映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」
「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」 1998年 ドイツ
傑作との呼び声が高い作品をついに観ました。うん、確かにこれは素晴らしい作品です。まだ見てない人は是非是非見てください!!本当にオススメです。
病院の健康診断で同じ日に、余命幾ばくもないと宣告されたマーチンとルディの2人が主人公。病室で見つけたテキーラを飲んでいた2人のふとした会話から物語は動き出す。「海を見たことがないんだ」、「天国で流行ってることを?海を話題にすることだ。だがお前は会話に加われない」。酒に酔った勢いで2人は病院の駐車場から1台の車を盗んで海を目指して走り出す。しかしその車は大金が積まれたギャングのものだった。人生最後の願いをかなえるために、強盗などを犯しつつ海を目指す2人と、彼らを追う警察と車の持ち主である間抜けなギャングたちを描く、クライムロードムービー。
この映画はズルイ。ただひたすらにズルイ。この設定を思いついた時点で、この作品が名作になるのは決まっています。ちょっととぼけたギャング達、追われながらもマイペースな主人公達などのノホホンとしたやりとりが非常に心地よい作品です。そして、最初から予見できるラストシーンの屈託のない美しさ。おだやかな太平洋ではない、荒れる北の海というのがまた良いじゃないですか。
この作品は、素晴らしいファンタジーです。どんなに激しい銃撃戦があっても、誰一人として人は死にません。全編にわたって溢れんばかりの優しさに満ち溢れた作品でした。もしかしたら、これは死を目前にした主人公達の夢の物語なのかもしれません。どこか既視感のあるエピソードの数々も、あり得ないくらい主人公達に優位なストーリー展開もそのように解釈すれば全てつじつまが合います。この点に関しては色々な見方があるところだと思います。恐らく、夢とかそういう設定ではないと思いますし。そういう点も含めて、ファンタジーだと思いました。しかし、どのように解釈されようとも、この作品の持つ圧倒的なまでの暖かさと優しさ、そして、浪漫は観るものをつかんではなさないのではないでしょうか。
天国にて彼らが、「俺達、すげぇ海を見たんだぜ!」と自慢げに語る姿を想像させる素晴らしいラストがとても印象的な作品でした。悲しいラストなのに、とてもとても喜びに満ち溢れたラスト。この感じだと今年のベスト映画もまたまたドイツ映画になってしまいそうだぞ!!
*ここ数年のベスト映画。
2002年「es」(その年に公開された作品部門)
2004年「点子ちゃんとアントン」(過去に公開された作品部門)
(ちなみに、その年部門は「ラブ・アクチュアリー」)
2005年「ヒトラー」(その年部門)&「ビヨンド・サイレンス」(過去部門)
とすっかりドイツ映画ばかりなんです。
さらにちなみに書きますと、2003年は「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」&「シャンドライの恋」とメモされていますね。
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コメント
こんにちは。
今年公開されたハリウッド映画「最高の人生の見つけ方」が
この映画に似ているのですよ。
偶然同じ病室になった男二人が、どちらも余命いくばくもない。
そして二人で病室を抜け出していく…
ね、そっくりでしょう?
その後の展開は違っていくのですけどね。
でも何処にもリメイクとは書いてないので、私は一人で怒っていたのです。
この映画を観たという人も中々いなくて。
ようやく見つけたので、ちょっと違うけどTBさせて頂きますね!
それと、こちらのブログ、ブックマークさせて頂いてもよろしいでしょうか?
投稿: zooey | 2008年10月14日 (火) 16時40分
>zooeyさん
コメントありがとうございます。
「最高の人生の見つけ方」は気になっていたのですが
まだ観ていません。なるほど、ちょっと設定が似ているのですか。
「ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア」、
かなり好きな作品で、DVDを手に入れてこの記事を書いた後も
何度か観てますが、
もはや国内ではDVDが入手困難な状態で、
ドイツ映画ということもあって知名度がイマイチなのが残念です。
この映画、今度日本で「ヘブンズ・ドア」というタイトルで
リメイクされるみたいですよ。
主役の1人を少女に変えて、
TOKIOの長瀬智也と福田麻由子の2人でやるようです。
このリメイク版で、オリジナルも有名になるといいのですが、
正直、リメイクして欲しくないというのが本音かなぁ。
ブックマーク、どうぞしてください。どうもありがとうございます。
こちらからもリンクをはらせていただきますね。
今後ともよろしくお願いします。
投稿: ANDRE | 2008年10月15日 (水) 00時57分