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2005年9月 2日 (金)

映画「サンセット大通り」

「サンセット大通り」 1950年 アメリカ

たまには往年の名作も見てみようかなと思い視聴。監督は「麗しのサブリナ」「アパートの鍵貸します」などの巨匠ビリー・ワイルダー。見たことがなかったら、見ないと損をすると言いたいくらいによくできた名作でした。

ハリウッドの夢も破れ、借金取りに追われている売れない脚本家が主人公。物語は彼が大邸宅のプールで溺死しているところから始まり、死体が事件の顛末を語るというスタイルをとる。借金取りに追われる主人公はふと大きな古びた屋敷に迷い込む。そこにはかつてサイレント時代の銀幕のスター女優であった老婆が暮らしていて、彼女は、主人公に、自分を主役に据えた「サロメ」の脚本を仕上げるように依頼するのだが・・・。

もはや皆から忘れ去られている往年のスター女優が30年前の自分を忘れられず、過去の栄光にすがりつく様子を描く映画なのですが、これがまた、無茶苦茶面白い!!!!完全に画面に釘付けの2時間弱でした。白黒映画とはいえ、今の時代になっても全く色あせてない作品で、むしろ、今の映画界ではこういう作品は作られないのかもなぁという種類の作品でした。

この映画、何がすごいかと言うと、過去の栄光にすがる女優を演じているグロリア・スワンソンの演技。メイキングによると、彼女は実際にサイレント時代のスターで、この映画は20年ぶりのオファーだったらしく、それだけに、迫真の演技だったりするわけです。「used to be a star」と言われ、「I am a star」と答える問答など鳥肌もの。さらに、映画の中で、元映画監督で現在は彼女の執事をしているという男が出てくるのだが、この男も実際に映画監督で、スワンソン主演の作品を監督したことがあるとか。さらにさらに、大女優さんが仕事を依頼するかつての仕事仲間の映画監督さんはなんと実名で本人が自身を演じるし、彼女の元に集う往年の銀幕スターたち(映画の中では蝋人形と形容される)はバスター・キートンらが本人の役で出演しているのです。

つまりこの映画、フィクションでありつつも、出演者たちと演じている役柄のオーバーラップっぷりが激しく、それだけに、それぞれが非常にリアルな演技を見せてくれるわけです。とりわけ、ラストシーンの、大女優さんの演技は本当に画面に釘付け。テレビの画面ですらゾゾゾッ鳥肌が立つ怪演なのだけど、これを映画館のスクリーンで見た当時の観客達は、相当のインパクトがあったのではないでしょうか。ここを見るだけでも価値のある2時間で、本当に本当によくできた名作だと思いました。

この映画を見ていて、ブラックジャックの中に似たような話があったなぁと思い、本棚でチェックしたところ、やはりありました。しかも主人公の女優さんの名前はスワンソンさん。手塚氏はこの映画をベースにして書いていたんですね。あと、過去の栄光にすがりつくというつながりでは「永遠のマリア・カラス」も同様のジャンルに入る作品ですよね。こちらもとてもよくできた映画でした。

移り変わりの激しい映画界、一度スターの栄光を手にするとその後の人生は何を求めて生きていけば良いのか。そして、誰もが自分の利益を求めて、八方美人に接するというハリウッド映画界の裏側をするどく描くという点でもとても興味深い作品。映画界全体を敵に回すような内容ともとれるとかで、アカデミー賞を逃したらしいですね(byメイキング←かなり充実してて面白かった。)。ちなみにこの映画、90年代にミュージカル化されてヒットしてます。果たしてどんな感じなのか全く想像がつきませんけど、そちらもちょっと気になるところです。

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