« 2006年4月 | トップページ | 2006年6月 »

2006年5月

2006年5月30日 (火)

2006年4月、5月に聞いたCDから

3月にもやったので、微妙にシリーズ化。

①FEEDER 「THE SINGLES」

FEEDER、結構好きなんです。べ-スが日本人ってのも親近感あるし。以前彼がトップランナーに出たときも、しっかりチェックしましたよ。

で、発売が延期しまくりましたが、ようやく発売になりました。シングル集なんですけど、新曲を含む全20曲を収録。そして、期間限定でついてくるDVDには、全26曲分のPVを収録しています。これで3000円未満はサービス精神良すぎ。他のアーティストさんにも見習って欲しいものです。

曲はベストということで、ほとんどが聞いたことあるものばかりなんですけど、やはり彼らは、悲しい過去を乗越えて今に至っているので、10年にわたる歴代の曲を聴いていくとなかなか感慨深いものがあります。途中で劇的な変化があったイメージだけれど、改めて並べて聞いてみると、意外とそうでもないですね。

②Mummypowder 「Consternation! Uproar! 」

北欧のバンドの日本デビュー盤。どうやらこれは3rdらしい。非常に聞きやすい&UKっぽさがある音です。切ない曲からポップな曲、パワーを感じる曲と色々とそつなくこなしてる印象。ずば抜けて良いってわけでもないけれど、BGM的にかけてて、なんとなくほっとする感じ、僕は結構好きです。

③Suemitsu & The Suemituh 「Man Here Plays Mean Piano」

和製ピアノロッカーのメジャーデビュー作。彼は、モッシュピット・オン・ディズニーにも参加してました。そこでは、数あるディズニー曲の中で僕が一番好きな「Part of your world」をカバーしてたのが印象深いです。

さて、ポップな曲作りも、激しいピアノっぷりもやや雑さは感じるものの期待以上に良いのですが、ただ1点、歌詞が全て英語というのはいかがなものかと。発音が気になるんです・・・。それが弊害になるくらいに気になってしまいます。ボーナストラックになってる日本語詞の2曲は本当に好きなので、今後は日本語詞も増やしてもらいたいなぁなんて思ってみたり。あとは、BenFoldsみたいに、ピアノの緩急をもっと感じさせてくれたら良いんですけどね。

うーん、和製ピアノ弾きだったらakeboshiの方が上かもね。

④Maximilian Hecker 「Lady Sleep」

全然新譜とかじゃないのですが、最近知ったドイツのシンガーソングライターです。昨年、Thirteen Sensesにはまってしまった僕にとってはドンピシャリでツボを直撃する音。繊細な声、ちょっとメランコリーな感じの美しいメロディ、きらりと光るピアノなど。うん、なんだか、とても良いぞ。輸入盤しか出てませんけど・・・。

ほかには3月の末に出たHoliday with Mggieの新譜もなかなか良かったですよー。明るい感じのギターポップが好きなら聞いてみてください。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2006年5月27日 (土)

映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」

「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」 1998年 ドイツ

傑作との呼び声が高い作品をついに観ました。うん、確かにこれは素晴らしい作品です。まだ見てない人は是非是非見てください!!本当にオススメです。

病院の健康診断で同じ日に、余命幾ばくもないと宣告されたマーチンとルディの2人が主人公。病室で見つけたテキーラを飲んでいた2人のふとした会話から物語は動き出す。「海を見たことがないんだ」、「天国で流行ってることを?海を話題にすることだ。だがお前は会話に加われない」。酒に酔った勢いで2人は病院の駐車場から1台の車を盗んで海を目指して走り出す。しかしその車は大金が積まれたギャングのものだった。人生最後の願いをかなえるために、強盗などを犯しつつ海を目指す2人と、彼らを追う警察と車の持ち主である間抜けなギャングたちを描く、クライムロードムービー。

この映画はズルイ。ただひたすらにズルイ。この設定を思いついた時点で、この作品が名作になるのは決まっています。ちょっととぼけたギャング達、追われながらもマイペースな主人公達などのノホホンとしたやりとりが非常に心地よい作品です。そして、最初から予見できるラストシーンの屈託のない美しさ。おだやかな太平洋ではない、荒れる北の海というのがまた良いじゃないですか。

この作品は、素晴らしいファンタジーです。どんなに激しい銃撃戦があっても、誰一人として人は死にません。全編にわたって溢れんばかりの優しさに満ち溢れた作品でした。もしかしたら、これは死を目前にした主人公達の夢の物語なのかもしれません。どこか既視感のあるエピソードの数々も、あり得ないくらい主人公達に優位なストーリー展開もそのように解釈すれば全てつじつまが合います。この点に関しては色々な見方があるところだと思います。恐らく、夢とかそういう設定ではないと思いますし。そういう点も含めて、ファンタジーだと思いました。しかし、どのように解釈されようとも、この作品の持つ圧倒的なまでの暖かさと優しさ、そして、浪漫は観るものをつかんではなさないのではないでしょうか。

天国にて彼らが、「俺達、すげぇ海を見たんだぜ!」と自慢げに語る姿を想像させる素晴らしいラストがとても印象的な作品でした。悲しいラストなのに、とてもとても喜びに満ち溢れたラスト。この感じだと今年のベスト映画もまたまたドイツ映画になってしまいそうだぞ!!

