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2006年9月19日 (火)

映画「マダムと奇人と殺人と」

「マダムと奇人と殺人と」 2004年 仏、ベルギー、ルクセンブルク

タイトルのままになんとも風変わりな映画でした。でも、ゆる~い笑いの感覚が日本の映画やドラマととても似た雰囲気で、なんだか新鮮なヨーロッパ映画。

舞台はベルギー。ブリュッセルのレオン警視は墓場で死体が発見されたという知らせを聞いて、触るものを何でも壊してしまう相棒とともに駆けつけるが、そこには死体の姿はなかった。一方、奇人が集う下宿付きのビストロ「突然死」(←店の名前)では、掃除夫として働くオカマのイルマのもとに、男性だった時代に作った20歳の娘が、一度も会ったことのない父親を訪ねてやってくるという知らせでてんやわんやの大騒ぎ。連続して起こる殺人事件は、やがてビストロ「突然死」を巻き込んで、新たな展開を見せるが・・・。という物語。

とにかく奇人ばかりが出てくる映画でした。主人公の警視はこの作品では一番の常識人ではあるものの、それでも、空き時間はひあすら編み物をしているという変わり者。彼の母親は懸賞マニアで、家中が懸賞で当たった下らない雑貨で溢れいるし、彼の秘書を務める女性は、ユニークなイヤリングがトレードマークで金魚鉢型のイヤリングの中で金魚を飼ったり、オルゴール付きイヤリングを鳴らしながら歌を歌ったり。解剖医は、とにかく死体LOVEだし、警視の愛犬は生肉の香りに引き寄せられて・・・という始末。

さらに、町の人々も変わり者ばかりで、ビストロ「突然死」のコックは、妙な創作料理に夢中だし、神父様は聖水をアルコール感覚でがぶ飲み、墓場の土堀人は、夜中に死体とダンスを踊ったりととにかく一筋縄ではいかない人々ばかり。

画面のいたるところに小ネタも満載で、クスリと笑ってしまう場面の連続。これは、最近の日本のコメディなんかと非常によく似ているように思いました。ドラマの「時効警察」とか、クドカン作品とか、映画だったら新しいところでは「亀は意外と速く泳ぐ」なんかのテイストにとても近い!たまにブラックでシュールな笑いがあるのは西洋系のコメディではあるけれど、こういう小ネタ満載の奇人変人コメディは万国共通なんだなぁというのを実感しました。

上でシュールな笑いと書きましたが、この作品、ベルギーということもあって、僕の好きな画家、マグリットもかなり印象的に使われていて、その辺も嬉しかったですね~。

一応、サスペンスになっているメインのストーリーもそれなりに楽しめるし、続編があったら、是非見てみたいと思う作品でした!

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