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2006年5月16日 (火)

映画「コーヒー&シガレッツ」

「コーヒー&シガレッツ」2003年 アメリカ

以前からちょっと気になっていた映画です。全編モノクロでオムニバス形式の作品。監督のジム・ジャームッシュが10年以上に亘って撮りためてきた11の短編で、全てに共通するのは(一部登場しないのもあるけど)、タバコとコーヒーと市松模様が登場すること。

タバコの煙の白とコーヒーの黒を生かして撮影されたモノクロの画面がなかなかオシャレな作品でした。どの話も場面転換が全くなくて、コーヒーを飲んでいる小さな空間だけで話が進みます。で、登場する人々の、他愛のない会話を聞くというだけのエピソードばかりなので、特にストーリーがあるわけでもないのだけれど、妙に心にひっかかる作品でした。喫茶店などで、隣の席の人々の会話が気になってついつい盗み聞きしてしまったような感覚の映画で、どのエピソードでも、かみ合ってない会話や、気まずい空気であふれていて、短い中に、登場人物たちの人間性をギュっと凝縮したような内容になっています。

面白かったのは、ケイト・ブランシェットが2役を熱演している「いとこ同士」、1話目のロベルト・ベニーニの「変な出会い」、スティーブン・クーガン&アルフレッド・モリーナの「いとこ同士?」、イギー・ポップとトム・ウェイツの「カリフォルニアのどこかで」(カンヌで賞をとってます)あたり。基本、登場人物たちが自分の名前、自分の役で登場するのも面白いですね。ビル・マーレイが、ビル・マーレイ本人なのにウェイターかよ!みたいなツッコミどころがあるのも面白い。彼はやっぱり面白い。うがいしてる映像もちょっと見たかったかも。

「いとこ同士」はケイト・ブランシェットも素晴らしいのだけれど、ラストのオチがとても秀逸で、結局は相手の掌の上でのできごとだったというのがとても面白かったです。また、タイトルが似ているものの、内容は全然違う「いとこ同士?」も形勢逆転に持っていくラストが面白かったですね。この2作品は一番最後に撮影されたものらしいので、洗練された集大成といったところかもしれません。ちなみに、「いとこ同士?」だけ、紅茶とショートブレッドという組み合わせで、英国好きのノンスモーカーの自分としてはちょっと嬉しいエピソードでした。

この映画にかなりインスパイアされていると思われる「コーヒーもう1杯」(山川直人)という漫画があるのですが、毎回コーヒーが登場するのが共通点という連作短編になっていて、そちらもなかなかオススメです。

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