失恋し、それまで住んでいた海辺の一軒家から引っ越していきます。そして、その際に、次の住人にむけて、自分宛の郵便が届いたら転送してほしいという手紙をポストの中に残します。ところが、この手紙を受け取ったのは、2年前の1997年に同じ家に住む青年。どうやらその家のポストの中が2つの時間をつないでいるようで、2人は2年間という時間を越えて文通を始める。という物語。
とても映像の綺麗な映画でした。どの場面をとっても絵になるようなシーンの連続です。時間を越えた文通というファンタスティックな要素に合わせるかのように、幻想的な雰囲気がただよう風景描写や、色々と工夫した角度から撮影される映像など、物語の空気を最大限に表現しているよう感じました。物語も静かで、とても綺麗に展開してました。特に、時間を越えて2人がお互いを感じあいながら散歩するシーンとか、もはやお決まりのパターンかもしれないけれどとてもステキでした。個人的にはこの映画はかなり好きです。100点満点だったら90点くらい挙げてもいいかもしれません。最後の1分を抜かしたら・・・。
この最後の1分がなければ、傑作として記憶にとどめられたに違いないのだけれど、わずか1分で、すべてを台無しにされた気分です。この1分はおまけだととらえても、受け入れがたいですよ・・・。(以下ネタバレのため、反転させてね)ハッピーエンドにこだわる必要など全くないですよね。一万歩くらいゆずって、歴史が変わったとしても、彼の登場は、引っ越していく時点ではなくて、あのポストの前で泣き崩れる彼女の前がベストだろうに。(ネタバレ終了)というわけで、ラスト1分のせいで全ての感動がガタガタに崩れたわけです。それ以外は本当に本当に良い映画なので、オススメですよ。
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