*ここ数年のベスト映画。

2002年「es」(その年に公開された作品部門)

2004年「点子ちゃんとアントン」(過去に公開された作品部門)

(ちなみに、その年部門は「ラブ・アクチュアリー」)

2005年「ヒトラー」(その年部門)&「ビヨンド・サイレンス」(過去部門)

とすっかりドイツ映画ばかりなんです。

さらにちなみに書きますと、2003年は「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」&「シャンドライの恋」とメモされていますね。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2006年5月26日 (金)

「ぐるぐるまわるすべり台」 中村航

「ぐるぐるまわるすべり台」 中村航 文春文庫

「リレキショ」についで文庫化2作目。「蹴りたい背中」と「蛇にピアス」が受賞した近年最も有名な芥川賞のときに一緒に候補作になっていた作品です。受賞は逃しましたが、自分はこの作品のほうが好きですね。黄金比が作り出す永遠の螺旋をすべり落ちていく青春小説。

主人公の小林は大学に退学届けを出し、週3でやっていた塾講師のバイトを週6に増やすことにする。そんなとき、携帯のバンドメンバー募集の掲示板を見て、彼も、そこにメンバー募集の書き込みをする。黄金比が作る内に向かう永遠の螺旋をすべり落ちていくかのように、一人の青年の淡い青春の日々を、バンドメンバーの募集、塾での一人の登校拒否の生徒との交流、そして、ビートルズの名曲「ヘルタースケルター」とともに描いた作品。

とても軽い文体でテンポの良い作品でした。内容もぱっと見は軽いんだけれど、出てくるエピソードに全く無駄がなくて、いまどきの20代の若者の、「なんとなく」でも「何かしたい」というような心情を上手く切り取った作品だったと思います。うん、面白い。

この作品で、特に良いなぁと思ったのは、携帯の掲示板で募集して集まったメンバーが初顔合わせを前にメーリングリスト的に互いにメールでコミニュケーションを取る描写があるんですけど、短いメールの文章だけで、それぞれのキャラクターの個性がはっきりと表現されていて、このやりとりを読むと、なんだか登場人物たちに急に親近感がわいてしまいました。個人的にはドラムのちばくんが良かった。携帯電話のメールをここまで効果的に使った小説を読むのはもしかしたら初めてかもしれません。他にもそれぞれの登場人物たちの描き方がとても暖かくて、なんだか憎めない、ほんわかした中村航ワールドを構築している作品でした。「リレキショ」と比べて、確実に上手くなっているように思います。

<微妙にネタバレのため反転させてどうぞ>ラスト、納得のいく展開ではあるけれど、やっぱり、ちょっと淋しいです。ここでは描かれていないけど、ヨシモクに背中を押されて、そっとスタジオをのぞいたりして、で、皆に見つかっちゃって、「いや~、びっくりしましたよー」なんて言われてる、そんな近い未来があれば良いなぁなんて思いました

ちなみに同時収録の「月に吠える」は、まさにカップリング作。読めば分かります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月24日 (水)

映画「プランケット&マクレーン」

「プランケット&マクレーン」 1998年 イギリス 

製作がゲイリー・オールドマン、主演がロバート・カーライル&ジョニー・リー・ミラー(「トレイン・スポッティング」でも共演)そしてヒロインがリヴ・タイラーで、18世紀イギリスに実在した「紳士強盗」プランケット&マクレーンを脚色を交えつつ描く作品。

舞台は、華やかな社交界とは裏腹に、貧民や罪人などが暮らすドロドロとしたコミュニティも存在する18世紀のロンドン。元薬剤師の強盗プランケットと聖職者の息子でありつつも貧しく紳士に成り損ないのマクレーンが、ひょんなきっかけで出会い、一緒に投獄されることに。そこで、意気投合した2人はプランケットの強盗術とマクレーンのエセ紳士を活用して「紳士強盗」として自由の国アメリカを夢見て2人で社交界の金持ちたちを狙った強盗を繰り返す。しかし、マクレーンが裁判長の姪っ子のレベッカに恋をしてしまい、順調だった2人の活動に暗雲が・・・。という物語。

自分は、かつて、大学の授業でイギリス研究の授業で、テーマを自由に選べるのを良いことに、1時間半にわたって「19世紀ロンドンの闇」という趣味以外の何者でもないような内容のプレゼンをしたことがあるくらいに、光と闇を合わせもった帝国主義時代のロンドンが好きだったりします。実在のプランケット&マクレーンももちろん知ってました。で、最近その映画があることを知って、これは是非見なくては!と思った次第。もうニューゲート・プリズンとか、処刑場とか出てくると、おー、出たー!って感じでした。イギリスの歴史を扱った映画でも、この時代のものは華やかな部分を扱ったものがほとんどで(むしろ、そういうほうが好きですが)、こういう闇の歴史を描いている作品は少ないですからねー。未見ですが、ジャック・ザ・リッパーを扱った「フロム・ヘル」もかなり気になってます。

