« 「愛別外猫雑記」 笙野頼子 | トップページ | 「不在の騎士」 イタロ・カルヴィーノ »

2005年12月14日 (水)

RSC来日公演「A Midsummer Night's Dream (夏の夜の夢)」@東京芸術劇場

RSC来日公演「A Midsummer Night's Dream (夏の夜の夢)」@東京芸術劇場

行ってきました!シェイクスピア劇の老舗イギリスのRSC(ロイヤル・シャイクスピア・カンパニー)の来日公演です。英語での公演(字幕なし)なので、この日のために、予習しまくったかいもあって、思う存分に楽しんできました。RSCの舞台は2001年夏のストラトフォードでの「Twelfth Night」以来2度目。本を見ればわかりますが、「夏の夜の夢」はかなり短い劇というイメージがあるものの、上演時間は休憩を挟みつつたっぷりと3時間以上でなかなかの見ごたえでした。ちなみに今日の舞台は皇太子様が見にいらっしゃっていました。

座ってた席は前から4列目のど真ん中。この舞台は結構役者さんたちが座ったり横になったりする場面が多くて、そうすると、同じ目の高さで劇を見ているような状況になるので、なかなかの臨場感を楽しむことができました。舞台全体を見渡すような見方はできなかったけれど、その分、役者さんたちの息遣いまで感じることがきる場所だったので、かなり満足。

今回の舞台で印象に残るのはやはりパックの性格。ボロボロのワークパンツにだらりと片側が垂らしてタンクトップを着ている中年のおっさんでした。しかも、終始ややふてくされ気味の態度。王様がインド少年にご執心になってしまったために、ふてくされつつも、一生懸命気をひこうと頑張っている解釈のようです。やけに人間的なキャラで、どちらかというと客との距離が近い位置にある役どころでした。これまでのイメージだとパックはイタズラな妖精だったけれど、こういうのも良い。あと、以前の十二夜とも比べて見ても、あぁ、パックはフェステなんだなぁと実感できる内容でした。パックを演じた役者さんの絶妙な間の取り方が、また良くて、「だろ?」みたいな感じで観客を舞台に引き込む様子が良かったですねー。最後の台詞のまとめ方も好きでした。(最後のオベロンの歌もなかなか良かったです♪)

舞台美術もなかなか凝っていました。月があったのですが、それが3時間の舞台の間に時間の経過を現すかのようにゆっくりと動いていったりだとか、シンプルな何も無い真っ白の舞台に光をあてることで、役者さんたちの影が大きく背景の真っ白な部分に映り込んだりだとか、「キャッツ」っぽい感じのスクラップでできている妖精の世界(妖精たちの格好もボロボロの作業着系)だとか、森を彷徨うのを3人の妖精さんたちの体で木の枝を表現したりだとか、目を見張るような美しい演出が多い舞台でした。ランプもきれいだった。そして何よりも人形の使い方が面白かったですね。インドの少年の人形は可動式になっていて、それを何人かで動かしているのだけれど、その妙にリアルな動きがちょと怖かったり。あと、バービーっぽい人形を使って妖精を表してたりだとか。

一番笑った場面はなんといっても第5幕。劇中劇が面白すぎでした。映画なんかで見てもこの劇中劇はかなり面白いのだけれど、今日の舞台のはもう抱腹絶倒という表現がぴったしで、会場が一体になって笑いが止まらないような状況。たっぷりと笑わせていただきました。今まで、劇団のまとめ役のクインスは真面目なイメージだったのだけれど、今日でそれが一変。「TRUTH」Tシャツが欲しくなったよ・・・。あと、「壁」が思ってた以上に面白かった♪オイオイみたいな。その点、ライオンさんの印象がちょっと薄かったかもね。劇中劇後にベルガマスク・ダンスを踊ろうという部分があって、映画なんかではカットされているのですが、本を読んだときに、これhが絶対に面白いシーンにできるはずと思っていて、今日の舞台ではまさにその通りに面白いシーンに仕上がっていました。てか、劇を上演する職人さんグループ、面白すぎ。面白いのはボトムだけかと思ってたのに、何気に全員面白かったよ。

主役の4人の恋人たちは印象としてはあまりぱっとしない感じではあったのだけれど(代役だったみたいだし)、熱演でした。でも、ハーミアが本当に背の低い女優さんで、彼女が最初に登場した瞬間から、後半の森の中でのバトルが想像されて、それだけで、ちょっと笑いそうになってしまったり。予習をがんばった分、先の展開を読んで一人でおかしくなってしまう場面も多くて、かなり楽しみましたよー。

本当に楽しむことのできたあっという間の3時間だったのだけれど、個人的には、映画にもなっているエイドリアン・ノーブルの演出の方が好きかも。特に森の場面。あの映画の森は何度見ても感心してしまいますよ。素晴らしすぎます。劇中劇は断然、今日のほうが面白かったですけどねー。まぁ、映画用に編集された舞台と本物とではまた違うんだろうけど。

いやはや、自分の書いた脚本が400年以上後の遠い極東の島国の人々を笑わせているなんてことをシェイクスピアさんは予想してたんですかね。うん、やっぱ、シェイクスピアは良いよ。ますますファンになりました。今度は悲劇も見てみたいな~。あー。「ヴェニスの商人」の映画も見に行かなきゃ。

|

« 「愛別外猫雑記」 笙野頼子 | トップページ | 「不在の騎士」 イタロ・カルヴィーノ »

舞台」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/145222/7626268

この記事へのトラックバック一覧です: RSC来日公演「A Midsummer Night's Dream (夏の夜の夢)」@東京芸術劇場:

« 「愛別外猫雑記」 笙野頼子 | トップページ | 「不在の騎士」 イタロ・カルヴィーノ »