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2006年3月 5日 (日)

「永遠の出口」 森絵都

「永遠の出口」 森絵都 集英社文庫

少し前に読み終わったのですが、レビューが遅れてしまいました。

千葉県の国鉄駅まで自転車で40分ほどかかる郊外の町に暮らす少女が10歳の誕生日を迎えてから、高校を卒業するまでの10代の日々を描いた連作短編集です。「博士の愛した数式」が1位となった本屋大賞で4位になった作品ですが、個人的にはこちらの作品のほうが好きかも。

友達とのお誕生日会をめぐる小学4年生の頃のエピソード、友達と千葉まで遊びに行く小6、親との衝突をきっかけに軽い非行に走りそうになる中学時代、初めてバイトした高1、初めてのデートをした高2などなど、それぞれの年代で、主人公が経験することを、彼女の心情と家族や友人との関係を丁寧に丁寧に描く作品。男性である自分でさえ、彼女の視点を通してその世界にどっぷりとつかれたので、女性読者の場合はかなり共感する場面も多いのではないでしょうか。子供なんだけど、子供なりに一生懸命頑張ってて、友人達の気持ちも分かるけど、自分はそれを受け入れられなくて、親がなんとなくうっとうしくて、でも人生に対してまだまだ臆病でという10代の心情がこれでもかというくらいにひしひしと伝わってくる作品で、現代の青春小説としては傑出した作品ではないでしょうか。

とにかくとても爽やかな読後感で、彼女の人生をいつまでも見守っていたいと思わせるような作品です。うん、この作品、かなり好きです。

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