で、扱ってる時代背景とか、舞台とかは大満足だったんですけど、西部劇in18世紀ロンドンのような作りをしている作品で、音楽もロックを主体にしてたり、映像も面白かったりして、色々と意欲作なのはバシバシと伝わってくるんですけど、何かパンチに欠ける作品でした。全然違うんですけど、似たような感じの作品だったら「ロック・ユー!」(←この映画は邦題がどうも気に食わないのだけれどね)のほうが数倍面白いと思います。真ん中あたりからは、ちょっと回復するんだけれど、どうもテンポが良くないんです。こういう映画だったらもっとルパンみたいな感じで楽しくサクサク作って欲しかったですねー。

しかし、この映画に出演しているロバート・カーライルは、今まで見たどの彼よりもかっこよかったと思います。ファンの人だったら彼を見るためだけに見てもいいんじゃないかというくらいに、とても役にはまっていました。それだけに、全体的におしい映画だなぁというのが感想。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月23日 (火)

「ビート・キッズⅡ」 風野潮

「ビート・キッズⅡ」 風野潮 講談社文庫

先日読んだ、「ビート・キッズ」の続編です。前作は中学生のブラスバンド小説でしたが、今作では高校に進学した主人公が、ブラスバンドで鍛えたドラムを生かして、ロックバンドを始めます。

主人公の高校生エイジは、抜群のリズム感を持っていて、友達と組んだバンドでドラムを担当している。ある日、バンド仲間で集まっていると、突如、そこで、ヴィジュアル系バンドのゲリラライブが始まる。彼らはかなりの聴衆を集めていたのだが、その演奏が気に入らなかった主人公達は、ホンモノのロックを聞かせてやろうと、突如、ライブジャックを行う。後日、このヴィジュアル系バンドの連中が彼らのものを訪れ、今回の出来事を精算するために、近々行われるバンドコンテストの地区予選で全国大会行きを目指して勝負することになる。時を同じくして、エイジは助っ人ドラマーとしてR&Bバンドに参加する。ロックにかける高校生たちを爽やかに描いた作品です。

うーん、はっきり言ってしまうと、前作の方が抜群に面白かったです。最大の理由は前作の強力キャラ七生がアメリカ留学してるという設定で今回はほとんど登場しないからだと思います。新しく登場する高校でのバンド仲間たちはあまりにもキャラが弱くて、主人公一人で作品を追わなくてはいけなくなってしまいました。しかし、前作の面白さは主人公よりも七生のキャラによるところが大きかったと思うので、今回はどことなくパンチが弱い。そして、主人公の悩みなんかも、それほど深刻に描かれないで、単にバンドに青春をかけた少年のお気楽物語になってしまっているようにも感じました。物語のテンポなどは相変わらず良いだけにもったいない!

ちなみにこの作品は映画化されてて、その際に主人公達のバンドをオーディションで選ばれた現役高校生さんが演じました。で、それが「ハングリーデイズ」らしいです。彼らの存在は知っていたけれど、この作品で出てきたとは全く知りませんでした。映画はどういう感じなんだろうかな・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月21日 (日)

映画「ミート・ザ・ペアレンツ」

「ミート・ザ・ペアレンツ」 2000年 アメリカ

続編も製作されたヒットコメディです。続編のやたらと豪華なキャストが気になって、とりあえず、第1作目を見てみました。

看護士のグレッグは小学校の先生をしている恋人のパムにポロポーズをし、父親の許可を得るために、パムの妹の結婚式に合わせて彼女の実家へ。しかし、飛行機に乗る段階からトラブルが続出、そして、現われる、娘の恋人は皆大嫌いという超頑固オヤジ。緊張しまくりのグレッグは数々の大失態をやらかすし、父親はとんだ秘密を抱えているし、しまいには、パムの元カレまで登場。彼女の実家への初訪問をユーモアたっぷりに描いたコメディ映画。

彼女の実家に行くってのは世の東西を問わずドキドキのイベント、そして、「彼女の父親」という存在も世の東西を問わず娘を溺愛する頑固者ということで、アメリカの映画ながら、極東の島国の我々でも共感できるポイントも多くて、なかなか楽しめるコメディに仕上がっています。特に前半の居心地の悪そうなグレッグがなんとも言えず良いです。父親役を演じるロバート・デニーロはあまり似合わそうな役柄ながら、なかなかの芸達者ぶりを見せてくれています。続編ではここにダスティン・ホフマンが絡むということなので、かなり期待ですね。コメディのネタは意外にも下ネタが少なくて、安心して見られる仕上がり。ただし、後半に進むにつれて、やることなすこと全てが裏目に出てしまって、ただひたすらにグレッグが可愛そうな展開になっていくるので、軽く笑い飛ばすような空気でなくなってしまうのがちょっと残念。

結構楽しくて、続編も見てみたいなぁと思わせるコメディでした。ていうか、これだけ彼女の実家ばかりをクローズアップして、主人公の家族が全く登場しないのだから、最初から、「主人公の実家編」の続編を想定して作った作品かもしれないですね。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2006年5月20日 (土)

