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2006年3月28日 (火)

映画「かもめ食堂」

「かもめ食堂」2006年 日本

小林聡美、片桐はいり、もたいまさこの3人が主演ということで、観る前の期待がかなり大きかった作品です。うん、期待通り、面白かったです。個性派女優たちの競演は気持ちよい。ちなみに邦画を映画館で見たのは「七人のオタク」と「病院へ行こう2」の二本立てを見た以来だと思うので、14年ぶりくらい。

サチエ(小林聡美)はフィンランドで日本料理を出す「かもめ食堂」をオープンするが、なかなか客が入らず、第1号の客も日本かぶれのちょっとオタク系の青年という始末。そんなあるとき、立ち寄った書店で、何らかの理由を抱えて、日本を離れてやってきたミドリ(片桐はいり)と出会い、滞在期間を決めていないという彼女に自分の家で泊まっていかないかと提案する。やがて、ミドリも店を手伝うようになり、そして、そこに空港の乗り継ぎで荷物を失くされた女性マサコ(もたいまさこ)が現われ、店に通うようになる。「かもめ食堂」に集う人々を、これでもかというくらいに美味しそうな食べ物と一緒に静かなトーンで、ユーモアをたっぷり織り交ぜて描く作品。面白いと思ったのは主人公達の過去が一切語られず、彼女らが何故フィンランドにやってきたかは謎のまま。しかしこの作品では、その「多くを語らない」ことがまた良い雰囲気を作ってました。この辺は「深呼吸の必要」とかに似てますね。

「間」がとても素晴らしい映画でした。主演3女優さん達の力量によるところが多いとは思うんだけれど、とにかく全ての間が良い。それが上手いので、「クスリ」と笑ってしまう場面はどれも成功しています。マサコさんがレストランにくるシーン&トンミ・ヒルトネンは「クスリ」どころの騒ぎじゃなかったけど・・・。ゆるーい感じのユーモアをたっぷりと織り交ぜつつ、しっかりと真面目な場面も描いて、そういう緩急のつけ方も心地よい作品です。

あとは北欧の空気の伝え方もとても良いですね。景色とか空の映しかたがとても気持ちよい。ここまで上手いと「フィンランド」という場所を舞台にしたのも納得させられてしまうくらいです。北欧の素晴らしいデザインがいたるところに使われていて、シンプルながらもかなりオシャレな食堂で出される和食の定食もオシャレな皿でサーブされていて、それがまた良いです。とにかく食べ物がおいしそうでした☆

さて、この映画、色々と粋な演出やデザインが多いのは本編だけではありません。劇場で販売されているパンフレットが本当に素晴らしい内容です!まず、カバンの形をした表紙がついていて、タグが結び付けられている外見だけでもかなりポイントが高いのだけれど、中を見てみると、掲載されている写真が映画をベースにした写真集とでもいえるようなくらいにクオリティの高いものばかり。映画のシーンではないイメージフォトみたいなのも載ってるし。映画の内容に関する解説なんかよりも、写真のスペースにかなり力を入れていて、映画の雰囲気がよく伝わってくるパンフでした。見に行った人は是非買うべし!

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