映画「ボクと空と麦畑」
「ボクと空と麦畑」1999年 イギリス
バイト先で一緒の某君が注文してDVDを取り寄せていて、以前から気になっていたものの未見だった作品で、その後、ちょっとした映画トークになって、そのDVDを貸してもらいました。見てないだろうけど、サンキューです。
舞台は1970年代のグラスゴー郊外の労働者階級の人々が暮らす街。ゴミ収集のストのために、街中にゴミが溢れ、ネズミが大量発生、街を流れるどぶ川では悲しい事故も起こり、低所得層の人々が暮らすこの地区は常に町全体がどんよりとした様子。この環境の中、主人公の少年は、ショッキングな事件に遭遇し、さらには、町の悪ガキ連中との退屈な日々、貧しい家庭と追い詰められて行き、自分の居場所を必死になって探す。そして、出会うのが悪ガキ連中にいじめられている少女だったり、偶然乗ったバスで行き着いた広大な麦畑だったりして・・・というお話。はっきり言いますと、最後の最後まで見ていて鬱になるエピうソードの連続。結末も極めて後味が悪いです。この爽やかな邦題を見ると、追い詰められた少年が麦畑で夢を見て救われるのかなぁなんて思ってしまうのですが、全然そんな映画ではありません。
この映画を見ていて思い出したのが、ケン・ローチ監督の「Sweet Sixteen」と「ケス」の2作品。とりわけ、全体の雰囲気は「ケス」と非常によく似ているのではないでしょうか。そうなると、この映画の目指す表現は40年前にすでに確立されていたということになり、そして、より完成度が高いということで、改めて「ケス」という作品が非常に優れていることを痛感せざるを得ないというのが正直な感想です。おそらく、この監督さんはそうとうケン・ローチを意識しているのは間違いないのではないかと。
ちなみにこの作品、始まるや否や、いきなりすごい勢いで裏切られます。これにはさすがにやられました・・・。DVDの表紙の写真とか見れば分かることなんですけど、それでも、やっぱり、ねぇ。
イギリスの労働者階級を描く作品というのは、60年代の「土曜の夜と日曜の朝」や「ケス」からはじまって、90年代の「フルモンティ」や「リトルダンサー」、「トレインスポッティング」まで、本当に様々な作品があるので、見比べていくとなかなか面白いのでオススメですよ!というのが、学部のときに受講していたいくつかのイギリス系の授業から得たイギリス映画の楽しみ方の1つです。
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