映画「ポセイドン」

「ポセイドン」 2006年 アメリカ

6月公開の作品ですが、試写会に行って来ました。国際フォーラムの音響設備が予想以上に素晴らしくて、ドーンと低音が体にぶつかってくる感じなんかが、映画と合っていて、とても臨場感がありました。あと大画面も気持ちよかったです。

パニックの映画で好きなものは何かと聞かれれば、僕は間違いなく、「ポセイドン・アドベンチャー」と「タワーリング・インフェルノ」の2作品をあげます。どちらも30年以上前の映画だけれど、特撮技術が進歩してしまって見せ場が映像メインになってしまっている最近の作品よりも、人間ドラマなんかに重点が置かれているのがやはり面白いです。とりわけ、「ポセイドン・アドベンチャー」なんかは、その後の数多あるパニック映画の大半はこの映画の一部をリサイクルしていると言っても過言ではないくらいに、「パニック映画」の代名詞的な作品だと思っています。主演のジーン・ハックマンもカッコイイですし。そんな映画がなんと、リメイクされることになりました。

豪華客船ポセイドン号は4000人の乗客を乗せての航海中、巨大な波に飲み込まれてしまい、180度ひっくり返されて転覆。新年の年明けカウントダウンパーティーをしていた会場では、船長をはじめとするスタッフたちが、浸水の心配はなく、ここで待っていれば絶対に安全だからと、人々を落ち着かせようとするが、ひっくり返った船を上っていて、船底から地上に出ようと数名の乗客たちが会場を後にする。漏電と火災、そして、迫りくる浸水の恐怖と闘いながら、巨大迷路のような上下逆転した船内を、元ニューヨーク市長&消防士の男とその娘&婚約者、シングルマザーとその息子、病気の弟を尋ねようと密航した女性、ギャンブラーの男など、10人弱の人々がひたすら出口を求めてサバイバルするという物語。

冒頭の10分ほどで、主なキャラクターの紹介から、波にのまれるところまでを一気に見せて、その後は、ただひたすらにアクションの連続。一難去ってまた一難の繰り返しで、全くあきさせることなく、あっという間の100分という、まさにジェットコースター・ムービーでした。でも、本当にそれだけといってしまえばそれだけの映画でもあって、オリジナルで見られた、熱い人間ドラマはほとんど皆無で割とチープなありふれたドラマになっていました。しかし、それでも一気に見せてしまうだけの、緊張感&割と先の読めない展開の連続と、これでもかというくらいに迫力のある映像&サウンドは、まさに21世紀版リメイクといったところでしょうか。映画館で見ることを強く勧めたい映画です。内容はなくても、見ている間は、手に汗握ってること間違いなし。オリジナルにはとうていかなわないけれど、近年のパニック映画の中では文句なしの完成度だと思います。「見せ場」がとても上手い。でも、観た後には何も残りません・・・。ここがオリジナルとの最大のギャップでしょうね。

<以下オリジナル&リメイクのネタバレを含みます>

「ポセイドン・アドベンチャー」といえば、なんと言っても最後の最後で、皆を導いてきた牧師のジーン・ハックマンが自らの命と引き換えに皆を救うという衝撃のラストが印象的な作品。この場面があるからこそ名作中の名作なのだと思っています。そしてこの「牧師」という設定がまたとてもよく生かされていて、良い台詞がところどころに散りばめられた作品でもありました。今回のリメイクも、最後の最後で、父親が自らの命を引き換えに皆を助けますが、自分としては、その後のディーンの場面で、オリジナルにならって彼も死んでしまうものだとばかり思ってみていたので、彼が助かるという展開で、ちょっと拍子抜けしちゃいました。さらに、今回の映画では、各キャラの面白さもオリジナルに負けているように思いました。オリジナルのジーン・ハックマンが演じた牧師のこれぞ「ヒーロー」というインパクトが今回のリメイクにはなくなっていて、単に皆で脱出するだけの映画になっていたのがちょっと残念。あと、この映画で一番の不満。子供があの檻みたいなとこに入っちゃうのはあまりにも不自然だって!!!あの場面だけちょっと冷ちゃいました。しかも、「タイタニック」にも似たようなシーンがあった気が・・・。

そうそう、「オペラ座」のエミー・ロッサムも出演してました。今回は歌声が聞けなくて残念!彼女、「デイ・アフター・トゥモロー」にも出てましたよね。そこまでパニック映画が似合うようにも思えないんですけどねぇ。他の出演者も地味なんだか派手なんだかという感じですが、個人的にはリチャード・ドレイファスが割と好演してたと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月16日 (火)

映画「コーヒー&シガレッツ」

「コーヒー&シガレッツ」2003年 アメリカ

以前からちょっと気になっていた映画です。全編モノクロでオムニバス形式の作品。監督のジム・ジャームッシュが10年以上に亘って撮りためてきた11の短編で、全てに共通するのは(一部登場しないのもあるけど)、タバコとコーヒーと市松模様が登場すること。

