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2005年9月 6日 (火)

映画「80デイズ」

「80デイズ」 2004年 アメリカ

ヴェルヌの小説「80日間世界一周」の映画化です。イギリスの富豪が80日間で世界一周をすることが可能かどうかという賭けに勝つため、全財産を投じて自ら世界一周を実行するというお話。世界各地で様々な風土や文化に出会って、それらに関心しつつも、色々な事件が起こってタイムリミットも迫ってハラハラドキドキというかなり面白い話です。自分は子供のときに児童向けの名作シリーズで読んだだけですけど・・・。

この作品は50年ほど前に一度映画化されてて、そちらはアカデミー賞作品賞を受賞してる傑作映画(メインテーマの曲も誰もが聞いたことある曲だし)。自分はかなり昔に見たのだけれど記憶はうる覚えだったり。さて、そんな名作を簡単にリメイクしても、前作には到底及ばないと判断したのか、ものすごいアレンジが加えられた作品に仕上がっています。

いきなり原作と違うのは主人公が中国人というところ。主演はジャッキー・チェンですからね。そもそも、ジャッキー主演で80日間世界一周を撮ろうというコンセプトに驚きです。原作で、大富豪の付き人の役割になっているフランス人をジャッキーが演じてます。で、彼が中国人なのにもちゃんと理由をつけていて、祖国の村から奪われた翡翠の像を取り返すためにイギリスに来ていたジャッキーが警察に追われつつも、80日間の世界一周の旅に出る発明家(←ここも原作と違う)の付き人になることで、自分の祖国の村まで帰ろうとするストーリーになっています。

もはや原作と同じなのは80日間で世界を一周するという部分だけなのではというくらいの勢いでかなりアレンジされているんですけど、ロンドン、パリ、ドイツ、トルコ、インド、中国、アメリカと各地を舞台にジャッキーがカンフー・アクションを炸裂するというなかなかそれはそれで面白い展開でした。何気にカメオ出演が多くて、某州知事のシュワさんとか、香港映画で多くのジャッキー映画に共演していたサモ・ハンさんとか出てきます。サモ・ハンさんの部分は「酔拳」などのかつてのジャッキー映画のパロディにもなってて、かなり良いです。うちの兄が結構ジャッキー映画のファンだったので、小学、中学生くらいのときは、かなり彼の出演作品を見てただけに、この共演はかなり嬉しかったですね。どうせなら、ユン・ピョウとかも出てくれればよかったのになぁ。

さて、この映画、製作がディズニーということもあって、全体的に子供向けテイストも強いのですが(まぁ、相当お子様向けの作りではあるのですが)、先のサモ・ハンの出演ネタといい、大人向けの笑いも結構沢山用意されてます。シュワさんが、「州知事が云々」と言ったり、「女の部下になるとは男としてなんたることか」みたいに言うイギリス人の背後にビクトリア女王の絵がかかっていたりと、おおよそお子様には理解しがたいジョークも多数でした。物語そのものは、本当に爽快なアクション・コメディに仕上がっていて、もはや「80日間世界一周」なのかどうかは謎なものの、近年まれに見る、家族で思いっきり楽しめる大作映画であるように感じました。メインテーマは勇気・友情・努力・愛といったところでしょうかね。各地でしゃべる言葉全部英語なのではなくて、それぞれちゃんと現地語だったのも好感度高し。

あともう一点、とても気に入ったのが、各地域から地域へと移動する際に出てくるCGアニメ。ディズニー製作なだけあって、このアニメが本当に美しいのですよ。映画館で見たらもっとよかったんだろうなぁと感じさせる完成度でした。この映像も含め、ディズニーとジャッキーが世界中の子供達に夢と希望とワクワク感を届けようとする気持ちで溢れた映画。大人には多少退屈なシーンがあるかもしれないけれど、溢れんばかりの子供達への愛に包まれた名作ではないでしょうか。

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