映画「シムソンズ」
「シムソンズ」 2006年 日本
実はカーリング好きのANDREです。長野オリンピック以来、冬の五輪の最大の楽しみはカーリングを観戦すること。一度見始めると、2時間ほどの長い試合時間も全く気にならないくらいにハマってしまいます。自分でもやってみたい!!とずっと思っているのですが、関東在住の身としては、気軽にはじめられる環境が整っていないため、夢叶わなずの状態。
映画の舞台は北海道の常呂町。主人公の女子高生、伊藤和子は、将来の目標が見つからず、悶々とした日々を過ごしていた。常呂町は町をあげてカーリングを行っていて、ある日、町出身のカーリング選手で、町民の憧れの"真人様"が帰ってきているという情報を得て、町のカーリング場を訪れる。その開場で、真人に「カーリングのチームを作ってみないか?」と声をかけられた和子は、憧れの真人様と一緒にカーリングができると、早速友達を集めて、チームを結成。集めたメンバー3人は和子を含めて全くの素人。みなで練習場に行き、真人が紹介するという最後のメンバーを待っていると、現れたのは、クラスメートの美希。そして、コーチは軽い感じの怪しげな男。こうして、カーリングチーム「シムソンズ」が結成された。彼女達が選手権を目指してがんばる姿を描く青春映画。
シムソンズは実在するチームで、ソルトレーク五輪の日本代表に選ばれたチーム。その後、シムソンズメンバーだった小野寺さんと林さんがトリノでチーム青森として、日本中にカーリングフィーバーを起こしたのは記憶に新しいところです。
カーリングという題材に馴染みの無い人のために、ルールの解説などを、上手くストーリーに取り入れて、予備知識がなくても楽しめるようにしているのはとても好感。そして、カーリングで「最初の1点」をとるまでの、苦労をとても丁寧に描いて、そこから終盤のクライマックスまでを一気に見せるメリハリの良い展開も非常に良かった!あっという間の2時間弱でした。自分がカーリング好きということを引いても、かなりよくできた映画ではないでしょうか。
高校生の青春モノといえば、大ヒット作「ウォーターボーイズ」や「スウィング・ガール」を思い浮かべますが、この映画の特徴は、ただひたすらに「まっすぐ」であることだと思いました。「WB」や「SG」のようにコメディに走りすぎる場面はなく、ただひたすらに、カーリングにハマっていく少女達の姿を描いていました。「WB」の路線が悪いとは言わないけれど、この映画ではこのまっすぐさが心にすっと染み込んできて、主人公達と一緒になって、一喜一憂しながら、成長していく感じを味わえるのは青春映画として、とてもよくできているのではないでしょうか。
個人的に嬉しかったのは、主人公の加藤ローサはちょっと違ったのだけれど、他の3人が、実際のシムソンズのメンバーたちに雰囲気が似ているキャスティングだったこと。特に、林田さんと小野さんの友情を描く場面では、トリノ五輪での小野寺と林の絆を感じさせて、ぐっと胸に迫るものがありましたね。また、ソルトレークに出場した事実を知っているだけに、一つ一つのエピソードもその後の彼女達の活躍の第一歩として見る事で、感動が何倍にもアップしたように感じました。「私を見つけてくれてありがとう」という場面も、その後の小野寺さんの活躍がダブってしまうと、超感動ですね。かなりフィクションになっているとは分かっていても、ここは、役をダブらせた方が感動もアップなので、あえて、そういう見方をしてみたり。真人役は、長野五輪に出ていた敦賀さんがモデルですよね。カーリング好きとしては、嬉しい映画です。
スポーツであれ、何であれ、この映画のように、「心の底から楽しんでやる」ということはとても重要な要素だと思います。本当に楽しんでカーリングをやっている主人公達の姿がとても印象的でしたねー。
ますますカーリングが好きになる、そんな映画でしたねー。とにかく爽やかで、まっすぐで、見ていて気持ちの良い映画なので、かなりオススメです!
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