タバコの煙の白とコーヒーの黒を生かして撮影されたモノクロの画面がなかなかオシャレな作品でした。どの話も場面転換が全くなくて、コーヒーを飲んでいる小さな空間だけで話が進みます。で、登場する人々の、他愛のない会話を聞くというだけのエピソードばかりなので、特にストーリーがあるわけでもないのだけれど、妙に心にひっかかる作品でした。喫茶店などで、隣の席の人々の会話が気になってついつい盗み聞きしてしまったような感覚の映画で、どのエピソードでも、かみ合ってない会話や、気まずい空気であふれていて、短い中に、登場人物たちの人間性をギュっと凝縮したような内容になっています。

面白かったのは、ケイト・ブランシェットが2役を熱演している「いとこ同士」、1話目のロベルト・ベニーニの「変な出会い」、スティーブン・クーガン&アルフレッド・モリーナの「いとこ同士?」、イギー・ポップとトム・ウェイツの「カリフォルニアのどこかで」(カンヌで賞をとってます)あたり。基本、登場人物たちが自分の名前、自分の役で登場するのも面白いですね。ビル・マーレイが、ビル・マーレイ本人なのにウェイターかよ!みたいなツッコミどころがあるのも面白い。彼はやっぱり面白い。うがいしてる映像もちょっと見たかったかも。

「いとこ同士」はケイト・ブランシェットも素晴らしいのだけれど、ラストのオチがとても秀逸で、結局は相手の掌の上でのできごとだったというのがとても面白かったです。また、タイトルが似ているものの、内容は全然違う「いとこ同士?」も形勢逆転に持っていくラストが面白かったですね。この2作品は一番最後に撮影されたものらしいので、洗練された集大成といったところかもしれません。ちなみに、「いとこ同士?」だけ、紅茶とショートブレッドという組み合わせで、英国好きのノンスモーカーの自分としてはちょっと嬉しいエピソードでした。

この映画にかなりインスパイアされていると思われる「コーヒーもう1杯」(山川直人)という漫画があるのですが、毎回コーヒーが登場するのが共通点という連作短編になっていて、そちらもなかなかオススメです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月15日 (月)

「ビートキッズ」 風野潮

「ビートキッズ」 風野潮 講談社文庫

児童文学の大きな賞を3つ受賞した作品が文庫化。良質の児童文学が文庫化したものは面白いものがほとんどなので、ためらうことなく購入しました。

主人公の英二は転校してきたばかりの中学生。病気がちの母が妊娠しているにもかかわらず、父親は酒にギャンブルに金を使い、夜勤で家を空けていることがほとんど。ある日、彼はブラスバンド部に誘われて、仕方なしにのぞきに行くのだが、そこで、大ダイコをたたいた瞬間に、一気にその魅力に取り付かれてしまう。その吹奏楽部は、楽器店の息子で、様々な楽器を弾きこなし、成績もよく、見栄えも良い、七生という少年がなかば独裁者的に部活を取り仕切っているのだが、七生は英二の抜群のリズム感に目をつけ、やがて2人は親友になるのだが・・・という物語。

孤高の天才が登場する児童文学というと、「バッテリー」を思い出しますが、こちらのほうがもっとポップでドラマチックなストーリーです。ブラスバンド小説という側面だけではなくて、主人公と七生の家庭の問題が大きな核を占めていて、部活を通して知り合った2人の少年が様々な壁にぶつかりながら成長していく姿を描いています。途中のいくつかの展開があまりにあまりにドラマチックすぎて、ちょっと演出過剰な気もしましたが、基本的に、テンポも良いし、とても面白い作品でした。同じブラスバンドものでは、「楽隊のうざぎ」という作品もありますが、「楽隊~」のほうが、正統派で、こちらはもっと現代的な作品というイメージです。どちらも面白いですが。

さて、なかなか面白かったとは言いつつも気になる点も。これは「バッテリー」でも、森絵都作品でも感じたのですが、女性作家が描く中学男子の友情は、あまりにも理想化されすぎているように思います。キラキラと輝く友情と青春の物語なのはいいんですけど、男子中学生ってもっともっとバカでアホな面を沢山持ってます。その辺がちょっとリアリティが感じられないんですよねぇ。

この作品、続編も文庫化されたので、早速読んでみたいと思います。あと、映画化もされてるみたいですね。「ハングリーデイズ」ってこれがデビューだったんだね。今、知りました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月11日 (木)

「イン・ザ・プール」 奥田英朗

「イン・ザ・プール」 奥田英朗 文春文庫

先ごろ第3作目が発表になり、第2作目の「空中ブランコ」が直木賞を受賞したシリーズ第1作目です。賞を受賞する前からちょっと気になっていて、先月文庫化したので、早速読んでみました。

伊良部総合病院の地下にある神経科に訪れる患者達を描く連作短編。様々な症状を持った患者達をかなりクセのある個性派医師の伊良部が出迎え、とても医者とは思えないような対応を繰り返すのだけれど、いつの間にか患者達の心の問題が解決されているという内容です。

