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2005年12月29日 (木)

「インストール」 綿矢りさ

「インストール」 綿矢りさ 河出文庫

「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞して話題になった綿矢りさのデビュー作。

登校拒否になった高校生の少女が主人公。親に内緒で学校を休み、昼間の時間をもてあそんでいた彼女は、ふとしたきっかけで知り合った小学生の少年に誘われて、彼と一緒にとあるバイトを始める。それは、風俗嬢になりすまして、エロチャットを行うというもので・・・。というお話。

最初の数ページがやたらと読みづらくて、いきなり挫折しそうになったものの、途中からは文章にも慣れたのか、ストーリーの軽さもあって、サラサラと読み終えました。最初に感じた読みづらさですが、それは、主人公の独白という形式の物語であるにもかかわらず、主人公が用いる語彙が、作品から受ける主人公のイメージと弱冠離れているように感じたのも理由の1つ。この少女にしては、用いてる語彙があまりに綿矢さん的とでもいいましょうか。きっとこの子はもっと簡単な語彙で独白するんじゃないかというのが僕のイメージでした。物語そのものは、特に印象に残るものでもなくて、「蹴りたい~」のほうが個人的には楽しめましたが、小学生の少年のキャラが印象に残りました。この作品は映画化されていますが、この少年は神木くんのためにあるような役ですよね。

この本には書下ろしの新作が同時収録されていて、そちらは大学生が主人公の物語。どうやら彼女は、自分が置かれている状況をベースにした作品を書く人のようですね。読んで思ったのだけれど、インストール⇒蹴りたい⇒今回の新作と進むにつれて文章が上手くなっているように思います。読ませ方というか。そう思うと、やはり「蹴りたい」の芥川賞は少し早かったのかもしれません。ちなみみに、物語としても今回の新作が一番好き。

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