映画「ミリオンダラー・ベイビー」
「ミリオンダラーベイビー」 2004年 アメリカ
今年のアカデミー賞で作品賞を受賞した作品です。主演女優、助演男優、監督も受賞し、最も評価が良かった作品ということでしょうか。うーん、そうかな・・・。
ボクシングの老トレーナー、フランクのもとを31歳のボクサー志願の女性が訪ねてくる。貧しく恵まれない環境で育った彼女はウェイトレスをしながら独学でボクシングをしており、当初は女性お断りと拒んでいたフランクも彼女の熱意に負けて弟子入りを許可する。彼の指導のもとでめきめきとその実力を伸ばした彼女はやがてタイトル戦に挑むのだが・・・、そして、フランクが彼女に与えたリングネーム「モ・クシュラ」の意味とは。彼らを見守るボクシングジムの雑用係をするかつてのフランクの相棒を語り手にして描かれる、静かで熱い大人の物語。
この映画、見る前に持っていたイメージと全く違う内容だったので、後半の展開にはかなり驚かされました。僕が思ってた内容は、女性ボクサーとそのトレーナーのサクセスストーリーみたいなもので、女性版ロッキーのようなものだったのだけれど、実際の作品の本当のテーマは、ボクシングのサクセス・ストーリーなどではなく、後半に現われる急展開以降にありました。とても深く考えさせられるテーマを扱っていて、正解などどこにもないような問題を我々に投げかけてくるような作品でした。最終的に作品でえらばれた答えが正しいのかどうかは誰にも判断できないものですが、やっぱりあれはなぁ・・・と思ってしまいます。自分の価値観をとりあえず横において、映画的にあちらの答えの方が良いかどうかと問われても、自分としてはNOなのかなぁ・・・、多分。そのような状況に置かれたらまた違うのかもしれませんが。人生の最頂点がいつかなんて誰にも分からないし、それを判断するのはやはり一番最後の時なのではないでしょうか。
基本的に、ずーーーーーーっとシリアスな映画で、ちょっと場を和ますような息抜き的な場面もほとんどなく展開する映画で、ラストも決して心地よいものではないので、見終わった後はどよ~んとした雰囲気になってしまいました。主演のイーストウッド、モーガン・フリーマン、ヒラリー・スワンクの絶妙な演技は本当にレベルが高くて、ひきこまれてしまいました。サンドバッグを叩く音、ちょっとした手の動き、視線、画面に映るときのオーラだけでひしひしと様々な感情が伝わってくる作品。しかし、あまりにも落ち込んでしまう作品。たとえ、これが最高級のラブストーリーなのだとしても、やはり自分はこういうのは苦手かも。
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