最初のほうのエピソードよりも後半のほうが面白いものが多かったように思います。特に携帯依存症の高校生と、脅迫神経症のサラリーマンの話が面白かったですね。第2作目の「空中ブランコ」は直木賞もとっているので、恐らく、もっと洗練されて面白いエピソードが読めるのではないかと思うと、期待は高まりますね。

どのエピソードも徹底してユーモアに溢れた語り口調で、娯楽作品としてとても面白いのだけれど、根の部分では結構直球で真面目なメッセージを投げかけているように思います。伊良部は精神科医とはいえ、ただのエロデブオヤジ(←この設定なので、以前のドラマ化での阿部寛は完全にミスキャストだと思う。)なわけで、結局は、患者達が自分自身と正面から向き合わなければいけないのだけれど、そこをプライドが邪魔して、結果として色々な症状が出てしまう。真面目な人、自分に自身がある人ほどこういう症状はでやすいんだろうなぁと思います。そこを、アホ医者伊良部が見事に解きほぐすところが彼の才能なのだろうなと思います。しかし、これ、さすがに3冊目ともなるとパターン化してしまうのではないかと思うんだけれど、どうなんだろ。また文庫化を待ちつつゆっくりと追っていこうと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月10日 (水)

映画「ヴェラ・ドレイク」

「ヴェラ・ドイレイク」 2005年 イギリス

「秘密と嘘」のマイク・リーが監督で、ベネチアの金獅子賞を受賞した作品。そのネーム・バリューだけで、イギリス好きの血が騒いで見てしまいました。

舞台は1950年代のイギリス。労働者階級の主婦ヴェラは上流家庭での家政婦の仕事をし、家族からも近所の人々からも慕われる女性。最近は娘の婚約話なんかも出るようになり、貧しいながらも暖かく幸せな毎日を過ごしていた。しかし、彼女には一つの秘密が。彼女は、望まない妊娠で困っている女性達のために、その堕胎を手伝っていた。中絶手術は法律で禁止されているが、困っている彼女達を助けてあげたいという一心で、自身は何の報酬も得ることなく、数十年間それを続けていた。しかし、あるとき、彼女が処置した女性の容態が急変し、その事実が明るみに。果たして、彼女の運命は?という物語

マイク・リーの演出の上手さがキラリと光る佳作でした。美男・美女ではない、どこにでもいる市井の人々を描いた作品で、演じている役者さんも演出も全てがあまりにもリアルで自然で、そして、暖かい作品でした。違法行為を行う主人公なのだけれど、心配を隠せない妊婦さんに向けられる、その屈託のない優しい眼差しの美しさは画面から溢れんばかりでした。そして、彼女をとりまく家族や親戚たちも、小さなやりとりしかしていないのに、なぜかひきつけられる演技。ラスト近くでは、ヴェラの夫の愛情の深さがまた胸にしみいるのだけれど、その前の1時間半くらいで描かれるあまりに自然でどこにでもありそうな家庭像があるからこそ、彼女の逮捕が衝撃であり、その夫の愛の深さが強調されるのかなぁなんて感じました。

ちょっと残念だったのは、主人公が何故法をおかして、危険と隣り合わせの中で、この仕事を続けたのかというのが、あまり描かれなかった点。このあたりは先日見た、「マザー・テレサ」なんかもそうだったのだけれど、もっと主人公の過去に迫った場面があってほしかったかなぁと。映画では描かれないけれど、その後の彼女は、きっとそれでもまた、多くの人を救ってあげたいという一心で同じことを繰り返すんじゃないかなぁなんて思います。そのときに、彼女の家族がこれまでどおりかそれ以上に暖かく彼女を迎え入れてくれることを望むばかり。

ところで、主演のイメルダ・スタウトンはアカデミー賞の主演女優賞を逃していますが、「ミリオンダラ・ベイビー」のヒラリー・スワンク(しかも2度目)よりも、この彼女のほうが比べ物にならないくらいの素晴らしい演技をみせていると思うのは自分だけでしょうか・・・。賞が全ての評価ってわけではないけど、うーん、もったいない。

| | コメント (6) | トラックバック (1)

2006年5月 9日 (火)

映画「マザーテレサ」

「マザーテレサ」 2003年 イタリア・イギリス

「ロミオとジュリエット」で有名なオリビア・ハッセーがマザーテレサという大役に挑んだ作品。彼女が映画に出てるのは、ジュリエットしか見たことがないので、そのイメージが強かったんですけど、すっかりオバサマになられていましたね。でも、綺麗でした。

1946年、カルカッタの修道院で教鞭をとっていたマザー・テレサは、貧しいものたちで溢れる街の現状を目の当たりにし、自分は修道院ではなく、カルカッタの街に出て、人々のために働こうと決心する。やがて、院外活動を認められた彼女は、孤児たちに勉強を教え、病気で行き倒れになっている人々を救う施設を作る。彼女の活動に賛同するものも増えていくなか、修道会の規律の中で活動を続けることに限界を感じた彼女は新しい教団を設立。反対者達、スキャンダル事件など様々な困難や問題に直面しながらも、神への強い信仰と、行動力が人々を動かし、やがては、教皇までをも動かす。マザーテレサの激動の半生を描く物語。

