「夏休み」 中村航
「夏休み」 中村航 河出文庫
「ぐるぐるまわるすべり台」に続いてまた中村作品が文庫化したので、早速読んでみました。
主人公の「僕」は、マンションの抽選に当たり、妻のユキと彼女の「ママ」と3人で暮らし始める。ある日、ユキの友人の舞子さんの吉田夫妻の夫が急に家出をしていなくなり、彼を探しにユキと舞子さんも家出を決行。仕事の関係で主人公の僕も遅れて家出をするのだが・・・。という物語。
旅をして、友人と語らって、みんなでゲームしてという「夏休み」を過ごす大人たちの物語。離婚をかけて真剣にゲームで対戦したり、なんとなくゆるーい感じで過ごす大人たちの姿はなかなか心地よかったです。映画「スタンド・バイ・ミー」のような少年達のひと夏の冒険を現代の大人たちが行うといった雰囲気で、なんとも言えないすがすがしさのある夏っぽい作品でした。登場人物たちそれぞれの会話も妙に印象に残るものが多かったです。
でも作品としては、「ぐるぐるまわる~」のほうが好きかな・・・。
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