うーん、非常にもったいない映画です。オリビア・ハッセーの演技は、ジュリエットのときと変わらずにまっすぐに純粋で、まさに熱演。しかし、彼女の熱演むなしく、脚本と演出があまりにも単調な気がしました。基本的に、「マザーテレサ、何かの行動をする」→「周囲からの反対にあう」、「なんらかの問題が生じて行き詰る」→「誰かが助けてくれる」→「マザーテレサ、神に感謝する」というパターンが2時間の間延々と繰り返されるだけなのです。一つ一つのエピソードは興味深いものが多いのだけれど、本当に、年表のように箇条書きにそれぞれが綴られていくだけという印象を受けました。

さらに気になったのは、この映画では、マザー・テレサという人物の人間性が全く見えてきません。もっと彼女の心情に迫った内容を期待したのですが、どこか人間的ではない聖女のような描き方になっていて、それも残念でした。中年~晩年を描いた作品だったのですが、それよりも、少女時代から描いて、彼女が人々のためへの活動に目覚めるまでを描いたほうが、マザー・テレサという人物に迫った作品になったのではないでしょうか。

しかしながら、厳しい環境の下で、激しい反対と戦いながら、ただ貧しい人々のために生きた彼女の人生は、20世紀という時代にあって、本当に輝いていたのだろうなと改めて実感しました。これだけのことができた人というのは、かなりのカリスマ性やオーラのようなものを持った人だったんだろうなぁと思います。映画を見ていても、自分が正しいと思うことへの情熱の強さや(航空会社のシーンにいたっては割りと衝撃的)、神へのあふれんばかりの深い信仰心、そして、多くの人の心を動かす「何か」を持っていた人であることがありありと伝わってきました。一番印象に残ったエピソードはラストの3ドルの水のエピソードかな。こういう映画見終わると、少しだけ自分の身の回りを見直そうかなという気になります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月 8日 (月)

「変身」 カフカ

「変身」 カフカ 白水uブックス

白水社から出ていたカフカ全集がuブックスで順次刊行されることになりました。80年代以降、新しい資料とともに新解釈が加えられた原典をもとに翻訳するシリーズのようです。「変身」は中1のときに読んだものの、グロいイメージばかりが強烈だったのと(その割にS・キングを愛読してたんですけど・・・)、読んだ翻訳が古い感じだったのとで、子供の自分にはそれほど面白みを感じることができませんでした。その後、何度か読み直そうかなとは思っていたものの、なかなか機会がなかったのですが、今回、uブックスに入るということで、カフカ作品を制覇してみようかなと思っています。

セールスマンのグレーゴル・ザムザが、ある朝、自分が巨大な虫になっていることに気がつく。ザムザ家はグレーゴルの両親と妹との4人暮らしだったが、彼が1人で一家の家計を養っているという状況。彼が虫になってしまったことで、働き手を失った家族は、はたしてどうするのか。そして、はじめは心配していた家族たちも、彼の存在を鬱陶しく感じ始め・・・。という有名な物語。

中学の頃の自分が恥ずかしくなるくらいに、無茶苦茶面白く読むことができました。翻訳も非常に読みやすいのでかなりオススメ。この作品で面白かったのは、「虫になる」という出来事そのものには、登場人物たちがそれほど驚きをみせないというところ。皆さん割とあっさりその事実を受け入れるんですね。しかし、この受け入れがあっさりしているだけに、元に戻る可能性を誰も信じることはなくて、主人公も家族も、すぐにこの事実をクールに受け止めるようになるのが、少し怖いくらいに印象に残りました。

訳者の解説でも少し書かれていたのだけれど、この作品、現代社会において、圧倒的なまでに強いメッセージを投げかけているように思います。読んでいて、途中くらいから感じ始めたのだけれど、「介護問題」、「引きこもり問題」そのものではないですか!虫になるというと、極めて不条理な印象を受けるのだけれど、ここで描かれているできごとそのものは、本当にリアル。そして、途中から読者の目線が家族側に回ること部分がかなり多くなって、ラストの妙にすがすがしい場面がまた、皮肉的とでもいうのか、なんともいえない気分にさせてくれます。このラストだけでなく、ときにユーモアさえ感じさせる表現が作品全体に多く登場して、悲哀に満ちた物語であるはずなのに、非常に楽しんで読めてしまうところもとても印象的でした。何せよ、感じるのは、90年前に20代の作家が書いた作品と思うと、ボキャ貧だけれど、やっぱりカフカはすごいなぁということですね。

ラスト近く、妹のヴァイオリン演奏に心動かされるシーンは、非常に強く胸に迫ってきました。なんとなくメモ。あと、関係ないけど、この本、カフカの略歴の解説もなかなか面白かったです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月 6日 (土)

映画「亀は意外と速く泳ぐ」

「亀は意外と速く泳ぐ」 2005年 日本

映画館で上映しているときから気になっていた作品。リリース直後からずっとレンタル中で、ついに借りることができました。

主人公の主婦スズメは、海外に単身赴任中の夫からはペットの亀のエサやりばかりを気にされ、久々に会う友人には2時間以上も待ちぼうけをくらい、平凡な毎日の中で自分の存在意義を疑問に思う日々を送っていた。ある日、彼女は「スパイ募集」の貼り紙を発見し、単調な毎日から抜け出そうと、そこに連絡をする。某国スパイをサポートするスパイとして活動することになったスズメは、自分がスパイであることを知られないために、「平凡な生活」をしているように振舞わなくてはいけない。今までどおりの生活を続けるだけなのに、どこかしら緊張感のある日々。果てさて、彼女のスパイ活動の行く末は・・・。という物語。全体に小ネタが大量にちりばめられていて、極めてゆる~い空気と笑いに溢れた作品です。

しばらく見ていて、ドラマ「時効警察」の雰囲気と似てるなぁと思ったんですけど、案の定、監督&脚本が、「時効警察」と同じ三木聡でしたね。キャストも被ってるし。音楽担当も同じ人だし。主演の上野樹里は「サマータイムマシン・ブルース」も「スウィング・ガールズ」もコメディで、自分の中では、若手コメディ映画の女王みたいな位置づけになりそうです。もっと演技力を磨いて、壊れていけば、良い女優さんになれるかもしれませんね。他の出演者も皆、いい味を出していて、特にふせえりと岩松了のコンビが最高です。非常に上手いです。彼らの出演シーンは笑いっぱなしです。あと、蒼井優も「タイガー&ドラゴン」のときのような破天荒なキャラを演じていて、なかなか良かったですね。驚いたのは、要潤ですね。彼はかなり頑張ったと思います。(←見れば分かる)

「あずきパンダ」とか、「そこそこラーメン」とか「手羽先」とか妙に後を引くネタが多くて、コメディ映画としてはかなり好きな部類でした。しかも、ラスト、何も感動的ではないはずなのに、なぜか妙に切なくなってしまって、監督さんの術中に見事にやられてしまいました。でも、よくよく考えてみると、この映画、テーマとかそういうのがほとんど伝わってこないし、単なるお気楽ゆるゆるなそこそこ映画な気もします。しかし、それでも自分はかまいません。だって、笑いのツボがよく合うんだもん。1時間半の間中ずっとクスクスできたので、個人的には大満足。ちなみに「そこそこ映画」であるってのは、またこの映画には最大の賛辞ですよ!!

この作品はネタがいたるところにあるので、かなり細かいところまで演出が行き届いているんですけど、タイトルとエンドロールもなかなかナイスアイデアでした。特にタイトルシーンのパラパラ漫画を、小田扉が担当しているのは、小田扉ファンとしては非常に嬉しかったですね~。フェッフェッフェッフェッフェッ~

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月 1日 (月)

映画「Jの悲劇」

「Jの悲劇」 2004年 イギリス

イアン・マキューアンの小説「愛の続き」を映画にした作品です。原作の感想はコチラ

大学の教師をしている主人公があるとき恋人の彫刻家と原っぱでピクニックを楽しんでいると、目の前に気球が墜落してきます。気球の中に取り残された少年を救おうと、その場にいた人々が力を合わせて必死の救助を試みるのだが、最終的に、救助にあたった1人の男が命を落とすことに。主人公が男の死に罪悪感に悩まされていたある日、彼のもとに1本の電話がかかってくる。電話の相手は先の気球事故の際に一緒に救助にあたった男。全くの他人だった彼だが、それ以降、その男が執拗に主人公に付きまとうようになって・・・。という物語。原作と弱冠異なる部分もあるのだけれど、ストーリーなんかは割りとそのまんまでした。

以前原作の感想で、映画化について触れた際に、これを映画化したら、単なるサスペンス映画になってしまうのではないかという危惧を書いたのですが、予感的中、原作にあった面白さが全てカットされて、単なるストーカー映画になっていました。原作では主人公が段々と自分を見失っていく過程がとても上手く表現されているんですけど、この映画は最初から主人公がかなり精神的にやられているという演出がとられていて、カメラワークや音楽なんかが、終始不安定なのです。あと、原作はもっと心理学系の話が割りと色濃く展開されるんですけど、この映画だと本当に単なるストーカーにしか見えないので、かなりチープなストーリーだという印象を受けてしまいます。本当にもったいないです。ていうか、原作ではストーカー男がかなり冒頭で発する台詞を、映画では割と後のほうに持ってきてしまったことから、その部分が物語の核となるネタのようになってしまっているんですけど、決して、そういう主旨の原作ではなかったように思うんですよねぇ。

というわけで、原作を読んでいて、この作品の持つ本当の顔を知っている人が見れば、多少の期待はずれは付きまとうものの、それなりに見れるとは思うんですが、いきなり映画を見た人のほとんどは単なるB級サスペンスだと思うんじゃないでしょうか。そう思った人には是非原作を読んでいただきたいですね。マキューアンは決してB級サスペンスを書くような作家ではないですから!

| | コメント (4) | トラックバック (2)

« 2006年4月 | トップページ | 2006年6月 »